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[2007年1月10日:公表]

高麗人参を主原料とした「健康食品」

目的

 高麗人参を主原料とした「健康食品」について、身体作用のある有効成分の量を市販の医薬品と比較した。また、残留農薬などの安全面についてもテストを行った。さらに使用する際の注意表示や含まれる高麗人参由来成分量の表示などを調べ、その傾向を分析した。



結果

  • 1日最大摂取目安量から摂れる高麗人参の有効成分であるジンセノサイドの量は銘柄により大きく異なり医薬品との境界もあいまいであった
  • 4銘柄より加工食品の残留農薬一律基準(0.01ppm)を上回る量の農薬が検出された
  • カプセルや錠剤にやや消化しにくいと思われるものが3銘柄あった
  • 1日最大摂取目安量を摂取した場合、10g程度の糖類を摂ってしまう銘柄があった
  • 高麗人参由来成分の量を表示してある銘柄は多いが、その品質はまちまちであった
  • エキス・顆粒タイプとカプセル・錠剤タイプでは、注意表示の数に大きな差がみられた
  • 栄養機能食品が2銘柄あったが、栄養機能食品として表示に問題があった


消費者へのアドバイス

  • ジンセノサイド量は銘柄によって差が大きく、医薬品であっても例外でない
  • 高麗人参由来成分の表示量は有効成分量とは必ずしも相関するものではない
  • 糖類を多く含むものもあるので、過剰な摂取は避けよう


業界への要望

  • 原材料の成分などに一定の規格を設け、質の高い商品を提供するよう要望する。また、多量摂取に関する注意などは全ての商品に記載するよう要望する
  • 原材料の残留農薬や製品の溶けやすさの改善を要望する


行政への要望

  • 高麗人参を食品に使用する際に有効成分量や注意表示に関するガイドラインを作成するよう指導を要望する
  • 栄養機能食品としての表示が不十分な銘柄について、適切な表示が行われるよう指導を要望する
  • ジンセノサイド量から医薬品として問題があると思われる銘柄があったので、改善するよう指導を行うよう要望する
  • 残留農薬についての適正な指導を要望する


要望先

厚生労働省 医薬食品局 審査管理課
厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 基準審査課 新開発食品保健対策室
厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 監視安全課
財団法人 日本健康・栄養食品協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 消費者調整課
内閣府食品安全委員会事務局情報・緊急時対応課
公正取引委員会事務総局取引部消費者取引課景品表示監視室
農林水産省消費・安全局消費・安全政策課



業界の意見 −たしかな目 2007年4月号より−

「ロッテ物産」

「ロッテ物産」より

 残留農薬検査の結果において、残留農薬ポジティブリスト制度の一律基準である0.01ppmを基準として、“残留農薬基準を上回る”という表現が取られております。

 しかしながら、残留農薬基準を上回っているかどうかの判断は、厚生労働省の指針により使用されている原料で考えるべきであり、この発表の仕方はいたずらに消費者の不安をあおっているだけであり、適切ではないと考えます。

 ご存知のように、原料である高麗人参は「その他の野菜」に分類されており、一律基準とは別に残留農薬の基準が設定されております。

  • BHC     2.0ppm以下
  • DDT     0.5ppm以下
  • エンドリン  0.01ppm以下
  • ディルドリン 0.1ppm以下
  • キントゼン  0.02ppm以下

 今回の発表は上記の基準値をまったく無視し、一律基準のみをもって残留農薬基準を上回っている商品があるという言い方をしております。

 上記の内容を含んだ訂正記事の掲載を依頼します。

ロッテ物産(株) 食品流通部 部長 佐藤 敏彦

「ロッテ物産」への商品テスト部の見解

 加工食品の残留農薬については、食品衛生法第11条第3項にあるように「農薬が厚生労働大臣の定める量(一律基準)を超えて残留するものであってはならない。(概略)」と定められており、その一律基準として、0.01ppmという数値が定められました。ただし、ご指摘のように通常、使用される原材料が、それに定められた基準値を上回らない場合には、販売に際しては問題がないとされます。

