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[2011年4月18日:更新]
[2011年4月15日:公表]

「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第2報)−発生1カ月間にみる相談の推移−

 2011年3月11日に発生した「東日本大震災」(注1)からおよそ1カ月が経過した。地震や津波、原子力発電所の事故等に伴う震災関連の消費生活相談が、発生直後から全国の消費生活センター及び国民生活センター(注2)に多数寄せられている。

 3月11日から3月27日までに受け付けた相談情報については、東北・関東地域の相談を中心に『「東北地方太平洋沖地震」関連で寄せられた消費生活相談情報(第1報)』で3月28日にまとめている。今回は、発生から1カ月間の相談について受付時期別でどのような特徴があるのか等を中心に速報としてまとめ、情報提供する。

  1. (注1)2011年4月1日に政府は3月11日発生の地震による震災の名称を「東日本大震災」とすることとした。
  2. (注2)3月27日より被災地域を対象として「震災に関連する悪質商法110番」を実施している。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)(注3)にみる相談の概要

相談件数

 PIO-NETでは、「東日本大震災」当日から震災関連の相談が全国から寄せられ、3月11日から4月10日までの1カ月間で7,258件となっている(4月11日現在)(注4)。

 1カ月間の相談を受付日別に5日単位(注5)で6期間に区切って内訳をみていく。

 「発生当日から5日目」までは1,103件、「6日目から10日目まで」が2,246件、「11日目から15日目」までが2,022件、「16日目から20日目」までが1,130件、「21日目から25日目」までが562件、「26日目から31日目」までが195件であった。

 震災発生直後に比べ、約1週間経過する頃から相談が急増している。また発生から10日が過ぎた時期も2,000件を越える相談が寄せられている。その後、半月が経過すると、現段階では徐々に落ち着いてきている(図1参照)。

 また被災地(岩手県、宮城県、福島県、茨城県の4県)の推移をみると、時間が経つにつれ、発生直後の11.9%から26日目以降の43.6%へと、全体に占める割合が徐々に大きくなっている。

図1 相談件数の推移
相談件数の推移グラフ

  1. (注3)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。
  2. (注4)2011年4月11日までの登録分。なお、受付日と登録日には時間差があるため、直近の受付日分はまだ未登録のものが多数あり、今後増加することが予想される。
  3. (注5)今回は、特別に集計期間を月ベースより小さな単位としている。

時期別の商品割合

 図2に、時期別に寄せられた相談を商品別割合で示した。以下、時期別の上位商品の主な特徴を挙げる。

(1)「発生当日から5日目」まで

 発生直後は、1,103件のうち「ガソリン」や「電気」が含まれる「光熱水品」が359件(32.5%)を占めていた。2番目に大きな割合である「教養・娯楽サービス」は167件(15.1%)で、主に国内旅行やコンサートチケット等のキャンセルについての相談である。

(2)「6日目から10日目」まで

 震災発生から約1週間を経過した時期には、総数2,246件のうち、「光熱水品」の件数は901件(40.1%)と4割となり、発生直後よりさらに大きな割合を占めることとなった。これは、「ガソリン」の品不足に加え、便乗値上げではないかという相談が寄せられるようになったこと、また震災の影響による計画停電の実施が本格化されてきたことから、「電気」についての相談が増加した結果であると考えられる。そして、主に「米」等の品不足についての「食料品」の相談が増加している一方、震災直後に多く寄せられていた、予約していたサービスのキャンセル等に関する「教養・娯楽サービス」の相談の割合は7.8%と小さくなってきた。

(3)「11日目から15日目」まで

 11日目以降、半月が経過する頃には、総数2,022件のうち、「食料品」が259件(12.8%)とさらに増加している。これは、「6日目から10日目」以前にみられたような品不足に関する内容から、「ミネラルウォーター」や「野菜」等に代表される、原発事故による放射性物質に関連するものへと内容が移行していることが要因と思われる。また「光熱水品」には、「ガソリン」、「電気」のほかに、「ミネラルウォーター」と同様の理由からと考えられるが、この期間に東京都水道局が乳児の水道水の摂取を控えるよう指示したことから、「水道水」についてのいわゆる“水”に関する相談も寄せられるようになった。

(4)「16日目から20日目」まで

 震災発生から半月を越えると、総数は1,130件となった。最も大きな割合を占めるのは、依然として「光熱水品」(16.6%)であることには変わりはないものの「11日目から15日目」と比べ、割合は半減している。一方、被災地周辺での「屋根工事」等の「工事・建築・加工」や、「賃貸アパート」の解約や補修が多く含まれる「レンタル・リース・貸借」、また主に「火災保険」、「フリーローン・サラ金」が含まれる「金融・保険サービス」の割合が徐々に大きくなってきている。ほかに、「その他」に含まれるが、「募金」も目立つようになってきた。

