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[2009年7月22日:公表]

強化ガラス製食器の破損事故
−強化ガラスの種類によっては破損時に激しく破片が飛ぶことも−

 両手鍋付属の鍋ぶた(全面物理強化)が破裂して破片で手にケガをする事故情報が寄せられた。また、強化ガラス製(全面物理強化)とは知らずに使っていた皿による破裂事故もある。

 強化ガラスは、落下衝撃などに弱いガラスの強度的な欠点を補い、安全性を向上させるために開発された。現在4つのタイプがあり、その中で「全面物理強化」「全面積層強化」(以下「全面物理・積層タイプ」という)は、割れ方が一般的なガラスや他の強化ガラスと違い、破片が鋭利なかけらまたは細片となって激しく飛散するという特性がある。

 当センターを含め、過去にも注意喚起を行っているが、消費者に強化ガラスの特性や取扱いの注意事項が十分に伝わっていないなどが考えられたため、全面物理・積層タイプの強化ガラス製食器について、消費者に注意喚起するとともに関係機関に要望・情報提供することとした。


強化ガラス製食器の破裂・破損事故の件数

 PIO-NETに寄せられている強化ガラス製の食器に係る危害・危険情報は、過去10年間で111件である。内訳は、危害20件、危険91件で、危害程度1ヵ月以上が1件ある。事故が発生した食器の種類別では、鍋やフライパンなどのふたが54件と最も多く、次いでコップやグラス、皿などの食器の42件などとなっている。



問題点

  • 元々、ガラスの欠点を補い強度を増して安全性を向上させたのが強化ガラスであるが、ガラス製品である以上、落下など物理的な衝撃や急な加熱や急冷などの熱衝撃が加われば割れる。口部強化、全面イオン強化の割れ方は一般的なガラスと同様とされているが、全面物理・積層タイプは破損時に破片が鋭利なかけらまたは細片となって激しく飛散するという特性が知られていない。
  • 破損に至ることになったキズの原点(「オリジン」といわれる)が見つかることはある。しかし、目視で判別できるような大きなキズが付いていることは稀であり、破壊が起こる前に消費者が気付く可能性は低い。さらに、キズの原点が消費者の取扱いに起因するものか、製造・出荷・流通の段階におけるものなのかを特定することも困難であるため、責任の所在が曖昧となることが多い。
  • 外見だけではその食器が強化ガラス製なのか、どのタイプの強化なのか分からない。


事業者への要望

  • 消費者にまだ強化ガラスの破損の特性について十分情報が行き渡っていない。事故防止のためのより積極的な広報活動が望まれる。
  • 事業者は事故情報が寄せられたとき、事故原因の究明を積極的に行い、被害の未然防止・拡大防止に資するよう努めること。また、製造・出荷・流通の各段階の取扱いに十分注意する。なお、各々の製品で、本当に強化ガラスを素材として用いる必要があるのかを、まず検討すべきと思われる。
  • 注意表示がシールで貼られていたりするが、全面物理・積層タイプが破損した際の特性など、消費者にとって重要な表示でも、はがれてしまうと確認できない。使用するときに認識できるような表示方法への改善を望む。


行政への要望

  • 鍋とセット販売されている鍋ぶたのように付属品的な扱いになるものや、景品などでも、強化ガラス製食器の事故が寄せられている。例えば、鍋とセットで売られている鍋ぶたにおいても、表示方法の検討が望まれる。
  • ラベルの貼り付けなどの注意表示は、はがれてしまえば確認ができない。使用するときに、全面物理・積層タイプの破損時の危険性が分かるような表示方法がなされるよう指導して欲しい。


消費者へのアドバイス

  • 強化ガラス製といっても割れるものである。口部強化や全面イオン強化の割れ方は一般的なガラスと同様とされているが、全面物理・積層タイプの製品は、割れた場合、破片が鋭利なかけらまたは細片となって激しく飛散することがある。取扱説明書にも記載してあるので、使用に際しては十分に理解しておく。
  • 強化ガラス製食器では鍋ぶたの事故が目立つ。鍋ぶたには全面物理強化のものが多い。このタイプのふたは、急な加熱や急冷をきっかけに他の要因と相まって割れることがある。このとき破片が激しく飛散すると危険である。鍋ぶたは大きさの合ったものを使用して、ふたが熱せられるような使用方法はしないこと。
  • 全面物理・積層タイプは、洗浄の際はガラスを傷つけるおそれのあるクレンザーや金属製タワシなどは使用しないこと。また、欠けなどが見つかった場合、直ちに使用をやめる。


要望先

経済産業省 商務流通グループ 製品安全課
社団法人日本硝子製品工業会
日本硝子食器工業会
日本金属ハウスウェア工業組合
日本ハウスウェア&インテリア協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
日本百貨店協会
日本チェーンストア協会
社団法人日本通信販売協会
社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会



動画

※大きな音がします。視聴に際して、ご注意ください。




本件連絡先 相談部危害情報室
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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