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[2010年9月15日:公表]

注意!高齢者に目立つ薬の包装シートの誤飲事故
−飲み込んだPTP包装が喉や食道などを傷つけるおそれも−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 薬を包装ごと飲みこんでしまい、喉や食道などを傷つけたという事故が危害情報システムに86件寄せられている。

 薬の包装は、プラスチックにアルミなどを貼り付けたPTP包装シートと呼ばれるものが主流である。1996年以前のPTP包装は、縦横にそれぞれミシン目が入って、1錠ずつ切り離せる構造だったが、錠剤と一緒にPTP包装を誤飲してしまう事故が頻発したため、1錠ずつに切り離せないようにミシン目を一方向のみとし、誤飲の注意表示を増やすなどの対策がとられた。しかし、その後も依然として誤飲事故は後を絶たない。

 1錠単位に切り離した薬をPTP包装のまま飲み込んでしまうと、自力で取り出すことは難しく、X線写真にも写りにくいため、内視鏡で取り出すことになり、身体への負担も大きい。そこで、被害の未然防止・拡大防止のため、あらためて消費者への注意を喚起する。


主な相談事例

【事例1】
 処方された薬を包装ごと飲みこんだ。喉が痛く救急車で病院に行ったが、喉仏の裏側に薬が引っかかってレントゲンでは見つからず、数時間かけて内視鏡で取り出した。
【事例2】
 貧血検査のため内視鏡を飲んだところ、十二指腸球部にPTP包装が刺さっていた。取り出したが穿孔(せんこう)しており、手術した。


問題点

  • 薬を1錠ずつに切り離せない構造が主流となっているが、携帯時などに消費者がハサミで1錠分に切り離してしまい、これが誤飲しやすいサイズであるため、事故につながる。
  • PTP包装は切り離すと角が鋭利になるため、人体内部を傷つけることがあり、部位によっては穿孔するおそれがある。
  • 痛みなどの症状が表れるまで誤飲したことに気付きにくい。また、誤飲を自覚せず体調不良などで検査しても、PTP包装の素材はX線を透過してしまうため、発見されにくい。発見が遅れると重症化するおそれもある。
  • 高齢者で事故が目立つ現状などから見て、消費者側が誤飲を防ぐには限度があると思われる。
  • 製薬業者は過去から、誤飲しても体内で溶ける素材やX線を透過しない素材などを含めた製品側からの安全策の研究を進めているようであるが、薬の品質を保ちつつ事故防止につながる有効な手段は見つかっていないようである。


消費者へのアドバイス

  • PTP包装には誤飲防止のために横か縦の一方向にのみミシン目が入っているので、1錠ずつに切らない
  • 高齢者の事故が目立つので、家族など周りにいる人も気を配る
  • PTP包装を飲み込んだかもしれないと思ったら、ただちに診察を受ける
  • 1回分ずつの薬を袋にまとめて入れる「一包化」を活用する


業界への要望

 PTP包装の誤飲事故防止に向け、業界団体を中心に過去から様々な対策が実施されているが、事故が依然として起こっている実態を鑑み、消費者に向けて「誤飲の危険性と誤飲防止のため、PTP包装を1錠ずつに切らない・割らない」などの啓発をさらに努めてほしい。特に、消費者に薬を渡す窓口での徹底した注意喚起が望まれる。

 一方で、誤飲しにくい構造や、万が一飲み込んでも身体への負担が軽減される策の検討などについて、製薬メーカーなどによる過去からの研究を踏襲しつつ、製品側からのさらなる安全策追求も継続して行ってほしい。

 また、処方薬については1回服用分の一包化が普及していくことも望まれる。



要望先

  • 日本製薬連合会
  • 社団法人日本薬剤師会
  • 社団法人日本病院薬剤師会


情報提供先

  • 消費者庁 政策調整課
  • 厚生労働省 医薬食品局 安全対策課
  • 社団法人日本医師会



本件連絡先 相談部危害情報室
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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