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[2013年4月17日:更新]
[2007年9月6日:公表]

通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果
−販売サービスに関する調査も含めて−

目的

 補聴器を装用して十分な効果を得るためには個人の難聴の程度等に合わせた適切なフィッティングが重要とされる。しかし、現状では補聴器のフィッティングに関する専門的な資格はなく、業界の自主的な認定制度等に委ねられている。一方、インターネット等の通信販売でも、補聴器や、医療機器ではない「集音器等」が数多く販売されている。

 そこで、通信販売の補聴器及び集音器等について、安全性や補聴効果に関するテスト、モニターによる装用テスト等を行い、個人に合わせたフィッティングなしに販売される補聴器等の問題点を調べた。また、補聴器販売店を対象にアンケート調査を行い、補聴器販売サービスの実態と問題点を消費者に情報提供することとした。



概要

  • PIO−NETに寄せられる補聴器等についての相談は年々増加傾向にあり、店舗以外での購入による相談も全体の35%程度を占めていた
  • 出力される最大音が大きく、安全性に問題があると思われる銘柄があった
  • 会話音を増幅する能力が小さく、十分な補聴効果が得られない可能性がある銘柄があった
  • 会話音の聞き取りに適さない周波数特性を持つ銘柄が10銘柄中7銘柄あった
  • 8銘柄は、モニターが使用しているフィッティングを受けて購入した補聴器に比べて十分な補聴効果が得られなかった
  • 薬事法に基づく表示に不備がある銘柄が1銘柄あり、問題であった
  • 補聴器販売店に対するアンケート結果から、回答を得た販売店の約4割が業界の認定店や加盟店ではなく、資格のない販売員が補聴器販売業務に従事していることが分かった
  • 聴力検査や補聴器の調整に用いられる設備・機器の有無は販売店の種類によって差があるにもかかわらず、サービス内容についての回答はほぼ同じであり、矛盾していた


消費者へのアドバイス

  • フィッティングを受けて補聴器を購入するようにしよう
  • 補聴器を購入する際は、業界の認定制度の下で一定の基準を満たした販売店で購入するようにしよう
  • 難聴者は、集音器等を使用しないようにしよう


業界への要望

  • フィッティングをした上で補聴器が販売されるよう、販売システムの見直しを要望する
  • 補聴器販売サービスの内容及び水準の向上を要望する
  • 補聴器について、安全性や補聴効果等について一定の基準を設けるよう要望する
  • 薬事法に基づく表示の改善を要望する
  • 集音器等についても安全性に関する基準を設け、また、難聴者が使用することのないよう表示の改善を要望する


行政への要望

  • 補聴器は、使用者の難聴の状態に合わせて使用する必要のある管理医療機器である。良好なフィッティングサービスが受けられるよう、一定水準以上の技術者の育成の強化、また、販売管理者についての研修へフィッティングに関する事項を盛り込む等、業界指導を要望する
  • 補聴器について安全上の観点からの出力最大音の設定及び最低限の補聴効果等規格基準の設定を要望する
  • 薬事法に基づく表示について指導の徹底を要望する
  • 集音器等についても安全性に関する基準を設け、また、難聴者が使用することのないよう指導の徹底を要望する


要望先

厚生労働省 医薬食品局 審査管理課 医療機器審査管理室
厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
経済産業省 商務情報政策局 医療・福祉機器産業室
経済産業省 製造産業局 日用品室
経済産業省 商務流通グループ 製品安全課
有限責任中間法人日本補聴器工業会
社団法人日本通信販売協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 消費者調整課
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課
公正取引委員会事務総局 取引部 景品表示監視室
社団法人日本耳鼻咽喉科学会
日本聴覚医学会



業界の意見 −たしかな目 2007年12月号より−

「アドフォクス」より

 今回のテストは第3者が補聴器を評価するという意味で意義のあるテストでした。そして今後も定期的に継続される事を希望します。

 健聴者の耳には話し相手の声から空調の音、その他の生活音まで、同時に沢山の音が聴こえています。そして聴覚によって背後の気配を感じ取ることは身の安全にも繋がります。しかし、補聴器を使用すると話し相手の声とその他の音が分かれて聞こえず、その他の音、つまり生活音が声を邪魔する雑音になります。そこで、周波数帯域を人の声の領域に絞って生活音を消そうとしたり、健聴者のように全て聞こえながら脳で音を選択できるようにしたりと、今まさに各社が技術レベルを向上させている最中です。

 補聴器に限らず音響機器のテストは、測定器による測定のみならず人間が聞く評価が不可欠です。屋外や電車内で周囲の音を識別できるテストも追加し、補聴器から集音器まで、難聴者の立場に立って多角的に評価して頂けるよう希望します。

アドフォクス(株) 営業部 成沢 崇志

商品テスト部の見解

 今回行ったモニターテストでは、モニター全員について一定条件下でテストを行うため、環境騒音の影響の少ない室内で一律の音源を聞かせて、聞こえ具合を評価してもらいました。

 今回頂いたご意見は今後のテスト実施の際の参考にさせて頂きます。



業界の対応 ※2013年4月17日 追加

「一般社団法人日本補聴器工業会」、「公益財団法人テクノエイド協会」より

 公益財団法人テクノエイド協会では、業界団体(一般社団法人日本補聴器工業会、一般社団法人日本補聴器販売店協会、NPO法人日本補聴器技能者協会)の協力を得て、「補聴器購入の流れ」や「有資格者による補聴器フィッティングの重要性」について、広く一般に周知・啓発することを目的とした「パンフレット」を作成いたしました。

 当該パンフレットは、皆様にご覧いただけるよう当協会のホームページ上にPDFデータとして公開しておりますので、下記より閲覧ください。

 なお、当該パンフレットの送付をご希望される場合は、テクノエイド協会試験研修部(03-3266-6882)までご相談ください。

<パンフレット掲載URL>
補聴器フィッティング啓発パンフレット
http://www.techno-aids.or.jp/senmon/hochoukeihatsu2.pdf



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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