 しかしながら、通常、食品の検査を行う場合は、加工食品(最終食品)で検査を行います。また、原材料が定められた基準をクリアしたものであるかどうかは、製造者にしかわからず、加工食品のみの検査では知ることができません。

 今回のテスト結果は、これらのことを踏まえたうえで記載・表現しております。当センターでは、この結果を元に「詳細を調査し、問題がある場合は適切な指導を行うよう」行政に要望しております。

 また、原材料の残留農薬の数値についても消費者へ情報提供していただけることを希望します。

「ディーエイチシー」

「ディーエイチシー」より

 今回、試験をされた弊社製品は健康食品ですが、品質確保の観点から医薬品で義務付けられている日本薬局方の崩壊試験に準じて試験を実施し、適合したものを出荷しております。弊社製品はその剤型から日本薬局方に準じれば、2種類のpHの異なる液を用いて120分で試験した結果で判断いただきたかったところですが、この度、国民生活センターで行われた「胃の中での溶けやすさ」の項では、この崩壊試験を参考に、水のみに溶けるか否かという点で試験が行われ、それに溶けなかった為に消化吸収が悪いかの如く、評価された一節がありました。

 摂取した食品は、口の中で唾液、胃で胃酸、腸で腸液等のpHの異なる消化液で消化され、吸収されて行きます。水に早く溶ければ吸収が良いとの発想のみで、消化吸収を判断することは、確かに判りやすい見方ではあります。しかし、賢い消費者を育て、様々な知識を普及して行く立場にある国民生活センターであれば、水に溶けない成分でも消化液で溶けることによりしっかり吸収されて行く栄養分があることを考慮して試験をしていただく、もしくは、その部分の知識を消費者にもっと詳しく説明する配慮が必要ではなかったかと思います。

 私達企業側も知識の普及という点では協力させていただきますので、この様な発表をされる前に、ご意見やご相談をいただく十分な時間をいただければ幸いです。

(株)ディーエイチシー 医薬食品相談部 課長 中村 宏

「ディーエイチシー」への商品テスト部の見解

 テスト方法に関するご指摘については、今後のテスト方法の参考とさせていただきます。ご指摘のように食品は、口から摂取し、体内に吸収されるまでにさまざまな消化の行程を経るものです。「健康食品」も、医薬品と異なり、高麗人参と同一の成分を食品と同様に摂取するという観点から、今回は、剤形の違いによる極端な条件の差をつけない方法で崩壊試験を実施しました。錠剤やカプセル剤のような水と一緒に摂取するいわゆるサプリメントタイプの「健康食品」の消化・吸収に関して、今後自主基準などを作成されることを要望します。

「日本ダグラスラボラトリーズ」より

 今回のテスト結果で弊社商品から「残留農薬」及び「重金属」は検出されませんでした。しかし、自然由来の原材料を使用している弊社としては、今回のご指摘を真摯に受け止め、以下の様に更なる対応をとりました。

  1. 1:米国本社に対し、今回の結果を報告し、製造工程時における検査の精度をより一層高めるよう指示いたしました。
  2. 2:契約農園に対する指導を再度徹底させます。
  3. 3:国内、第三者検査機関での検査依頼を検討しております。
  4. 4:ご指摘を頂いた表示の件ですが、表示義務の順守をはじめ、消費者の安全・安心を第一に、わかりやすい表示に現在全商品を対象に変更を進めております。

日本ダグラスラボラトリーズ(株) コンシューマープロダクト 営業本部 本部長 宇田川 博英

「大創産業」より

 高麗人参は健胃強壮、鎮静、血糖調整、血圧調整など多くの効果があるとされ、健康食品として利用されておりますが、確かに近年高麗人参による健康障害の事案や、農薬による身体の安全性を危惧する問題が起きております。

 その点からも、安全性を第一に考え明確な基準を設定し、お客様に安心して服用していただけることは大切なことだと考えます。

(株)大創産業 仕入部 統括バイヤー 岡谷 誠




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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