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[2009年11月19日:更新]
[2009年11月4日:公表]

電子レンジやIHヒーター等で加熱する湯たんぽの安全性

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 湯たんぽは古くから用いられている暖房器具の一つで、一般的には金属、樹脂等の容器にお湯を入れ暖を取るものである。最近では、電子レンジで温めるタイプや、従来からのガスコンロに加えIHヒーターでも直接加熱できる湯たんぽも販売されている。

 危害情報システム(注1)によると2004年度以降2009年度(8月末)(注2)までに湯たんぽに関する危害・危険情報は218件寄せられており、その件数は年々増加している。そのうち、就寝中などに低温やけどを負った事例が113件(52%)(注3)と最も多いものの、電子レンジで加熱するタイプでの加熱中の事故と思われるものが23件(注3)、直接コンロやIHヒーターで加熱中の事故と思われるものが11件(注3)寄せられている。

 これらの事故の中には、「電子レンジ加熱式の湯たんぽをオート機能で加熱したら破裂して中のジェルで顔面にやけどを負った」、「IH対応の湯たんぽを口金を閉めたままIHヒーターにかけ、数分離れたら爆発してヒーターが壊れた」など大きな事故となった事例も見られる。

 そこで、電子レンジやIHヒーター等で加熱できる湯たんぽについて、どのような使用状況で事故となるのか、また、製品に事故を防止するための対策があるのかなどの調査を行って消費者に情報提供することとした。

  • (注1)商品やサービス等により生命や身体に危害を受けたり(危害情報)、そのおそれのある情報(危険情報)を全国の消費生活センター及び危害情報収集協力病院からオンラインで収集・分析し、消費者被害の未然防止・拡大防止に役立てることを目的として作られたシステム。
  • (注2)2004年4月1日以降2009年8月末日までの登録分。なお、病院危害情報は2004年4月1日以降2009年8月末日までの受診分(2009年9月30日までのデータベース登録分)。
  • (注3)本調査のため事例を確認したもの。

主なテスト結果等

 インターネットの通信販売で「売れ筋」、「おすすめ」の上位に掲載されている販売価格が2,000円以下のものの中から、電子レンジで加熱するもの3銘柄とIHヒーターでも直接加熱できるもの3銘柄の計6社6銘柄をテスト対象とした。

電子レンジで加熱するタイプ

  • 表示された加熱時間で行わずに、オート加熱を行うと加熱時間が長くなり、高温の内容物が外へ漏れ出ることがあり危険であった(写真1参照)。
  • オート加熱で過剰加熱した場合でも、高温の内容物が外へ漏れ出ないものもあった。
  • 1銘柄はオート加熱禁止の絵表示が外箱に記載されていたが、本体に絵表示が記載されたものはなかった。
  • 使用期限に関する表示については、使用可能な回数や使用できる年数などを記載しているものはなかった。

IHヒーター等で直接加熱できるタイプ

  • 間違って口金をしたまま直接加熱すると湯たんぽが爆発することがあった。
  • 間違って口金をしたまま直接加熱し、高温になっているときに口金を外すと、高温の水蒸気が噴出し危険であった(写真2参照)。
  • 湯たんぽは約400〜500kPaと大きな圧力にも耐えることが爆発を招く原因となっているが、圧力を逃がすような構造を備えたものはなかった。
  • 3銘柄とも包装材には口金をしたまま加熱しないよう記載されていた。このうち2銘柄は本体にも注意表示のシールがあったが剥がれやすいものであった。

写真1.オート加熱で内容物が外へ漏れ出た例
オート加熱で内容物が外へ漏れ出た例の写真

写真2.加熱中に口金を外した様子
加熱中に口金を外した様子の写真



消費者へのアドバイス

電子レンジで加熱するタイプ

  • 過剰加熱するようなオート加熱などは使用してはいけない。

IHヒーター等で直接加熱できるタイプ

  • 口金をして直接加熱した場合には危険であるので、直接加熱することは控えること。


業界への要望

電子レンジで加熱するタイプ

  • 過剰に加熱した場合でも内容物が熱くなり過ぎず、外に漏れ出ない構造にするよう要望する。
  • 消費者が安全に使用できるように使用期限を表示するよう要望する。
  • オート加熱禁止については、本体にわかりやすく注意表示するよう要望する。

IHヒーター等で直接加熱できるタイプ

  • 内部の圧力が異常に上昇しないように、圧力を逃がす構造の商品を要望する。
  • 口金をしたまま直接加熱しない旨の注意表示は、本体に容易に消えない方法で表示するよう要望する。


要望先

日本カイロ工業会 電子レンジ加熱式ゆたんぽ部会



情報提供先

消費者庁 消費者情報課 地方協力室
経済産業省 商務情報政策局 商務流通グループ 消費経済政策課
社団法人日本電機工業会 家電部
社団法人日本ガス石油機器工業会



動画

※大きな音がします。視聴に際して、ご注意ください。



業界の意見 ※2009年11月16日 追加

「日本カイロ工業会 電子レンジゆたんぽ部会」、「マルカ株式会社」

「日本カイロ工業会 電子レンジゆたんぽ部会」より

ご指摘のありました内容(構造改良、使用期限表示、本体注意表示)を真摯に受け止め、業界団体として、お客様の安全確保に充分配慮した商品提供を、加盟メーカーと共に努力検討いたしてまいります。

特にオート加熱等の過剰加熱での問題は充分認識しておりますが、表示の有効性・分かりやすさ等ご指摘表示追加、及び製品改良について今後も更なる検討を進めてまいります。

尚、既に平成19年2月6日「電子レンジ加熱式湯たんぽによる加熱時の火傷事故の再発防止について(注意喚起)」として独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)より、「表示に従わずに過剰な加熱を行いますと、火傷の恐れがあることが判明しました。」と発表されております。

NITE発表時に、「日本カイロ工業会電子レンジ加熱式湯たんぽ部会」で製品対応について検討の結果、平成19年7月9日に表示自主基準を制定しております。

自主基準内容は、日本カイロ工業会の監督官庁である経済産業省にも報告しております。

日本カイロ工業会 電子レンジゆたんぽ部会 部会長 池沢 正義

「マルカ株式会社」より

今回の事例につきましては、あくまでも、ご使用される消費者の誤った使用より発生する事故であり、弊社では正しい取り扱いをしていただければ、何ら問題が無いと考えております。

また、弊社製品におきましては、パッケージ包装袋に使用を誤れば爆発が起こる可能性がある旨、大きく表示を致しております。おそらく、消費者が商品を購入する際には、ある程度内容を認識・ご理解していただいた上で購入をいただいていると認識しております。

上記の内容を考慮いただき、この様な事故はあくまでも使用上の問題である旨とメーカー各社においても対応に差がある事を適切にご説明をいただきたく要望致します。

最後になりますが、弊社と致しましてもご指摘いただいた内容を真摯に受け止め、現製品の更なる改善に努めてより、安全・安心な製品を作り続ける事は当然と考えており、努力して参る所存です。

マルカ株式会社 国内営業部 課長 森口 尚

「日本カイロ工業会 電子レンジゆたんぽ部会」、「マルカ株式会社」への商品テスト部の見解

平成19年2月6日にNITEが注意喚起を行なった後も事故が続き、件数も増加しています。やけどなどの重大事故となるおそれがあるため改めて消費者へ注意喚起することとしましたが、併せて事故防止のためには製品の構造や表示などの改善が必要と考えます。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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