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[2008年9月18日:公表]

α-リポ酸を含む「健康食品」−販売の実態調査も含めて−

 α-リポ酸は注射薬として用いられる医薬品成分だが、2004年の「医薬品の範囲に関する基準」改正によって「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に収載されたため、「いわゆる健康食品」(以下、「健康食品」とする)成分としても広く利用されている。

 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、α-リポ酸を含む「健康食品」についての相談が、約5年間(2003年4月〜2008年7月31日までの登録分)で35件寄せられており、その中には、「飲んだら不整脈が出た」、「吐き気や腹痛がする」等の危害事例も寄せられている。

 一方、主婦を対象にした国民生活センターの2005年の調査によると、「健康食品」の購入先はスーパー・薬局の店頭が全体の6割と最も多い。厚生労働省は、「健康食品」等を安全かつ適切に選択・摂取するためには、専門的な知識を持つアドバイザリースタッフが重要であるとしているが、この調査結果では、購入時に販売員の説明を参考にしているのは全体の1割程度にすぎず、商品の表示から得られる情報を参考にしている人が多い。

 そこで、α-リポ酸を含む「健康食品」17銘柄について、α-リポ酸の含有量、胃の中での溶けやすさ、表示等について調べることとした。併せて、「健康食品」の店頭販売を行っている事業者に対し、販売実態等に関するアンケート調査を行い、消費者に情報提供することとした。


主な調査結果等

α-リポ酸量

  • 現状では、科学的根拠に基づく統一した安全な一日摂取目安量が設定されていないが、いずれの銘柄にも通常の食生活では食経験のない量のα-リポ酸が含まれていた。
  • α-リポ酸量の表示が正しくない銘柄があった。

胃の中での溶けやすさ

  • カプセルや錠剤が胃の中で速やかに溶けて消化するか、医薬品の試験方法を参考に「健康食品」の溶けやすさ(崩壊性)を調べたところ、胃の中で溶けにくいと思われる銘柄が17銘柄中5銘柄あった。

表示について

  • 多くの銘柄には美容、健康維持等の効果をイメージさせるうたい文句が表示されており、消費者が継続的に摂取してしまう可能性があった。
  • 健康増進法に基づく栄養表示基準に定められた栄養成分ではない成分が栄養成分と区別されずに表示されており、健康増進法上問題がある可能性があった。
  • テスト対象の「健康食品」について、商品に表示された製造者又は販売者以外の事業者が運営するインターネット販売サイトに掲載された広告を調べたところ、医薬品の効能・効果と類似した表現がみられ、薬事法に抵触するおそれがあった。

「健康食品」を販売する事業者に対するアンケート

  • 「健康食品」の効果・有効性や安全性・リスク等に対する意識は事業者によってさまざまであり、薬局・薬店以外の事業者では「一般食品同様」に扱われている割合が高かった。
  • 8割以上の事業者では、専門知識を持たない従業員も「健康食品」販売に携わっていた。
  • 大部分の事業者は、「健康食品」の有効性や安全性等に関する情報収集を行っていた。
  • 販売に携わる従業員に対する積極的な教育は行われていなかった。


消費者へのアドバイス

  • α-リポ酸を含む「健康食品」を過剰に摂取しないようにしよう。
  • 「健康食品」は、商品や成分に関する専門知識を有するアドバイザリースタッフ等による適切なアドバイスを受けた上で購入、摂取すると良い。


業界への要望

  • α-リポ酸を含む「健康食品」について、科学的根拠に基づく安全な一日摂取目安量を設定するとともに、製品の溶けやすさを改善するよう要望する。
  • インターネット上の広告及びα-リポ酸量の表示について、改善するよう要望する。
  • 消費者がより安全に「健康食品」を利用するために、専門知識を持つ従業員が販売に携わるよう販売体制を改善するとともに、アドバイザリースタッフ認定制度の充実及び普及啓発を要望する。


行政への要望

  • α-リポ酸を含む「健康食品」について、科学的根拠に基づく安全な一日摂取目安量を設定するよう、業界指導を要望する。また、製品の崩壊性等に関する基準を作成するよう要望する。
  • インターネット上の広告について、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、指導の徹底を要望する。
  • α-リポ酸量の表示について、景品表示法上問題があると思われる銘柄があったため、指導を要望する。
  • 消費者がより安全に「健康食品」を利用するために、専門知識を持つ従業員が販売に携わるよう販売制度を見直すとともに、アドバイザリースタッフ認定制度の充実及び普及啓発を進めるよう、業界指導を要望する。


要望先

厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 基準審査課 新開発食品保健対策室
厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
公正取引委員会事務総局 取引部 消費者取引課 景品表示監視室
財団法人 日本健康・栄養食品協会
社団法人 日本通信販売協会
日本チェーンドラッグストア協会
日本チェーンストア協会
日本百貨店協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
内閣府 食品安全委員会事務局 情報・緊急時対応課
農林水産省 消費・安全局 消費・安全政策課



