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[2011年4月8日:公表]

「震災に関連する悪質商法110番」の受付状況(第1報)
−開設後一週間のまとめ−

 2011年3月11日(金曜)に発生した東日本大震災により、被災地では消費生活センター等も被害を受けた。この震災の影響によって、消費生活相談を実施できない地域を支援するため、国民生活センターでは3月27日(日曜)より「震災に関連する悪質商法110番」(以下、「震災関連悪質商法110番」)を開設した。

 「震災関連悪質商法110番」では、岩手県、宮城県、福島県の3県(注)を対象地域として相談を受け付けている。開設から一週間が経過したので、これまでの受付状況を速報としてとりまとめた。

  • (注)契約者の居住地域としている。

相談の概要

相談件数

 3月27日から4月3日までに「震災関連悪質商法110番」で受け付けた、3県からの苦情や問い合わせを含んだ相談件数は156件で、1日平均約20件の相談が寄せられた。なお、“悪質商法”以外の生活に関連する相談が多く寄せられている。

(1)商品別

 商品別にみると、賃貸アパートや借家等の「不動産貸借」が19件(12.2%)で最も多い。次に、ガソリンが16件(10.3%)、屋根工事等の「工事・建築」が15件(9.6%)と続く。以下、原発事故の影響での避難情報等や、生活資金貸し付けや税金免除等の情報を入手したい、というものや、ボランティア派遣の要請や震災で職を失った、といったもの、他に火災保険、自動車等の相談が寄せられている。(図1参照)。

図1 商品別割合
3月27日から4月3日までの相談の商品別割合によるグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

 商品別にみると、不動産賃貸が12.2%、ガソリンが10.3%、工事・建築が9.6%、他の行政サービスが7.7%、相談その他が4.5%、修理サービスが3.8%、火災保険が2.6%、四輪自動車が2.6%、フリーローン・サラ金が1.9%、役務その他サービスが1.9%、その他が42.9%

(2)相談内容別

 受け付けた主な相談内容の上位5位を挙げると、「契約・解約」に関する相談が79件で最も多い。以下、「価格・料金」が36件、「販売方法」32件、「品質・機能、役務品質」22件、「接客対応」が19件となっている(表1参照)。2位の「価格・料金」は、通常の消費生活相談と比べ、上位にきている。

表1 相談内容上位件数
 相談内容件数
1契約・解約79
2価格・料金36
3販売方法32
4品質・機能、役務品質22
5接客対応19

*複数回答

契約者の属性

 契約者属性の内訳は、以下のとおりである(不明・無回答等は除く)。

(1)年代別

 年代別にみると、60歳代が35件(26.7%)と4分の1を占め、50歳代が24件(18.3%)、40歳代が22件(16.8%)、70歳以上が21件(16.0%)、30歳代が17件(13.0%)という順で続く。

(2)性別

 性別でみると、男性75件(51.0%)、女性68件(46.3%)、団体等4件(2.7%)で、男性がやや多い。



主な相談事例

家やアパートの被害に関する相談

【事例1】賃貸アパート
 震災によって電気、ガス、水道などのライフラインが断たれてしまい、息子が居住する賃貸アパートが生活できない状態になった。退去を申し出たところ「アパートは壊れていない。退去は6カ月前に申し出ることになっている。違約金として家賃の3カ月分を請求する」と言われた。納得できない。
(契約者:20歳代 岩手県 男性)
【事例2】賃貸アパート
 地震と津波で、住んでいたアパートが床上浸水した。補修をしてほしいが、不動産屋が対応してくれない。住むことができないので、避難所にいるが、家賃は支払わなければならないのか。
(契約者:40歳代 宮城県 男性)
【事例3】家のリフォーム
 リフォーム途中の家が引き渡し前に震災の被害にあい、全壊状態になった。この場合、支払いはどうなるのだろうか。
(契約者:30歳代 宮城県 女性)

価格の値上げに関する相談

【事例4】ガソリン
 居住地域内でガソリンの値段を200円で販売している業者がいる。今までは155円から160円で販売されていた。便乗値上げだと思うが、問題ではないか。
(契約者:30歳代 福島県 男性)

