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[2008年3月4日:更新]
[2008年2月6日:公表]
チョコレートは普通30〜40%のカカオを含むが、最近カカオ分が多いことをうたった「高カカオチョコレート」が、各社から発売され、種類も急激に増え、売り上げを伸ばしている。
しかし一方で、高カカオチョコレートはカカオの含量が多いことから、脂質が多くエネルギーは相対的に高い。また、利尿作用や興奮作用のあるテオブロミンやカフェインが含まれていたり、アレルギーを起こす人がいることも知られているため、摂取には注意を必要とする人もいる食品である。さらに、近年、残留農薬やカビ毒の一種であるアフラトキシンが、チョコレートの原材料である生鮮カカオ豆から検出され、積戻しや廃棄が行われていた報告もある。
そこで、カカオ分70%以上の高カカオチョコレート12銘柄(1パッケージ当たり45g〜117g)及び参考として普通のチョコレート3銘柄(同65g〜70g)を対象に、脂質の過剰摂取やカフェイン等生理作用のある成分の問題等と併せて衛生面について調べ、消費者に情報を提供する。
高カカオチョコレートは、脂質の割合が40.7〜53.5%であり普通のチョコレートと比べて1.2〜1.5倍含まれていた(表1)。高カカオチョコレートの脂質量は、もし50gを摂取したとすると(テストした銘柄の1パッケージ当たりは45〜117g)、高カカオチョコレートでは、脂質を20.4〜26.8g摂ることとなり、100gを食べたとするとそれだけで30〜49歳女性の生活習慣病予防のために目標とすべき脂質の1日の摂取量(表1参照)に相当する。また、エネルギーは592〜655kcal/100gで、普通のチョコレートと比べるとやや多かった。主に間食として食べられることを考えると、日常の食事にそのままプラスされてしまうため、食べる量に注意する必要がある。
表1.チョコレート中の脂質量
気管支拡張、利尿、興奮等の生理作用があるテオブロミンは580〜1100mg/100g、カフェインは68〜120mg/100gで、普通のチョコレートの4倍くらい含むものがあった。その他の食事等から摂取する分もあわせて考えると、テオブロミンやカフェインも普段より多めに摂取してしまう可能性があるため、健康な人が嗜好品として楽しむ分には問題ないが、これらに敏感な人(幼児やお年寄り等)や気管支拡張薬として使用されているテオフィリン等の医薬品を使用している人は摂取量に注意が必要である。また、テオブロミン量やカフェイン量が表示されている銘柄はなかった。
土壌からの由来と思われる重金属のカドミウムについて測定した。チョコレート中のカドミウム含量は、銘柄によって差があった。すぐに健康被害を及ぼす量ではないが、チョコレートのカドミウムは含量が低いことが望ましく、引き続き品質管理等が適切に行われることが必要であると思われる。
ニッケルが普通のチョコレートの1.9〜3.8倍含まれていた。ニッケルは、接触性の金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告があり、経口摂取によっても発症する可能性が報告されているため、ニッケルアレルギーを有する人は注意したほうがよい。
カビ毒の一種であるアフラトキシンは熱に強いものが多く、加工時に分解されることなく商品に残留する可能性がある。カカオ豆は、収穫後、発酵させる過程があり、そのときカビに汚染されアフラトキシンを産生する場合がある。調べた結果、多くの高カカオチョコレートからはアフラトキシンが極微量検出されたが、汚染として問題となる量ではないと思われた。今後も原材料の品質管理等の適切な実施が必要である。
厚生労働省 医薬食品局 食品安全部
日本チョコレート・ココア協会
内閣府 国民生活局 消費者調整課
内閣府 食品安全委員会事務局 情報・緊急時対応課
農林水産省 消費・安全局 消費・安全政策課
農林水産省 消費・安全局 表示・規格課
農林水産省 総合食料局 食品産業振興課
公正取引委員会事務総局 取引部 消費者取引課 景品表示監視室
全日本菓子協会
全国菓子工業組合連合会
1.高カカオチョコレートのみならず、どのような食品でも偏った摂り方や食べ過ぎは好ましくないと考えます。しかしながら、下記の点を考慮していただくよう要望します。
2.チョコレートによるアレルギーの原因物質の多くは、ナッツ・ミルク・小麦等です。
3.カドミウム含量は主にカカオ豆栽培の土壌に由来する場合が多く、現在日本及びCODEXに規制はありませんが、カドミウムの重要性を考慮し、当協会では欧州の例を参考にしながら、できるだけ低く抑えるよう努めています。
4.業界への要望については、消費者の安全を第一に、官と民の情報交換を密にする中で、対応していく考えであります。
日本チョコレート・ココア協会 専務理事 神永 健二
1.ご指摘の通り、国内での消費量を基にした一人当たりの摂取量は、欧米に比べはるかに少ないものと思われます。しかし、これは、あくまでも平均した数値ですので、個人の摂取量のばらつきは非常に大きいものと思われます。
また、チョコレートに関して多くの研究が行われていることは承知しておりますが、生理作用のある成分も多く含むことから、チョコレートの摂取量に気をつけなくてもよいというものではありません。
嗜好品として楽しむ範囲での摂取では、問題はないと思われますが、過度に健康効果などを期待して摂取することは望ましくないと考えます。
2.チョコレートに多く含まれるニッケルは、その摂取量とは別に、接触性の金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告があり、経口摂取によっても発症する可能性が報告されています。報告書の内容は、ニッケルアレルギーを有する人が、チョコレートを摂取する場合の注意を喚起するものです。
また、落花生・乳・小麦等によるアレルギーは多く、すでに食品への表示が義務付けられておりますが、カカオ(チョコレート)によるアレルギーも一定数の発症が認められております(食品の表示に関する共同会議「アレルギー物質を含む食品に関する表示について検討報告書」(2004年7月23日)より)。同様に注意する必要があると思われます。
なお、報告書でも記載しておりますが、カカオアレルギーとニッケルアレルギーは別のものであり、チョコレートを食べてアレルギーを起こす人が必ずしもニッケルアレルギーを有するというわけではありません。
1.「カカオ豆の原産地表示について紛らわしい表現がある」との指摘について、下記の点を考慮していただくよう要望します。
(株)ロッテ 広報室 主査 杉田 大悟
当該銘柄では、「ドミニカブレンド」「メキシコブレンド」という表示がその国の地図等とともに表示してあり、強調されています。特色のある原材料の表示について規定している加工食品品質表示基準第5条では、使用した原材料が特色のあるものである旨を表示する場合においては、特色のある原材料と同一の種類の原材料を合わせたものに占める重量の割合を当該表示に近接した箇所に記載する必要があります。当該商品では、割合の表示が「近接」にあるとは言い難く、消費者の誤解を招く表現と思われる恐れがあると考えられます。
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
[報告書本文(PDF)] 高カカオをうたったチョコレート(515KB)
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