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[2008年5月8日:公表]

消費者が、事業者との通話内容を録音され、録音を消去してほしいと求めたが、事業者に断られたトラブル(国民生活センター消費者苦情処理専門委員会小委員会助言)

消費者苦情処理専門委員会への諮問

 国民生活センターでは、消費者苦情処理業務を適正かつ効果的に遂行するため、消費者苦情処理専門委員会を設置している。国民生活センター理事長は平成19年11月12日付で「事業者が消費者との通話内容を録音した場合における個人情報保護法の解釈と紛争解決に当たっての考え方」の検討を同委員会に諮問した。同委員会は検討のための小委員会を設け、苦情処理にあたっての考え方として、平成20年3月25日付で助言を取りまとめた。



助言の主旨

苦情の内容

 メーカーのお客様相談室に保証期間の確認などのため電話をかけた。その際冒頭で「通話内容を録音します」とのメッセージが流れたので録音されることが分かった。その後、担当者から折り返し電話があったが、その時は、事前に「通話内容を録音します」といったメッセージは流れず、話が終わった後に担当者から、「今の会話内容を録音させていただきました」と告げられた。直ちに録音の消去を求め苦情を申し入れたが、「消去はできません」と断られた。一度受話器を置いたが、納得できず、再度電話をかけて消去を求めたところ、「消去はいたしますが、運転免許証などの本人確認書類の提出をお願いします」と、新たな条件を提示された。

 事前に録音することを告げないのは、個人情報保護法上問題ではないのか。また、事業者には、録音の消去に応じる義務はないのか。

 録音の消去のために新たな個人情報の提出を求められることにも納得がいかないし、消費者側に「録音されない」という選択肢がなく、録音されたくなければ問い合わせができない状況も問題である。

(40歳代 女性 給与生活者)

小委員会の結論

 事業者のお客様相談室が顧客との通話を事前の同意なく録音する行為は、個人情報保護法の適用という観点からは、必ずしも個人情報の不正な取得(法17条)には当たらず、また利用目的の通知義務等(法18条)に直ちに違反するものとはいえない。

 しかし通話を無断で録音することは、個別事情によっては個人の人格権侵害として違法性を帯びる可能性があること、顧客にとって不意打ち的な行為として不信感を持つ可能性があることを踏まえ、事業者が顧客の信頼を確保する対応のあり方としては、書面による直接取得における利用目的の事前明示(法18条2項)に準じた取り扱いが望まれる。

 事業者が本人から通話録音データの開示を求められた場合、それが保有個人データに該当するときは、開示義務を負う。開示の方法としては、当該本人との通話録音部分をダビングする方法が考えられる。

理由(法的考察)

  1. 1)通話の録音データは個人情報保護法の適用対象か
  2. 2)本人の同意・通知なしに通話を録音することは個人情報保護法に違反するか
  3. 3)同意のない通話録音の実質的な違法性評価と事業者の対応方法
  4. 4)通話録音データの開示・消去が要求できるか

などについて考察




本件連絡先 相談部消費者苦情処理専門委員会事務局
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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