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[2011年1月20日:更新]
[2010年12月21日:公表]

回転ハンガーの安全性

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

目的

 省スペースで多くの洋服を収納できることを謳(うた)う回転ハンガーがテレビショッピングやインターネットの店舗などで販売されている。その多くは組立式で、上部のリング状もしくはバー状のハンガー部分に衣類を掛け、キャスターやベアリング等の回転機構が付いた支柱を回転させて、衣類の収納及び取出しを行う構造になっている。商品の中には、上下2段式で高さが2mを超えるものも多くある。

 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には2005年度から2010年10月末までに、回転ハンガーに関する相談が77件寄せられており、その中には「和室で使用していたが、ハンガーが倒れて足や腰に打撲を負った」といった危害事例のほか、「服を掛けたら支柱が曲がってしまった」といった危険や品質に関する事例がある。

 そこで、インターネットの店舗で販売されている回転ハンガー16銘柄を対象に、使用中に転倒する危険性がないのか、また十分な強度を有しているのかなどの安全性を中心にテストを実施し、消費者に情報提供することとした。



主なテスト結果

テスト条件の設定

  • 耐荷重相当の衣類を掛けてテストを実施した。なお、ハンガー部に可能な限り多くの衣類を掛けても衣類の総重量が表示耐荷重に達しなかったものは、その状態で実施した。

移動時の安全性

  • 畳の場合、耐荷重相当の衣類を掛けた状態で移動させようとすると、キャスターが方向転換できず転倒するものや、移動できないものがあった。また、キャスターが変形し、上のフレームに接触するものがあった。

    写真 キャスターが横に向いた例(左)とさらに力を加えて転倒した例(右)
    横に向いたキャスターの写真と転倒した回転ハンガーの写真

  • フローリングの場合、耐荷重相当の衣類を掛けた状態で移動させようとすると、キャスターが横向きの状態になり、移動できない場合があるものがあった。また、畳の上と同様にキャスターが変形し、上のフレームに接触するものがあった。

衣類を掛けた時の回転の滑らかさ

  • 耐荷重相当の衣類を掛けた状態でハンガー部を回転させると、回転用キャスターが滑らかに回転せずに移動用キャスターが回転してしまうものがあった。

一個所に偏って衣類を掛けた場合の安定性

  • 一個所に偏って衣類を掛けた場合、少ない着数でも転倒しやすくなるものがあった。

ボルトやナットの緩み

  • テスト中にボルトやナットが緩んだため、支柱が傾いたり、グラつきが大きくなったりすることがあった。

SGマーク認定基準に準拠した試験

  • ハンガー部に耐荷重の2倍の荷重を加え、24時間放置した結果、キャスターが変形して上のフレームと接触したものがあった。
  • 耐荷重の2倍の荷重を加えた状態で、回転部を回転した結果、支柱が傾き回転できずバランスを崩して転倒するものなどがあった。また、10回転後に確認すると支柱に若干の傾きが確認されたものがあった。
  • ハンガー部の半周部分のみの支持部間に表示耐荷重を加えて24時間放置した結果、全銘柄で使用上支障となる破損、変形等は生じなかった。

表示

  • 耐荷重や収納枚数に関する表示について、インターネット上の販売サイト及び取扱説明書の両方に表示がないものがあった。
  • 設置場所に関する表示は、販売サイトには全銘柄になかった。
  • 取扱説明書に事業者の住所や電話番号の表示がないものがあった。


消費者へのアドバイス

  • 衣類を掛け過ぎると支柱が傾いたり転倒したりすることがあるので注意すること。
  • 衣類を掛けたまま移動すると転倒することがあるので注意すること。
  • 一個所に偏らないように衣類は全体にバランスよく掛けること。
  • ボルトやナットの緩みがないか定期的に確認すること。
  • 寸法、組立場所及び設置場所について確認すること。


事業者への要望

  • 強度や安定性等が不足しているものがあったので改善を要望する。
  • 使用可能な洋服の総重量(耐荷重)及び収納枚数をわかりやすい表現でインターネット上の販売サイト及び取扱説明書に表示するよう要望する。
  • 寸法及び設置場所について、インターネット上の販売サイトでもわかりやすい表示にするよう要望する。
  • 取扱説明書に製造事業者、輸入事業者、販売事業者等の名称、住所、電話番号の表示をするよう要望する。


情報提供先

  • 消費者庁 政策調整課
  • 経済産業省 商務情報政策局商務流通グループ 製品安全課
  • 社団法人日本通信販売協会


動画

※大きな音がします。視聴に際して、ご注意ください。



業界の意見 ※2011年1月12日 追加

「コモライフ株式会社」、「株式会社ファミリー・ライフ」

「コモライフ株式会社」より

 商品テスト結果の資料【11ページ】の、SGマークに準拠した試験結果の【2)回転機構部の耐荷重試験】について、【写真12】を見ると、3本の支柱の内、1本だけが傾いていますが、試験からすると3本の支柱に均等に荷重が掛かっているのに、1本の支柱だけが傾いた状態になることは、この支柱を組み立てるときにこの支柱を止めるネジが緩んでいた可能性が非常に高いと思われます。当社でも同じように確認しましたが1本の支柱が傾くという現象は確認されませんでした。支柱3本とも傾くのであれば理解できますが、消費者に対し誤解を与えることも考えられますので、再度ネジの取り付けを確認していただいた上で、再試験をしていただけないでしょうか。

