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[2011年4月19日:更新]
[2011年4月8日:公表]

加圧を利用したスパッツの使い方に注意!

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 近年、衣服を着用した時に体に加わる圧力を利用し、「脚スッキリ」や「筋肉のサポートを高め、疲労感を軽減」等、脚の引き締めや運動効率の向上などの効果をうたった下半身用の衣類が市場で多く見受けられるようになった。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には加圧を利用した衣服に関する相談が2005年度以降2011年1月末日までに102件寄せられており、98件は2008年度以降に寄せられたものであった。また、総相談件数102件のうち50件は脚を加圧するスパッツに関する相談であった。

 そこで、「加圧を利用したスパッツ」について、姿勢による衣服圧の変化や注意表示などの調査を行い、商品の使い方について消費者に情報を提供することとした。

 テスト対象銘柄は、通信販売で購入できる「加圧」「着圧」の女性用スパッツ10銘柄とした。また、一般医療機器として認可されている弾性ストッキング3銘柄(このうち1銘柄は加圧を利用したスパッツと同様の形状で、他の2銘柄は足の指先まで覆う形状のもの)を参考品として加えた。


主なテスト結果

衣服圧の分布

医療用の弾性ストッキングは、足首から上部に向けて衣服圧が低くなる段階着圧構造の傾向がみられた。一方、加圧を利用したスパッツは、ふくらはぎの衣服圧が高いものなど衣服圧の分布が弾性ストッキングとは異なり、体の上部に向かうに従い、弾性ストッキングと同等、あるいはそれを超える衣服圧のものが多かった。

重ね履きをしたときの衣服圧

比較的衣服圧が低い銘柄でも、加圧タイプのハイソックスと重ね履きをすると、足首やふくらはぎの衣服圧が高くなった。

小さいサイズを着用した時の衣服圧

適正サイズより小さいサイズを着用すると、特に「しゃがむ」姿勢をしたとき、膝の衣服圧が高くなった。

姿勢による衣服圧の変化

姿勢を変えると衣服圧は変化し、「椅子に座る」、「しゃがむ」姿勢では衣服圧が高くなった。特に「しゃがむ」姿勢時に、銘柄の中には、膝やふくらはぎの衣服圧が医療用の弾性ストッキング着用時より高くなったものがあった。

表示等

  1. (1)衣服圧に関する表示
    衣服圧に関する表現や、衣服圧を加える構造を表す表現は銘柄によって様々で、足の下の方から上部に向かうに従い衣服圧を低減する構造をうたった銘柄と、それ以外の銘柄では、衣服圧の分布に大きな差はみられなかった。
  2. (2)注意表示
    10銘柄中4銘柄については注意表示がなく、参考とした医療用の弾性ストッキングと比較して注意表示が少なかった。
  3. (3)サイズ選択に関する表示
    サイズ選択の際に基準となる部位が「ヒップ」と「ウエスト」や、「ヒップ」と「身長」など様々であった。


消費者へのアドバイス

  • 加圧を利用したスパッツは、部位によって医療用の弾性ストッキングと同等以上の衣服圧のものがあった。特に「しゃがむ」姿勢をしたときに膝やふくらはぎの衣服圧が高くなり、加圧を利用したスパッツを着用することで静脈血が停滞しやすくなる可能性があった。同じ姿勢を続けない等、使い方には注意したほうが良い。
  • 自分の身体寸法を正しく把握し、サイズが適正なものを選ぶことが大切である。通信販売等では、商品を確認することが難しいため、購入の際には慎重に対応すること。また、着用時には、他の加圧製品(ハイソックスなど)との重ね履きや、まくれ上がり等使い方に注意する。


業界への要望

  • 加圧を利用したスパッツは、部位や使用状況によって医療用の弾性ストッキングと同等、あるいはそれ以上の圧であった。使用上必要な注意を検討し、表示するよう要望する。また、購入時に消費者が適正なサイズを選択できるよう工夫を要望する。
  • 衣服圧の測定方法、並びに表示方法については、現在、統一された方法がない。衣服圧の情報は消費者が選択する際に重要な情報であるため、今回の方法を参考に、測定方法や表示方法の統一化を図るよう検討を要望する。


行政への要望

  • 商品の表示や広告に、筋肉のポンプ作用を高める等の効果をうたったものが1銘柄あった。薬事法に抵触するおそれがあると考えられるため、この商品について監視・指導の徹底を要望する。


要望先

  • 消費者庁 政策調整課
  • 社団法人日本アパレル産業協会


情報提供先

  • 厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
  • 経済産業省 製造産業局 繊維課
  • 社団法人日本通信販売協会


業界の意見 ※2011年4月19日 追加

「株式会社アンジュ」

「株式会社アンジュ」より

 報告書の中に10種類の検体が社名・商品名ともに書かれています。着圧の強さやその他のクレームの上がった商品と10種類すべて直接関係する物ばかりでしょうか?そうでないのなら検体商品とは直接関係が無く、「着圧の測定をするために無作為に集めただけのもの」と明記してください。それとあくまでスパッツの使用者(一般消費者)や、販売する側(メーカー・販売店)に「サイズの明記や、間違った使い方が無いように指導及び告知をして欲しい」と、注意を促したものならそこの部分も明記してください。今回のテストの目的が理解出来ませんので宜しくお願いします。

