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[2010年12月13日:更新]
[2010年11月18日:公表]

小径タイヤの折りたたみ自転車の安全性

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 小径タイヤの折りたたみ自転車(注)で走行中、歩道と車道の4センチほどの段差を越えたところで転倒。顔面に骨折や裂傷を負い、歯が6本折れた(2010年5月)との重大事故を受け、国民生活センターで事故同型品を調べた結果、ダミー人形を乗せて15km/hの速度で4cmの段差を上ると、樹脂製の前ホークが破損した。このことから、この自転車はフレームの強度に問題があるため、段差のある道路などでの使用を見合わせるよう情報提供した(2010年9月22日公表)。

 しかし、市場には事故品と同様の構造を持つ他の製品も散見され、これらもフレームの強度不足等の問題が懸念されることから、3社5銘柄について再度テストを実施し消費者へ情報提供する。

  • (注)事故品と同様の構造でタイヤの直径が同等(6〜8インチ)のものを、以後「小径タイヤの折りたたみ自転車」とする。

主なテスト結果

走行速度、段差走行の表示について

いずれの銘柄も走行速度や、段差走行について注意・警告を行っていたが、具体的な走行速度や段差を走行した場合に破損するおそれがあることを表示していたのは1銘柄だけで、どの程度の段差を想定しているのかを表示していた銘柄はなかった。

走行速度測定

いずれの銘柄でも、18km/h以上で走行でき、普通に走った場合でも10km/h以上であった。また、歩くくらいのスピードでは安定して走行できなかった。

段差上り試験

(1)フレームの変形や破損について
15km/hで4cmの段差を上ろうとした場合、1銘柄は前方チューブ(下)に変形が生じただけであったが、他の4銘柄は前方チューブ(下)の破損や前ホークの破断が生じた。

写真 破断または破損した銘柄の例
a)前ホークが破断した例
前ホークが破断した例の写真

b)前方チューブ(下)が破損した例
前方チューブ(下)が破損した例の写真

(2)転倒状況
15km/hで4cmの段差を上ろうとした場合、いずれの銘柄でも激しく前方に転倒し、特に前方チューブ(下)が変形しただけの銘柄は、ダミー人形が車体ごと跳ね上がり、頭部から路面に落下した。なお、参考品は、段差を乗り越えて走行を続けた。

品質上の問題点

異なる銘柄名の取扱説明書が添付されたものや、タイヤの空気が抜けてしまうもの、走行中にチェーンが切断したもの、ブレーキワイヤの端部が脱落しブレーキが利かないもの、ハンドルが曲がって付いたもの、反射板が前後逆のものがあった。



消費者へのアドバイス

  • 小径タイヤ(6〜8インチ)の折りたたみ自転車は、フレームの強度や段差を上るときの走行能力が劣るため、段差のある道路を走行するには適さない。
  • 購入した際には、直ちに商品の状態を確認し、品質の問題がある場合には販売元に連絡すること。また、道路以外を走行する場合でも、取扱説明書にしたがって使用し、段差や凹凸での走行を避け、異常を感じた場合には直ちに使用を中止すること。


事業者への要望

  • 道路を走行できることを前提にした自転車を販売するのであれば、ある程度の段差を走行することを十分想定して造られるべき商品と考えられ、タイヤの径を大きくする等の改善を要望する。
  • 玩具として販売されている銘柄であっても、人が乗って使用する商品の性格上、ある程度の段差でも変形・破損しない強度を有することが望ましく、安全に走行できるよう改善を要望する。


情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 経済産業省 商務情報政策局商務流通グループ 製品安全課
  • 財団法人自転車産業振興協会
  • 社団法人自転車協会


関連する発表情報

小径タイヤの折りたたみ自転車(A-RideX)の強度不足に注意!(2010年9月22日)



動画

※大きな音がします。視聴に際して、ご注意ください。



業界の意見 ※2010年12月13日 追加

「大作商事株式会社」

「大作商事株式会社」より

2010年5月に弊社製品A-bike plusの模造品「A-RideX」で発生した事故を受け、貴センターが弊社A-bike plusをはじめ他2社の模造品(合計4製品)について試験を行い、その結果が公表されました。

 今回の貴センターが行ったテストの発端となった事故は、弊社A-bike plusに形状が酷似した他社製模造品「A-RideX」で発生した事故であり、弊社A-bike plusにおいては同様の事故は発生しておりません。

 また、今回の商品テストの結果として貴センターも公表している通り、弊社A-bike plusについては品質上の問題はございませんでした(注1)。

  1. (注1)11月18日付 貴センター 報道発表資料内 10P 表5.品質上の問題点 ご参照

 今回のテスト方法は、JIS等の公的に定められた自転車試験規格に基づくものではなく、他社模造品で発生した事故時の乗車方法(時速10km〜15kmのスピードで、4cmの段差に激突)に近い条件でのテストであり、かつA-bike plusでは禁止している乗車方法によって製品の強度、安全性の評価が行われました。

 一方、A-bike plusは、JIS(日本工業規格)で定められた、前輪樹脂部を含むフレームの強度試験、及びフレーム強度に関する自主試験を日本国内の第三者試験機関にて実施し、合格しており、正しい乗車方法を守って頂ければ安全にご使用して頂ける製品であることを確認しております(注2)。

