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[2009年10月22日:更新]
[2009年4月23日:公表]

公道走行できるという四輪バギーの安全性−インターネットで販売されているもの−

 近年、日本国内で「公道の走行が可能」とうたわれた四輪バギー(注1)がインターネットの店舗などで販売されている。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、四輪バギーに関する相談が2004年度以降の5年間で97件(注2)寄せられていた。

 そこで、公道走行できることがうたわれた四輪バギーを実際にインターネット販売で5銘柄購入し、商品受け取り時の状態、保安基準への適合、品質などを調査した。

(注1)車輪が4つあり、車室はなくオートバイのようにまたがって乗車する車両。日本国内では四輪バギーと呼ばれることが多いが、海外ではATV(All Terrain Vehicle:全地形型車両)と呼ばれる。北米、欧州、豪州などでは業務用やレジャー用などに普及している。
(注2)PIO-NETの検索・集計機能を用いることができないため、四輪バギーに関する相談事例を個別に精査したものである。


主なテスト結果

交通安全にかかわる装備

  • 全銘柄とも道路運送車両の保安基準に適合しない内容があった。
  • 灯火類の性能や仕様が不十分なものがあった。

初期や使用中の不具合

  • 消費者が組み立てた部分以外にも、ブレーキや駆動チェーンの調節が必要な銘柄があった。
  • 最も安価な銘柄は走行のための重要部品が緩んでしまったほか、保安部品の電球が早期に切れてしまった。

実用を想定した走行性能等

  • 車両が小さすぎて安全な乗車姿勢をとれないものがあった。
  • 実用上の最小回転半径は車体の大きさに比例したが、全銘柄ともデファレンシャルギヤを備えていないために小回りが滑らかにできないことがあり、速度が速い状態で左右に曲がると車体が外側に倒れてしまう危険性があった。
  • 傾斜10°の上り坂で発進する時に前輪が浮き上がりやすい銘柄や発進できない銘柄があった。
  • 道路交通法上は最高速度60km/hで走行できるが、発進してから150m走行したときの速度は40〜50km/h程度であった。

製品受け取り時の状態と組み立て内容

  • 一部が未完成の状態で販売・配送されたものの中には一人で組み立てるのが難しいと思われるものがあり、いずれも梱包材の大きな廃材が出た。また自分で組み立てる部分についての組立説明書が添付されていない銘柄があった。

写真1 方向指示器が確認できない一例
方向指示器が確認できない一例の写真

写真2 小回りして片輪が浮き上がる一例
小回りして片輪が浮き上がる一例の写真



業界への要望

  • 「公道の走行が可能」と表示・販売しているにもかかわらず、実際は道路運送車両の保安基準に適合していなかった。「公道で走行できない」旨を明確に表示するべきである。
  • 初期の段階でブレーキが利かない、車体が小さく安全な乗車姿勢がとれない、坂道で発進できないなど品質や性能に問題があったので改善を要望する。


行政への要望

  • 道路運送車両の保安基準に適合していない車両が流通し、道路で使用される可能性があることから、対策の検討を望む。
  • 道路運送車両の保安基準に適合していないにもかかわらず「公道の走行が可能」と表示・販売している四輪バギーがあるので、表示を改善するよう事業者等の指導を望む。


消費者へのアドバイス

  • 今回インターネットで購入した四輪バギーは、公道で使用できないものであった。また、安全性や品質にも問題が見られたので、安易な購入は避ける。


要望先

国土交通省 自動車交通局 総務課 企画室
公正取引委員会 事務総局 取引部 景品表示監視室



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(交通安全対策担当)
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課
警察庁 交通局 交通企画課
社団法人 日本通信販売協会



動画

(クリックするとすぐに動画が始まります。)



業界の意見 ※2009年10月22日 追加

「ライダーズカフェ」より

この度当社が販売を行う公道走行可能な4輪バギー「KWXシリーズ」は国民生活センターの指摘により公道走行を可能にする、「保安器具」に不備がある事が判明いたしました。
KWXシリーズ・・・X501・X503・X505

不備内容

  1. 1.フロントブレーキセンサーがついていない為、フロントブレーキ(右ブレーキレバー)を作動させても制動灯(ブレーキランプ)が点灯しない。
  2. 2.前照灯(ヘッドライト)は常時点灯が義務付けられているがメインキーにて前照灯(ヘッドライト)のON,OFFが可能になっている。

 以上の内容により保安器具が保安基準に達していない為、下記内容にて改善致しました。

■平成21年4月23日までにKWXシリーズをご購入いただきましたお客様への対応

  1. 1.フロントブレーキにブレーキセンサーを取付、制動灯(ブレーキランプ)が作動するように改善パーツの無償提供。
  2. 2.メインキー部を改善し、前照灯(ヘッドライト)のON,OFFが不可能に(常時ONで点灯)する改善パーツの無償提供。

