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[2008年7月16日:公表]

気をつけて!! 花火の事故 −やけどばかりでなく失明のケースも−

 花火は日本の夏の風物詩の一つとなっているが、毎年、夏場を中心に花火による事故事例が寄せられている。最も多い事故はやけど(熱傷)であるが、中には打上げ花火が眼球を直撃し失明した、などという重篤な事故もある。

 国民生活センターでは以前から数度にわたって注意喚起をしてきたが、これからの時季、花火で遊ぶ機会も多くなることから、主に、がん具煙火(いわゆる「おもちゃ花火」。以下「花火」)による事故事例を調べ、消費者に向けて注意を促すとともに関係機関に要望、情報提供することとした。


危害情報システムにみる花火の事故

 危害情報システムで花火による危害を調べたところ、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)では10年間で157件。一方、危害情報収集協力病院からは429件寄せられている。事故の発生を月別で見ると8月、次いで7月と、夏場に集中していた。

 被害者の年代別に見ると、10歳未満が圧倒的に多く、特に5歳以下での多さが目立った。なお、危害内容別にはいずれの年代も熱傷が圧倒的に多かった。



製造・発売元へのヒアリング結果

 (社)日本煙火協会に加盟している会員会社で、おもちゃ花火の製造または発売元である代表的な4社にヒアリングした。その回答概要は次のとおりである。

  • 事業者への苦情は、「やけどをした」など年間20件前後。他には「ロケット花火の音がしない」といった品質に関わるもの、「花火の音が騒音で迷惑」などといった、使用者のマナーに関するもの。
  • 事故事例が寄せられた場合、被害者に治療を勧めると共に事故時の状況確認をする。
  • 過去10年、製品の問題で新聞社告は行っていない。一方で、原因不明なものの、店舗からの要請等により自主的に回収したことはある。
  • 4社中3社が同協会へのSFマーク取得のための検査依頼とは別に、社内でも自主検査を行っている。消費者向けの注意喚起としては、注意書きにイラストを用いている、自社のホームページに注意喚起をしている。
  • 花火の事故の原因としては、4社中3社が先ず最初に、使用者側の使い方に問題があるとしている。


問題点

 花火はそもそも火薬や火気を用いた遊びであり、娯楽性と危険性が混在する面がある。それらを前提に楽しむ点が、他の娯楽製品との違いである。

 被害者が10歳未満に多いことからみると、児童などが花火の性質や危険性を十分知らなかったための事故も考えられる。潜在的な事故件数はさらに多いと推測される。また、花火による事故は医学会でも複数の医師から報告され、特に、角膜のやけどは治療後の経過がよくなかったり、打上げ花火による角膜のやけどは重症であることが多い、などのコメントがある。

 事故の原因について各社とも使用者側の取り扱い方の問題をあげているが、その背景には、最近の遊びや生活環境の変化により、親世代を含め、消費者が実際の火を使う行為自体に不慣れな面も影響していると思われる。しかし、消費者側にだけ原因があるとは言いがたい事故事例も見受けられる。

 SFマーク付きのおもちゃ花火では、花火自体の欠陥で消費者に損害を与えた場合、賠償されるとしている。しかし、花火の特性上、燃焼してしまうものであり、欠陥を証明することは極めて困難となる。

 各社では、被害の未然防止、拡大防止のため使用上の注意を分かりやすくする、(社)日本煙火協会作成のポスターを配布するなどの事故防止対策も進めているようだが、消費者に十分に伝わっていないのが現状のようである。



消費者へのアドバイス

  • 利用する上で、注意事項などを守ることが重要である。例えば「点火にマッチやライターを使ってはいけない」とあり、点火にはローソクまたは線香を用いることなどの注意書きが本体やパッケージなどに記載されているが、これが守られていないために起こったと思われる事例も少なくない。また、打上げ花火を覗き込むなどの行為は、目に当って失明する事故も考えられるので絶対にしてはいけない。なお、変形しているものは異常燃焼などの危険性があるので、使用しない。
  • 万が一事故にあった場合には、すぐに専門医に受診すること。また事故品や同型品が残っていた場合は廃棄せずに取っておくこと。事業者に申し出ることにより、賠償に関してだけでなく商品の改善につながる場合もある。
  • 被害者は年代別で10歳未満が最も多い。花火の性質を十分知らないための事故も考えられることから、子供が小さいうちは、親など大人と一緒に遊ぶこと。大人は子供達の行動をよく監視し、危険な行為は止めさせる。


業界団体へ要望

 被害の未然防止、拡大防止の観点から、会員各社に下記の指導などを行うこと。

  • 品質のより一層の向上を図るように促すこと
  • 原因が製品上の問題と見られる場合は回収するなど速やかに対応すること

 また、花火の種類に応じた点火位置の明確化や、事故が起こりやすい構造を見直すなどについて検討するとともに、事故事例をより積極的に収集し、一層の原因究明に努めてほしい。さらに、製造から店頭販売まで、花火の品質の変化を調査するとともに、取扱方法の注意喚起のリーフレットなどによる広報活動をさらに積極的に行うこと。




本件連絡先 商品テスト部危害情報室
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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