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[2010年4月14日:更新]
[2009年4月23日:公表]

犬用リードの強度

 犬による咬傷事故は2007年度では5,500件発生しており、そのうち25%にあたる1,379件が犬をけい留して運動中に発生している(注1)。

 犬を散歩させるための商品としてリードがあるが、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、犬用リードの安全・品質・表示に関する相談が2004年度以降の5年間に28件(注2)寄せられていた。そのうち、リードが破断などした事例が15件あり、さらに、破断などが原因の危害事例が5件あった。被害者は本人(飼い主)が2件、他人が3件で、本人が被害者の場合、リードが破断したことによる転倒などであったが、他人が被害者の場合、逃げた犬に咬まれた、突進されたことによる危害であった。リードが破断してしまうと他人にまで危害が拡大する事故になるおそれがある。

 そこで、様々なリードについて、強度を調べるとともに強度に関連する表示の内容を調べ、消費者へ情報提供することとした。

(注1)出典:環境省資料
(注2)PIO-NETの検索・集計機能を用いることができないため、犬用リードに関する相談事例を個別に精査したものである。


テスト結果

 神奈川県相模原市近郊のペットショップや100円ショップで購入可能なリードとインターネット通販で購入可能なリードのうち、適用体重が10kg以下と20kg以下のもので、ロープの長さを5mまでの範囲で任意に調整することができるリール型と、長さが固定されているロープ型のリード、計18銘柄をテスト対象とした。主な結果は以下のとおり。

  • ロープ又はナスカンが破断するまでの最大荷重は29.8〜200kgf以上と銘柄間で差があった。
  • 適用体重が同じものでも破断するまでの最大荷重にはばらつきがあり、適用体重20kg以下の銘柄の中には、適用体重10kg以下の銘柄よりも小さい荷重で破断するものもあった(表1参照)。
  • 様々な犬種20頭について最大の引っ張り力を調べた結果、体重10kgクラスで最大25.3kgf、体重20kgクラスで最大27.9kgf、体重比では0.5〜2.7倍と個体差があった。
  • 取扱説明書等に記載されている強度に関連する表示内容を調べた結果、表示内容は銘柄間で違いがあり、ほつれなどがあった場合には使用を中止する旨が表示されていない銘柄もあった。
表1.破断するまでの最大荷重のばらつき
適用体重:10kg以下
形状 最小〜最大(kgf)
リール型34.7〜124.3
ロープ型101.0〜168.3
適用体重:20kg以下
形状 最小〜最大(kgf)
リール型100.0〜165.1
ロープ型29.8〜200以上


消費者へのアドバイス

  • 購入の際は、強度に余裕のあるものを選ぶこと。
  • 使用する際は各部を点検し、ほつれなどが目立つ場合は交換すること。


業界への要望

  • 強度に余裕のある製品の製造・販売を行うよう要望する。
  • 強度及び表示に関する規格の策定を検討するよう要望する。


要望先

日本ペット用品工業会



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報課
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課



業界の意見 ※2009年5月13日 追加

「日本ペット用品工業会」より

 日本ペット用品工業会は、犬・猫・観賞魚・小鳥・小動物・爬虫類・昆虫の7業種に関わる用品(含むフード)の会員会社数90社で歴史は25年のメーカー会です。
(但し、犬・猫のフードのみは一般社団法人ペットフード協会が別にあり重複しています)

 日本ペット用品工業会では、飼育者の安全・安心への関心の高まりに対応する為、2年前からは幅広い商品カテゴリーについて調査・検討を重ねた結果次の行動を行っています。

  1. 1.7業種の商品カテゴリー別の「表示項目」の整備・統一化の促進を図る為に検討の結果、平成21年2月に「表示項目」の内容について決定し、会員各社に説明会を実施し実行を始めました。
  2. 2.今回の買い上げテスト結果報告会の情報を頂く時と同じくして、弊会は前項の「表示項目」の内容確認と、次のステップUPへの検討会を開催しました。今後も引き続き行って参ります。◎「項目内容」の統一化を、優先商品を決めて行おうとするものです。
     《市場での飼育者からの要望・誤使用によるトラブル防止等》の対応であくまで、注意事項や正しい使用方法等の啓蒙になる表示に的を絞り進める予定です。
     今後、会員各社の状況・事例を集め推進致します。
  3. 3.今回の「犬のリード」の強度につきましては、会員会社の間では暗黙の目安として対応犬体重の数倍以上との事にしています。ただ、犬の年齢や急に動くなど想定外の力について判断出来ない事もあり、又使用期間や使用頻度及び使用状況にも差があり、自主基準化まで相当な時間を要すると考えています。
     (1)お散歩用 (2)繋留用 等正しくご使用頂くことが安全・安心にも繋がると思います。
     今、表示内容について検討を開始したところですので、今回のデータを基にアドバイス等を頂きながら纏め上げたいと思います。

日本ペット用品工業会
会長 林 明雄



業界の対応 ※2010年4月14日 追加

「一般社団法人日本ペット用品工業会」より

 当会が推進しています「ペット用品統一表示ガイドライン」推進活動の中に、早速犬部会特に犬具委員会を設け、ご提示頂きました課題について検討致しました。

 会員のリードメーカー8社の総意として、概ね次の様に方向付けたいと思います。

  1. 1.鎖・首輪・引き紐・胴輪等散歩用の製品については、適用体重の3倍、繋留用の製品については適用体重の5倍を最低強度基準と定めたいと思います。
  2. 2.先ずリードの各社製品に対して、『本製品は日本ペット用品工業会の推奨する強度基準を満たしています』との表示を付す予定でございます。
    その他の犬具に関しても内容を順次詰め、実施する予定でございます。
  3. 3.表示開始につきましては、飼養者への正しい使用方法等の啓蒙活動を先に約1年掛けて行い、その後を目処に順次製品に表示を開始する予定でございます。
  4. 4.動物愛護管理法にあります「飼養者はペットの管理責任者」等の啓蒙方法についても、検討し各社足並みを揃えたいと思っています。

一般社団法人日本ペット用品工業会
会長 林 明雄




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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