 ご連絡いただきました順に順次、上記改善部品を無償提供させて頂きご対応させて頂いております。

■今後KWXシリーズをご購入されるお客様へ

 平成21年4月24日以降に販売を行うモデルには上記対策部品を装着した上で販売いたしております。

(株)ライダーズカフェ 代表取締役 古城秀和

「翔和」

「翔和」より

○指摘があった点の回答
(1)「『原動機(エンジン)の回転中に前照灯が消灯できない構造でなければならない』と定められているのに対し、スイッチで消灯できてしまう構造であった」について
 道路交通法上、ヘルメットの着用は義務化されていない(弊社ではへルメットの着用を推奨)。ゆえに原動機付自転車などと同一視するには矛盾が生じる。2ヶ所の警察署の交通課へ問い合わせた。交通法上、昼間に“原動機付自転車の回転中に前照灯を点灯する義務は生じない”と確認した。
(2)「夜間に後方100mの距離から自動車の前照灯で照射して後部反射器からの反射光を見たところ、確認できないものがあった」について
 大型反射板の装備。
(3)「晴れた昼間に後方30mの距離から制動灯が点灯・消灯するのがわかるかを見たところ、確認できないものがあった」について
 確認しにくいため、上向きに修正。
(4)「晴れた昼間に前方30m及び後方30mの距離から方向指示器が点滅するのがわかるかを見たところ、前方・後方から確認できないものがあった」について
 弊社にて確認したがはっきり目視できた。
(5)「前ブレーキ(機械式)のワイヤが緩かったため調節が必要なものがあった」、「前輪の左車輪と右車輪が互いに大きくがたついたために調べたところ、操舵装置のネジが脱落しており、本来使用されるべきであるネジの緩み防止部品(割りピン)が左右共に使用されていなかったものがあった」、「尾灯及び制動灯の電球が早期に切れ、電球を交換しても再び早期に切れた」について
 未完成品であるゆえに組立以外でも調節は必須である。お客様は、購入申込段階にて注意書きを熟読し購入されていると受け止めている。また、弊社在庫の車両で確認したが他に割ピンの欠品は確認できなかった。しかし、割ピンの欠品については出荷確認者へ厳重注意するとともに、仕様書を同梱する。
 電球切れ=アース不良。製造段階でのアース取付不良→製造工場へのアース取付改善指示及び弊社出荷時において、エンジン稼動テストと同時に通電検査を実施する。
 店舗販売においての初期クレーム対応は修理・改善により保全されている。問題として流出していない。ネット販売の消費者デメリットは弊社にてのアフターを受けにくい点である。しかし、お客様は、購入申込段階にて注意書きを熟読して購入されていると受け止めている。
 今後、購入希望者には、弊社にて組立・調整した完成車を勧める。少なくても上記(2)〜(5)及び「一部が未完成の状態で販売・配送されていたが一人で組み立てるのが難しいと思われ、梱包材の大きな廃材が出た。また自分で組み立てる部分についての組立説明書が添付されていなかった」との指摘については改善される。
 現時点では、上記改善により営業は行なう。また今後について関係省庁の見解、法整備に期待する。

(株)翔和 取締役 常務 及一良平

「翔和」への商品テスト部の見解

(1)について
 今回の四輪バギーは、原動機の排気量や車体寸法などから道路運送車両法上は四輪の第一種原動機付自転車に該当します。道路運送車両の保安基準では、第一種原動機付自転車は「原動機(エンジン)の回転中に前照灯が消灯できない構造でなければならない」とされています。また、道路交通法では、整備不良車両の運転の禁止として「車両等の運転者は、道路運送車両の保安基準に適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等を運転してはならない」といった主旨の条文があります。道路運送車両の保安基準に適合しない車両を公道で運転した場合、整備不良車両を運転したとして、運転者が罰せられる可能性があります。
(4)について
 方向指示器の見え方は、周囲の明るさや日差しの状態などで変化します。国民生活センターでテストした結果では、方向指示器の点滅を確認できませんでした。報告書6頁の写真1に方向指示器の見え方を掲載しておりますが、これは写真撮影の都合上、薄曇りの状態のものです。日差しがある時には、更に確認しにくくなります。

 なお、今回のテストでは、道路運送車両の保安基準で定められている数多くの内容のうち、特に安全性に関係すると思われる一部について調査しました。公道を走行するには、保安基準で定められている全ての内容に適合していることが必要です。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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