株式会社アンジュ 代表取締役 寺本 民人

「株式会社アンジュ」への商品テスト部の見解

 報告書中の相談情報は、「加圧」や「着圧」を特徴としてうたった商品に対して寄せられたもので、現状を理解して頂くために掲載しております。今回の商品テストでは、苦情の有無を銘柄の選定基準にした訳ではなく、インターネット通信販売のショッピングモールにて、「加圧 パンツ」「着圧 パンツ」「加圧 タイツ」「着圧 タイツ」のワードで検索し、複数の販売サイトで見受けられた商品を選定致しました。また今回の商品テストは、「加圧を利用したスパッツの使い方に注意!」というタイトルの通り、消費者に使用上の注意を促し、体に合ったサイズを選択しやすくなるよう、製造者にも注意表示やサイズ表示等に工夫を要望するものです。

「株式会社メイダイ」より

 今回の商品テストの結果を真摯に受け止めております。

 今後の弊社の商品開発に活かしていきたいと思います。

 なお、この商品においては販売開始時より、サイズ交換・身体に及ぶ支障についてのクレームは、1件も届いておりません。

株式会社メイダイ 企画 アシスタントチーフ 足立 治美

「株式会社ワコール」より

 この度は有用な情報をご提供いただき、ありがとうございました。弊社では、「CW-Xスタイルフリー」を含むすべての商品について、事前に着用テストを含む入念な商品テストを実施し、商品の安全性等を確保した上で販売を行っております。「CW-Xスタイルフリー」は、平成22年2月に販売を開始し、これまでに7万枚以上を販売しておりますが、その安全性に関する消費者からのお申し出はございません。

 さて、今回の商品テストにおけるいくつかの指摘事項のうち「CW-Xスタイルフリー」に該当すると思われるのは、(1)臀部−腹部の衣服圧が弾性ストッキングの最小値を上回ること、(2)しゃがむ姿勢をとった際、膝・ふくらはぎの衣服圧が弾性ストッキングの平均値を上回ること、(3)サイズがヒップと身長で表示されていること、(4)使用上の注意表示がないこと、の4点です。

 このうち(1)については、報告書本文8ページ表2中の「CW-Xスタイルフリー」の衣服圧が示す通り、臀部−腹部以外の衣服圧は弾性ストッキングの最小値を十分下回っている(特に足首周辺では比較対象となった弾性ストッキングの衣服圧の2〜3割程度の低い値しかない)こと、全部位で最も高い衣服圧が16hPaに過ぎないこと、臀部−腹部での13hPaの衣服圧が血流に悪影響を及ぼすとは考えにくいこと等から、「CW-Xスタイルフリー」の衣服圧は、消費者の通常の着用においては、安全上まったく問題のないレベルであると判断しております。

 (2)については、ジーンズやスーツのズボン等の一般衣服を着用してしゃがむ姿勢をとった場合の膝・ふくらはぎの衣服圧も、今回の商品テスト結果と同じく相当に高い値となることが予想されることから、しゃがむ姿勢をとること自体がそもそもどのような影響を膝・ふくらはぎに及ぼすかをまず確認する必要があり、その上でそうした姿勢の継続する時間や衣服の種類による衣服圧の差異等も考慮に入れた上で、個々の衣服の実際のリスクを評価するべきであると考えます。

 また(3)については、「CW-Xスタイルフリー」が、弾性ストッキングのような医療機器ではなく、その性能においても目的・用途においても通常の衣料品であることから、JIS規格に準じて通常の衣料品としてのサイズ表示を行っております。

 最後に(4)については、前述の通り「CW-Xスタイルフリー」の安全性には問題ないと判断しておりますが、「段階着圧設計」を標榜することに鑑み、消費者の不適切な商品の使用を防止するため、着用上の注意事項を表示するべきであると判断いたしましたので、次項の通り対応いたします。

株式会社ワコール 品質保証部 部長 廣田 朗



業界の対応 ※2011年4月19日 追加

「株式会社メイダイ」より

 今後の商品におきまして、国民生活センター様のご指導に従い、改善していきたいと考えております。

株式会社メイダイ 企画 アシスタントチーフ 足立 治美

「株式会社ワコール」より

 「CW-Xスタイルフリー」の商品及びウェブショップ上で、消費者に対し、(1)適正なサイズを選択する、(2)他の着圧の高い商品と重ねばき、まくれあがった状態での着用を避ける、(3)着用したまま「しゃがむ」などの同じ姿勢をとり続けない、(4)就寝時には着用しない、(5)からだに異常を感じた場合は着用をやめる、の5つの注意喚起表示を実施します(ウェブショップでは実施済みです)。また、「CW-Xスタイルフリー」と同様の機能を持つその他の商品についても、同様の注意喚起を順次表示いたします。

株式会社ワコール 品質保証部 部長 廣田 朗




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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