業界の意見 ※2008年10月15日 追加

「インターナショナルヘルスサービス株式会社」

「インターナショナルヘルスサービス株式会社」より

 弊社製品「ビタミンE&α-リポ酸」の、α-リポ酸1日摂取量を200mgとした根拠については、報告書にも記載がありますが、日本栄養評議会による1日最大推奨量をもとに設定していますし、α-リポ酸製品は、特に海外では1日摂取量が日本よりも大容量で利用され、広く認知されていますので、弊社製品の200mgが安全性を逸脱しているとは考えておりません。発売開始から約2年たっておりますが、そういった危害情報が弊社に寄せられたことも一度もございません。目安量どおりに使用していただいて健康被害を及ぼすものではないと考えております。

 なお、弊社のα-リポ酸製品は、諸般の事情により2008年6月より製造中止となっております。

インターナショナルヘルスサービス株式会社 栄養・健康相談室 管理栄養士 関川幸枝

「インターナショナルヘルスサービス株式会社」への商品テスト部の見解

 α-リポ酸はこれまでに食経験がない成分であり、また、表示された一日摂取目安量中には、医薬品(注射薬)として用いられる量に匹敵する量のα-リポ酸が含まれる可能性がありました。

 「健康食品」はさまざまな年齢、健康状態の消費者が摂取する商品ですから、「健康食品」としての安全な一日摂取目安量を業界全体で設定し、消費者に分かりやすい形で明示していただきたいと考えております。



「株式会社ジェイエムシー」

「株式会社ジェイエムシー」より

α-リポ酸数値の“公表”に意義を申し立てます。

<その理由>

弊社の各種商品の製品化の基本は
1)原料の吟味(他社にはない独自技術が盛り込まれていることが前提)。今回のα-リポ酸を例にとると、超臨界抽出法により、α-リポ酸に残留する溶媒を業界トップレベルで取り除かれている。
2)他類似製品との徹底比較。優位性がないなら上市しない。
3)専門家の意見・アドバイスを重視。
これら1)〜3)を基本に、くり返し商品化検討を経て処方を決定する。
弊社の処方が決定後、製造委託加工会社へトス。委託先にて検討を重ね、処方を決定する。今回のα-リポ酸で云えば添付した規格書(1粒中のチオクト酸配合量50.00mg(※1日最大摂取目安量4粒中のチオクト酸量は200mgとなる))の通りである。この処方で委託加工メーカーと合意、生産された。
※当加工メーカーは日本を代表するソフトカプセルメーカーであり、ISO22000、GMP工場。弊社と当加工メーカーとは永年の取引であり信頼も厚い。

 弊社は斯かる意図(処方量より低くする)は全くなく何故この様になったのか大いに疑問に思っているところです。テストサンプル数、生産バラツキなど、加工メーカーにもただいま問い合わせ中です。

 以上、弊社としましては誠実に製品づくりをすすめてきたところであり、寝耳に水。よってここでの数値公表に至る見解には疑問を感じ意義の申し立てを行います。

株式会社ジェイエムシー 開発部 取締役 真田建紀

「株式会社ジェイエムシー」への商品テスト部の見解

 今回、α-リポ酸の測定を行ったところ、表示量より大幅に少ないという結果が得られました。原材料、製造工程及び製品について調査した上で、適正な表示を行って頂きたいと考えております。



「第一薬品工業株式会社」より

 リポバランスは通知※以前(平成17年)に上市しており、当時の栄養表示基準では、L-カルニチンL-酒石酸塩のようなアミノ酸は栄養成分として栄養成分の記載を必要とする成分と同等に表示することが通例であり、それに基づいてL-カルニチンL-酒石酸塩は他栄養成分と区別せずに表示しました。

 上記厚労省の通知は、「〜区別して表示することが望ましい」とされているため、指導内容であって、法的な規制事項ではないと考えます。また、本通知発表直後に同省はこの通知に対して、「表示方法自体は従来と変わらず、関連企業では特段の対応は必要ない。ただし、ラベルを印刷する際に注意してほしい」と説明しており、既に表示済みの製品に関しては対応する義務がないとの見解を出しております(健康産業速報第1099号を参照)。

 以上のことを考慮し、上記の厚労省の見解より、リポバランスは、次のラベル印刷時までは従来の栄養成分表示で問題ないものと判断しました。今後は、在庫資材が無くなり次第、適切に対応してゆきます。

※「栄養表示基準に定められていない成分の表示に関する取扱いについて」(平成19年1月30日付食安新発第0130001号)

第一薬品工業株式会社 信頼性保証部 部長 藤田章夫




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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