販売方法に関する相談

【事例5】屋根修理
 突然自宅に業者が訪問してきて、「隣の家にお宅の瓦が落ちているので、早く修理をした方がよい。修理には6万円がかかる」と強引な調子で勧められた。すでに地元の業者に依頼していると伝えて断ったが、強引な勧誘はやめてほしい。
(契約者:40歳代 福島県 女性)
【事例6】屋根修理
 震災により屋根の瓦が落ちていた。震災後、業者が訪問し「屋根を直したほうがいいですよ」と110万円の屋根の葺替(ふきかえ)工事を祖父に勧めた。契約後に自分は知り、「業者の信用性がわからないので心配だ」と祖父を説得し、祖父も解約する気持ちになったが、解約できるだろうか。
(契約者:80歳代 宮城県 男性)

解約料に関する相談

【事例7】袴(はかま)
 卒業式のため袴(はかま)のレンタルサービス契約をしていたが、レンタル予定日が来る前に大震災が起きた。レンタル予定日の3日前から業者に電話していたがつながらず、店舗も営業休止になっていたようだ。その後、予定日が過ぎてからキャンセル料として5,000円を求められた。一方的で納得できない。
(契約者:20歳代 福島県 女性)
【事例8】携帯電話
 地震による津波で、通話やデータ通信を行っていた携帯電話が流されてしまった。携帯電話会社に解約を申し出たところ、2年間の契約なので、期間の途中で解約すると違約金がかかると言われた。納得できない。
(契約者:40歳代 宮城県 女性)

保険の補償範囲に関する相談

【事例9】損害保険
 地震で自宅が被害を受け、内装の壁にひびが20箇所以上入り、窓も閉まらなくなった。火災保険と地震保険に入っているが、どの程度補償してもらえるのか心配だ。業界団体の窓口を教えてほしい。
(契約者:70歳代 宮城県 男性)

津波の被害を受けた相談

【事例10】自動車
 1年前に購入した中古車が津波で流されてしまった。代金のクレジットの支払いが残っているが、どうしたらよいか。
(契約者:年齢不明 宮城県 女性)
【事例11】預金・生命保険
 津波で自宅が流され、銀行の通帳や印鑑、保険証書がすべてなくなってしまった。預金の引き出しなど、どうなるのか。
(契約者:80歳代 宮城県 女性)


まとめ

賃貸アパートや屋根工事など、住まいの修繕や契約に関する相談が多い

 消費生活相談のなかで「不動産貸借」と「工事建築」は、あわせて2割の相談が寄せられており、最近の消費生活相談全体での割合と比較すると2倍以上となっている。住まいに関する問題は重要であり、切実な状況がうかがわれる。

 なお、「震災関連悪質商法110番」には、建築士も待機しており、技術的な相談の支援も受け付けることができる。

悪質商法については今後も注意が必要

 震災の影響で契約通りに実行できなくなり、代金を消費者が負担する必要があるのかなどの契約に関する相談が多いものの、販売方法に関する相談も寄せられている。

 住宅の工事については、上記の事例のほかにも「チラシが入っていたが信用できるか」というように、契約前の相談のため詳細がわからないが、震災に便乗して高価格で契約させたり、ずさんな工事をする可能性のある業者についての相談も寄せられている。消費者は、あわてて契約せず、できるだけ複数の業者から見積もりをとって価格を比較し、作業内容を事前に確認してから契約してほしい。また、見積もりのために現地調査に来てもらうための費用の要否についても、事前の確認が望ましい。

 他に、ガソリン・食料品・たばこの値上げなどの相談も寄せられていることから、今後生活物資の流通が回復していくなかでの状況も注視していく必要がある。

消費生活相談以外の相談も多く寄せられている

 契約に関する相談だけでなく、ボランティアや雇用に関する相談など、消費生活相談以外の相談も多く寄せられ、可能なかぎりの情報提供や相談窓口の案内を行っている。

トラブルの解決までには長期化も

 被災地では、業者側も被災者であり、対応が間に合わない状況にあることがうかがわれるケースもある。今回の震災では津波による被害も大きく、トラブルの解決までに時間がかかることが予想される。



被災地の方へ

 当窓口では、悪質商法かどうかにかかわらず、消費生活に関する相談全般を受け付けている。生活の中で不安な点・疑問に思うことなどがあれば、遠慮なく「震災に関連する悪質商法110番」まで電話していただきたい。

  • ※「震災に関連する悪質商法110番」は受付を終了しました。(2011年7月29日)


情報提供先

  • 消費者庁 消費者情報課
  • 消費者庁 地方協力課



本件連絡先 相談情報部 情報提供課

[PDF版] 「震災に関連する悪質商法110番」の受付状況(第1報)−開設後一週間のまとめ−[PDF形式](215KB)
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