(5)「21日目から25日目」まで

 21日目以降25日目までは、現段階では総数562件であるが、今後件数がさらに登録されることが予想される。上位を占めるのは、「16日目から20日目」と同様、「食料品」11.9%、「レンタル・リース・貸借」9.4%、「工事・建築・加工」8.7%である。「光熱水品」の割合は7.8%と、1割を切るようになった。

(6)「26日目から31日目」まで

 直近の26日目から31日目までは、現段階では総数195件と少ないが、そのなかで「食料品」が21.5%と2割を占めるようになった。このなかでは、放射性物質に効くとうたう「健康食品」や「ミネラルウォーター」等の相談が目立つ。また、「金融・保険サービス」の割合も11.3%とさらに大きくなってきている。

図2 時期別商品割合
時期別商品割合グラフ

主な商品別の相談の推移

 図3では、1カ月の総相談件数の上位にある「ガソリン」、「電気」、「賃貸アパート」を取り上げ、時期別の相談件数の推移を示した。

 震災発生直後から相談件数が最も多かった「ガソリン」は、「6日目から10日目」までには719件と激増して、この時期が1カ月間でのピークとなっている。その後、「11日目から15日目」以降は減少傾向にある。

 「電気」も発生直後から相談が多かったが、計画停電が広域で実施された「11日目から15日目」がピークとなっている。そして、3月末頃から計画停電の実施が見送りになり、4月に入り「原則不実施」と発表されたことを受けた形で、相談件数も減少している。

 「賃貸アパート」の解約や補修等の相談は、発生直後から被災地を中心に多く寄せられているが、1カ月が経過する現在も、引き続きみられる。

図3 主な商品別の推移
主な商品別の推移グラフ



主な相談事例

 震災発生から21日目以降に寄せられた、最近の主な相談を挙げる。

【事例1】賃貸アパート
 息子が借りていた賃貸アパートの給湯器が地震で壊れ、部屋が水浸しになり住めなくなった。できれば給湯器を修理し、このまま住まわせたいが、管理会社とは連絡が取れず、大家の連絡先もわからない。
(宮城県、20歳代、男性)
【事例2】ミネラルウォーター
 インターネット通販でミネラルウォーターを注文したが、申し込み時の画面に表示されていた業者の住所と発送業者の住所が違うことが後日わかった。不審に思い、電話で解約を申し出ようとしたが、「震災の影響で電話の受付はしていない」と録音が流れるだけで連絡が取れず、メールでの申し出には返信がない。
(神奈川県、30歳代、女性)
【事例3】屋根工事(修理サービス)
 「震災後、近所の家を点検して回っている」と、自宅を訪問してきた業者に「屋根瓦がずれているから、直したほうがいい」といわれ、契約してしまった。しかし、自分で屋根に上がってみると、瓦はずれておらず、一部の釘が浮いている程度だった。クーリング・オフしたい。
(千葉県、70歳代、男性)
【事例4】健康食品
 インターネット通販で、放射能を除去するという飲み薬液とサプリメントを申し込み、代金を振り込んだが、商品が届かない。
(神奈川県、40歳代、男性)
【事例5】募金
 「震災の義援金として150万円振り込んでほしい」と電話があった。不審だ。情報提供したい。
(北海道、60歳代、男性)
【事例6】フリーローン・サラ金
 震災の影響で仕事を解雇されて収入がなくなったため、ローンの支払いができない。今後どうすればよいか。
(福島県、30歳代、男性)


まとめ

被災地からの相談割合は増加傾向

 震災直後と比較し、時間の経過とともに被災地の方からの相談割合が大きくなってきている。

発生直後に多かった「ガソリン」、「電気」等のエネルギー関係の相談は徐々に減少

 震災直後に非常に相談が多かった、生活に直結する「ガソリン」や「電気」を代表とする相談は、日が経つにつれ、品不足が解消し、計画停電の実施が見送りになるなど、日常生活に大きな支障がなくなってきたことで、1カ月経った現在ではかなり減少してきている。

 また、震災前にすでに予約していた旅行やコンサート等のキャンセルに関する相談も、落ち着いてきている。

震災発生からしばらくして、原発事故の影響が相談にもあらわれてきている

 震災から数日して、原発事故の状況が変化するにつれ、その影響で寄せられる相談の商品の種類や内容も日々変化している。

最近では「修理・補修」、「保険」の相談が増えている

 生活再建に向けて、建物の「修理・補修」に関する相談や、損害保険、生命保険等の「保険」についての相談も、最近では目立つようになってきている。



被災地の方へ

 国民生活センターでは、3月27日より悪質商法かどうかにかかわらず、消費生活に関する相談全般を受け付けている。生活の中で不安な点・疑問に思うことなどがあれば、遠慮なく「震災に関連する悪質商法110番」まで電話していただきたい。

  • ※「震災に関連する悪質商法110番」は受付を終了しました。(2011年7月29日)


情報提供先

  • 消費者庁 消費者情報課
  • 消費者庁 地方協力課



本件連絡先 相談情報部 情報提供課

[PDF版] 「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第2報)−発生1カ月間にみる相談の推移−[PDF形式](236KB)
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