[2010年6月9日:公表]
電気ケトルによるやけど事故に注意!
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
最近、必要な時に必要な量だけ簡単・手軽に湯が沸かせるとして、電気ケトルが注目されている。本体が転倒しても湯がこぼれにくいことや、コップ1杯分なら1分程度で沸かせることなどを特徴としているものも見られる。危害情報システムには2005年度以降2009年度(2010年3月末登録分)までに、電気ジャーポットによるやけどの事故事例が322件寄せられている。その中には、「電気ケトルに水を入れスイッチを入れたら、数分後に蒸気と熱湯が噴き出し、手の甲をやけどした」など、電気ケトルによる事例も見られた。
電気ケトルの市場が成長している中で、今後、電気ケトルによるやけど事故等のトラブルが増えることが予想される。そこで、電気ケトルによるやけど事故の未然防止に着目したテストを中心に行い、安全に関わる問題点を明らかにして消費者に情報提供することとした。
主なテスト結果
定格容量1L未満、消費電力1300W以下、保温機能なしでポットのような形状のもの7社7銘柄をテスト対象とした。
想定される使用状況での安全性
(1)本体が転倒した場合(JISに基づく「転倒流水試験」)
給湯ロック機能が付いていないものは、本体の転倒時に容易に湯がこぼれてやけどの危険があった(写真1)。
写真1.転倒流水試験の様子(例)
(2)満水目盛(定格容量)以上で湯を沸かした場合
満水目盛よりも過剰に水を入れるほど、やかんと同様に湯注ぎ口などから湯が噴き出しやすくなった(写真2)。
写真2.湯が噴き出す様子(例)
(3)空だきをした場合
全銘柄とも電源を入れてから30秒前後で自動で電源が切れた。
湯沸かし時の本体各所の温度
本体側面の温度が70℃以上になるものがあった。その一方で、本体側面の温度が高くならないよう商品設計されているものもあった。
基本性能・品質等の確認テスト
(1)湯沸かし時間
電気ケトルは電気ジャーポットよりも湯が早く沸いた。
(2)電源プレートのコード接続部等の品質
電気用品安全法の技術基準に定めるテストを行ったが、短絡(ショート)などの不具合は生じなかった。
消費者へのアドバイス
購入時
本体転倒時のやけど事故の防止には給湯ロック機能付きのものがよい。
使用時
- 子供の手の届かない場所で使用する。
- 満水目盛以上の水は入れない。
- 定格15A以上の単独コンセントで使用し、他の電気器具との同時使用は避ける。
業界への要望
安全等にかかわる規格・基準の検討をするよう要望する。
要望先
- 社団法人日本電機工業会
情報提供先
- 消費者庁 消費者情報課 地方協力室
- 経済産業省 商務情報政策局商務流通グループ 製品安全課
動画
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
[報告書本文] 電気ケトルによるやけど事故に注意
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