 資料【12ページ】表示に関する指摘の【4)製造事業者、輸入事業者、販売事業者等の表示】について、当社では問合せの電話番号のみで住所が書かれていないとのことですが、本商品は「家庭用品品質表示法」の対象商品ではありませんが、この法律に準じ、問合せ先を記載しています。この法律の中では、表示した者の「氏名又は名称」及び「住所又は電話番号」を記載することが定められており、当社もこの法律に準じて表示しています。当社といたしましては、電話番号(フリーダイヤル)を記載しており、更にホームページアドレス(ホームページには、直接問合せができるように、問合せフォームも入れています)も記載しています。住所、電話番号の両方の記載が必要ということであれば、まず法律から変更するように消費者庁等でご検討いただけますでしょうか。

コモライフ株式会社 CS情報管理室 室長 村田 義文

「株式会社ファミリー・ライフ」より

 表示者の箇所に関して住所表記がないとの指摘を頂いておりますが、家庭用品品質表示法に基づいて会社名と電話番号のみを表記しております。住所表記に関しては、本社・倉庫・コールセンターの各所在地が異なり、1カ所のみの住所表記を行うと問い合わせ、返品等の際に混乱が生じる恐れがあるため表記しておりません。コールセンターの電話番号を表記しておりますので、一般消費者からの問合わせ等には対応できているものと思われます。

株式会社ファミリー・ライフ 社長室 室長 岡崎 良弥

「コモライフ株式会社」への商品テスト部の見解

 写真では3本の支柱の1本のみが大きく傾いているように見えますが、実際は3本とも傾いていました。また、下段のハンガーは輪の一部が途切れたような形状であるため、3本の支柱に均等に荷重が掛かっている状態ではありません。そのため、各支柱の傾きに差が生じた可能性もあります。

 なお、試験前にはネジに緩みがないことを確認しております。

「コモライフ株式会社」及び「株式会社ファミリー・ライフ」への商品テスト部の見解

 対象商品は組立式であることから、購入後、消費者から問合せる機会も多くあると思われます。消費者の立場から考えれば問合せ方法として、電話及びインターネットだけではなく、書面等で行う場合も想定されることから、事業者の住所の表示もあった方が望ましいと考えます。

 なお、家庭用品品質表示法では住所と電話番号の併記を禁止しておりません。

参考URL 表示者名の記載について(消費者庁)

「株式会社ベルーナ」より

 まず、今回の商品テストの結果を真摯に受け止め、今後の弊社の品質管理に活かしていきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。今後は「より良い製品を安全に且つお客様にわかりやすいように」をモットーに、製品だけでなく、取扱説明書の内容の充実を図ってまいります。

 なお、抜き取り検査の対象となりました回転ハンガーにつきましては、商品販売前に「財団法人日用金属製品検査センター」において、耐荷重試験を実施し、各部に異常や変形が無いかを確認しておりました。また、販売開始から約2年経過しておりますが、お客様より変形・破損等のお声はいただいておりません。

株式会社ベルーナ クオリティマネジメント本部 川崎 功



業界の対応 ※2011年1月12日 追加

「コモライフ株式会社」より

事業者への要望(1)について
現在、取扱説明書の注意書きに【本商品を移動させるときは、両手で支柱を持ち、ゆっくりと動かしてください】【偏った掛け方をしないでください】【本体の回転はゆっくりと行ってください】と表記しておりますが、今後はより目立つように表記し、消費者の方への注意喚起をして参ります。
事業者への要望(3)について
寸法は取扱説明書及び販売サイトでも表記していますが、設置場所については表記しておりませんでしたので、畳の上など水平を保てない場所での使用方法についての記載を追記いたします。

コモライフ株式会社 CS情報管理室 室長 村田 義文

「株式会社ファミリー・ライフ」より

 今回のテスト結果で指摘頂いております組立説明書上の説明不足箇所に関して、修正を行っております。今後の販売商品に関しては、この修正の入った組立説明書を同梱して出荷する様に致します。

株式会社ファミリー・ライフ 社長室 室長 岡崎 良弥

「株式会社ベルーナ」より

 今回ご指摘頂きました取扱説明書の注意表記については、同構造規格の製品に対して、分かり易さの改善も含め、既に一部改善済みでございます。但し「移動時以外は、移動防止のための措置を講じておくこと(ストッパーの使用等)」に関する記載が無いため、今後可能な時期から追記を行ってまいります。あわせて、今回ご提案頂きましたお客様へのアドバイス(注意表記の文面)を弊社ホームページ上に掲示(12/23から実施)し、よりお客様の目にふれる形での情報提供を実施しております。その他、製品に関する今回のご指摘については、可能な限り早い段階で、構造変更等含め改善を進めていく方向で検討しております。上記対応以外にも、チェック体制の強化を図り、通常の事前検査とあわせて、使用状況を想定した製品の実使用確認を複眼にて行ってまいります。

株式会社ベルーナ クオリティマネジメント本部 川崎 功

「株式会社トッパン・コスモ」より

 当社製品のテスト結果において、構造上の不備の指摘はありませんでしたが、組立説明書、インターネット上での製品の基本機能及び問合せ先等の表示に関するご指摘を頂きました。つきましては、次の通り至急改善させて頂きます。

 組立説明書につきましては、ご指摘の次の6点につき、追加変更しました。

  1. 1.組立説明書の保管
  2. 2.使用時以外でのキャスターのストッパー使用
  3. 3.耐荷重
  4. 4.収納枚数
  5. 5.住所
  6. 6.電話番号

 インターネットの表示につきましても、指摘頂いた設置場所に関する表示の追加を販売業者に要請しました。

株式会社トッパン・コスモ 西日本支店第三営業部 部長 宮澤 達美




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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