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[2010年3月26日:公表]

スリングや抱っこひもなど赤ちゃん用子守帯に注意
−窒息、転落、股関節脱臼の危険性も−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 国民生活センターの危害情報システムには、抱っこベルト、抱っこひも等(以下「子守帯」という)使用時の赤ちゃんの危害・危険情報が寄せられており、過去10年間で64件に達している。子守帯での事故にはいくつかのパターンがあるが、2010年3月12日にCPSC(米国消費者製品安全委員会)が、4カ月未満の赤ちゃんにスリングを使う場合の窒息の危険性について警告情報を発信した。また同日、Health Canada(カナダ保健省)もスリング等を使用する際の転落や窒息事故に関し、注意喚起した。一方、スリングを使用した赤ちゃんの横抱きにより、股関節脱臼を起こす可能性があると指摘する医師の報告もある。

 そこで、上述のレポートの紹介などと併せ、消費者に子守帯の使用にあたっての注意を喚起する。


調査結果の概要

危害情報システム

 国民生活センターの危害情報システムには1999年4月1日から2010年3月15日までに、「子守用被服品」での危害・危険情報として、消費生活センターから29件、協力病院から35件、合計64件の情報が寄せられている。

 年度別件数では、2008年度13件、2005年度9件が目立っている。ケガをした赤ちゃんの年齢をみると、0歳が全体の半数以上を占めており、0歳3カ月から0歳8カ月に多くみられた。危害内容としては、「打撲傷・挫傷」が大半であった。

 危害の内容には、窒息や転落、脱臼などの事例が見られる。

CPSCの警告

 過去20年間にスリングの使用による乳児死亡が14件報告されている。このうち4カ月未満の赤ちゃんが12件で2009年だけで3件報告されている。スリングには窒息事故をもたらすおそれがあり、未熟児、双子、虚弱体質や低体重の乳児には特に注意が必要である。強制的な規格が必要な幼児用耐久財のリストに、スリングを追加した。

Health Canadaの注意喚起

 カナダでは、1995年以降ベビースリング使用時に9件の事故が発生しており、このうち2件は死亡事故のため、両親などに対して、ベビースリングなどを使用する際は次の点などについて注意するよう呼びかけている。

  • 保護者がつまずいて転んだときなどに赤ちゃんが転落する危険性
  • 不適切な姿勢のとき赤ちゃんが窒息する危険性

国保松戸市立病院 リハビリテーション科・整形外科 品田良之医師からの助言

 赤ちゃんは気管が細いため、首を過度に前屈させたりすると容易に気道が閉塞してしまう。また、短時間で窒息を起こしやすい。赤ちゃんの顔色や身体の状態が常に観察できる子守帯の使用が望ましい。また、赤ちゃんは急にそっくり返ることがあるので、転落などにも注意が必要である。

 赤ちゃんを横抱きの状態で長時間抱っこすると、股関節脱臼を起こす可能性がある。股関節脱臼を防ぐには、首がすわる3・4カ月時まで、できれば歩き出す前までは両足をそろえずに、股を開いた状態で抱っこする。



消費者へのアドバイス

  • 赤ちゃんの体の向きなどに配慮しながら使用する。特に、顔が保護者の体に密着する、顎が胸につくほど首が強く曲がるなど、気道をふさぐ状態にならないよう注意する。赤ちゃんの顔色が見えるようにする
  • 子守帯に赤ちゃんの落下を防止するための調節具がある場合は、正しく調節し、固定箇所を確実に締める
  • 赤ちゃんの股関節脱臼を防ぐために、歩き出す前までは両足をそろえずに、股を開いた状態で抱っこする。オムツを交換する時に、股の開き具合に注意を払う
  • 首が据わるまでは背当て、頭当てがあるものを選ぶ
  • なお、子守帯には(財)製品安全協会(SG)により認定された商品もあるので、購入時の参考にするとよい


情報提供先

  • 消費者庁 消費者情報課 地方協力室



本件連絡先 相談部危害情報室
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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