  1. (注2)
    1. 1)JIS D 9401−2010 7.7.2 自転車−フレーム エネルギー吸収試験
    2. 2)JIS D 9301 7.8「フレーム強度試験の7.8.2.1 質量落下衝撃試験順用」
    3. 3)自主基準試験:シャフト部の圧縮強度試験(耐荷重85kgの2.5倍の加重試験)

 今回の貴センターのテスト結果においても、他社製模造品(4製品)は全てチューブ(フレーム)の破損(折損)もしくは樹脂製ホーク(前輪車軸部)の切断が確認されましたが、弊社A-bike plusについては、走行上問題となる破損、破断は発生せず、フレーム接続部表面の軽微なしわ及び微細な変形が見受けられたに留まり、A-bike plusは十分な強度を有している事が改めて証明されました。

 よって、貴報道発表資料内 11P 6.消費者へのアドバイス「(1)小径タイヤ(6〜8インチ)の折りたたみ自転車は、フレームの強度や段差を上るときの走行能力が劣るため、〜」の文中にある、「フレームの強度〜が劣るため」の表現については弊社A-bike plusは該当せず、不適切と考えますので、表現の修正を要望します。

 また、貴センターより段差での乗車の注意喚起がなされましたが、弊社では従来から段差や凹凸道での走行については、取扱説明書並びに製品に貼り付けた注意シールにて禁止しており、今後も引き続き使用者へ注意喚起を行います。

 弊社A-bike plusは、イギリスで設計開発されてから、各国の自転車安全基準を可能な限り満たす為、約5年の歳月をかけて強度・安全性試験などを行い、販売を開始した経緯があり、自転車として安全に走行できる強度を持つ事を最優先として、携帯性の利便性を高めるため、可能な限りの小型・軽量化を実現させた製品です。

 これにより従来の自転車では難しかった電車、バス、飛行機などの持ち運びが容易となり、本国イギリスをはじめ、ヨーロッパ各国、アメリカなど世界中に多くの愛好者が存在し、正しい乗車方法を守って頂ければ、安全に走行できる利便性の高い自転車として世界的に広く認知され、その危険性が公的に指摘された事例はございません。

 弊社と致しましては、使用者の安全性を最優先としながら、引き続き正しい乗車方法の注意喚起を行うとともに、一層の品質向上に努める所存です。

 報道資料中 7.事業者への要望 部分にて、「〜ある程度の段差を走行することを十分想定して造られるべき商品と考えられ、タイヤの径を大きくする等の改善を要望する」とありますが、「ある程度の段差」とは具体的に何センチの段差か、及びタイヤの径は具体的にどこまで大きくすれば良いのか、その合理的な根拠とともに明示して頂ければ、英国開発メーカーとともに改善について再度検討させて頂きます。

大作商事株式会社 セールス&マーケティング部 渡辺 英信

「大作商事株式会社」への商品テスト部の見解

 今回のテストは、道路上に一般的に存在する4cmの段差を乗り越えて走行できるかを調べたもので、A-bike plusについては10〜15km/hの速度において、4cmの段差を上ることができず前方に転倒するとともに、前方チューブ(下)に塑性変形が認められたことから、段差のある道路を走行するには適さないと判断しています。道路法第24条に係る、歩道の車両乗り入れ部の段差は5cmが標準とされていることから、少なくとも10〜15km/hの速度で、こうした段差を問題なく乗越え、フレームの変形等が生じない構造であることが望ましいと思われます。ちなみに、JISで規格化されている車輪の呼び径は最小で12.5インチです。

 また、取扱説明書等では、段差走行を禁止しているものの、具体的な段差の高さを表示していないため、大小さまざまな凹凸や段差が存在する道路を走行することができないとも読み取れます。

「日本タイガー電器株式会社」

「日本タイガー電器株式会社」より

 商品の取扱説明書及び販売時の封入物、「取扱説明書」、「ご注意事項」、「A-bicycleお買い上げのお客様へ」、「クイックガイド」の4点は、国民生活センターの掲載内容と異なります。また、商品の購入ページには「段差などの使用が転倒や破損の原因となる」等の注意事項を記載しております。

日本タイガー電器株式会社 マネージャー 大橋 圓

「日本タイガー電器株式会社」への商品テスト部の見解

 今回テスト検体とした「A-bicycle plus」の2銘柄について、複数台購入した中に、「A-RideX」と表示された取扱説明書が入っていたものがありましたので、品質上の問題点として報告書に記載しました。

「有限会社ゆめ企画」より

 弊社取扱製品につきましては取扱注意事項記載の通り、一般道路や段差のある場所での使用は禁止し、公園等で使用を目的とする玩具として販売しております。ご使用者様が一般道路で使用される懸念があり、その場合に強度的に問題があることが認められます。

有限会社ゆめ企画 代表取締役 池田 昇



業界の対応 ※2010年12月13日 追加

「有限会社ゆめ企画」より

 今回のテスト結果を踏まえ、販売を終了させていただきます。

 またすでにご購入いただいております製品につきまして、正しい使用方法にて問題があった場合は速やかにご対応させていただきます。

有限会社ゆめ企画 代表取締役 池田 昇




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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