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[2007年5月9日:公表]

大学生の間に広がる未公開株のトラブル−新入生もご用心−

 「『近々上場する』『絶対儲かる』と勧誘され未公開株を購入したところ、いまだに上場しないし、解約もできない」といった未公開株のトラブルが近年多発しているなか、最近では、大学生をターゲットとしたトラブルが発生している。

 相談事例をみると、同級生などから誘われて断れないケースや、高額な投資金を準備するために預貯金を使い果たしてしまったり、学生ローンや消費者金融などで借金をさせたりするケースがみられる。また、他の学生の勧誘に成功すればマージンが支払われるものもあり、トラブルの一因となっている。

 トラブルの多くは現在、首都圏の大学で発生している。新入生が入学したばかりでもあり、今後の被害の拡大を防ぐために、相談事例と問題点等を情報提供する。


相談事例

【事例1】大学の同級生から「よい儲け話」と勧められた未公開株への投資
 大学の同級生から「投資サークルに参加しないか、参加すれば著名人の講演を聞いたりすることができる」と言われた。同級生の話を聞いていると「よい儲け話がある」と韓国の一流ベンチャー企業の未公開株に投資する出資話を持ちかけられ、「『絶対に儲かる』と言うと法律上問題になるが、高い確率で儲かる話」などと勧誘された。投資金額は65万円と高額であったが、「学生ローンで借りればよい」と勧められ、連れて行かれたサラ金2社から借金をして支払った。また、他の人を誘うためのマニュアルをもらった。
 しかし、未公開株発行会社の企業名を明らかにしないし、本当に投資しているのか不安なので、解約したい。
(相談者・契約当事者:20歳代 男性 学生)
【事例2】大学内で広がる未公開株のトラブル(大学関係者からの情報提供)
 昨年、クラス担任から「未公開株の投資の被害にあって悩んでいる学生がいる」と学生課に相談があった。調査をしたところ、複数の学生が被害にあっていた。それ以降は何もなかったが、今年になって、今度はクラブ活動の指導者から、未公開株の投資で悩んでいる学生が数名いるとの連絡があった。再び調べてみると、昨年春と同様の被害が発生していた。
 被害にあった学生に話を聞いたところ、学生の多くが未公開株を購入したと考えているが、実際は「上場益の一部を受け取れる権利」の購入であった。また、未公開株の上場益が得られることよりも、他の人を勧誘すればマージンとして10万円がもらえることのほうが、学生が投資をする動機になっているようだ。
 大学で把握している以上の被害者がいると思われるので、情報提供する。
(情報提供者:大学職員)


相談事例からみる問題点等

投資内容が不明

 「未公開株への投資」などとうたっていても、学生が株主として登録されたり、学生名義の株券が手元に届いたりするわけではなく、投資対象が「ある特定の個人が保有している未公開株の値上がり益の一部を受け取れる権利」にすぎないケースもある。

 また、未公開株発行会社に関する資料は学生に提供されておらず、業務内容や財務状況などは一切不明である。

信頼関係を利用した勧誘

 「おいしいアルバイトがある」「よい儲け話がある」など、大学の同級生、クラブ活動の先輩・後輩など人間関係を利用されて誘われるほか、アルバイト先や合コンでの勧誘もみられる。

 相談事例をみると、まず投資サークルなどに参加し、他の学生を勧誘することでマージンが支払われ、今度はその学生が別の学生を勧誘していく、というマルチ商法が多い。

勧誘マニュアルの存在

 「法律に違反するので『絶対に儲かる』とは言ってはいけない」など勧誘時の注意点や勧誘の仕方が記されたマニュアルやメモが存在し、学生はこのマニュアルやメモを参考にして、法律違反にならないよう巧妙に他の学生を勧誘している。

 しかし、「絶対に」「必ず」という言葉は使っていなくても、不確実なことを確実であると誤解をさせるような説明をすることは、法律に違反する可能性がある。

高額な投資金額

 最も多く見られる投資金額は60万円台であり、学生にとって高額である。なかには、預貯金を使い果たした学生や、「お金がない」と断ったが「借りやすいところがある」と消費者金融に連れて行かれ、借金をさせられた学生もいる。



消費者へのアドバイス

  1. (1)「上場すれば儲かる」「他の人を誘えばお金が入る」などの甘い儲け話は信用せず、きっぱり断ること。
  2. (2)トラブルにあったら、大学の学生課、最寄りの消費生活センター等に相談すること。

 なお、未公開株のトラブルでは発行会社が上場しないケースが多く、なかには、上場予定のない未公開株を「上場する」と偽って売りつけたとして、詐欺容疑で逮捕された業者もある。

 取引によっては、「特定商取引に関する法律」の連鎖販売取引(※)に該当する可能性があり、この場合、事業者には契約書面などを交付する義務があるほか、目的を告げないで勧誘することなどは禁止されている。ネズミ講に当たるおそれもあり、ネズミ講であれば勧誘されて参加することも、他の人を勧誘することも「無限連鎖講の防止に関する法律」で禁止されている。また、その他の法律にも違反するおそれがある。

※連鎖販売取引は商品等の販売で、その流通に伴って発生する利益を上位者に分配するシステムで、単に金品(証券、証書を含む)を上位者に送金する無限連鎖講(いわゆるネズミ講)とは異なる。

参考:マルチ取引の相談が引き続き増加−学生が“サラ金”に誘導されることも−(2006年11月8日公表)




本件連絡先 相談調査部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。


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