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[2006年12月8日:更新]
[2006年12月7日:公表]

医療保険の保障内容に関するトラブル
−実際の保障内容と消費者の期待・理解に大きなズレ−

実施の理由

 万が一の入院や手術などによる医療費の支出に備えるために、医療保障に重点を置いた医療保険に対する消費者の関心が高まっている。一方、消費者から国民生活センターや全国の消費生活センター等に寄せられる医療保険に関する相談は近年急増しており、その内容は「保険金が支払われない」という苦情が多い。

 相談事例をみると、告知義務違反による契約の解除を広く適用するなど、保険会社が本来支払うべき保険金を支払っていなかったことによるトラブルのほか、消費者が期待や理解をしている保障の内容と、実際に保険会社が保障する内容に大きなズレが生じていることによるトラブルも目立つ。このズレは、保険会社の営業職員や代理店による説明不足、約款の分かりにくさ、消費者に知らされていない社内規定の存在といった主に保険会社側の問題によって、消費者が保障の内容を十分に理解できないまま保険契約をしてしまっていることにある。

 そこで、国民生活センターでは、医療保険の保障内容に関するトラブルにみられる保険会社の問題点を指摘するとともに、こうしたトラブルを防止するために消費者が注意すべき点について情報提供することとした。



PIO-NETからみた医療保険に関する相談の概要

 PIO-NETによると、医療保険に関する相談は、2001年4月から2006年10月までの間に6,225件寄せられており、年々増加傾向にある。2006年度は、相談件数が急増した2005年度をさらに上回る水準で相談が寄せられている。



相談事例からみた問題点

(1)営業職員や代理店における保障内容の説明不足・理解不足

(2)パンフレットやテレビ広告における保障内容の説明不足

(3)契約時に約款が消費者の手もとにない、約款やパンフレットの内容が分かりにくい・読みにくい

(4)消費者に知らされていない社内規定が存在する

(5)契約後の情報提供・注意喚起が不十分

(6)「保険金等を支払わない」という決定について、消費者が納得できる説明がされていない



消費者へのアドバイス

(1)新たな医療保険の検討にあたっては、まず、公的医療保険(健康保険や国民健康保険など)や、既に加入している医療保険でどこまで保障されるか確認し、必要性の有無を判断すること。

(2)その際には、「どのような場合に、いくら保険金が支払われるか」だけでなく、「どのような場合に支払われないか」についても保険会社に確認し、保障の内容を十分に理解したうえで契約すること。

(3)保障の内容をいつでも確認できるよう、約款やパンフレットなど保険会社から受け取った資料は大切に保管しておくこと。保険契約は長期にわたることが多いので、転居時などの紛失等に気を付けること。

(4)保険を契約する際、病歴や通院歴を営業職員に口頭で告げただけでは、保険会社に正式に告知したことにはならない。また、営業職員や代理店から「病歴や通院歴を告知書に記入する必要はない」などと言われて、そのままにしてしまうと、告知義務違反により契約を解除され、保険金が支払われなくなることもあるので、正しく告知すること。

(5)トラブルにあったら、最寄りの消費生活センター等に相談すること。



業界団体への要望

(1)保険商品の多様化・複雑化により、今後、実際の保障内容と消費者の期待・理解とのズレが広がり、消費者トラブルが拡大していくおそれがあるため、例えば、公的な医療保険で対象になる手術は支払対象とするなど、保障内容の透明化・簡素化に努めてほしい。

(2)保険会社の説明や約款の内容などにより、保障内容について消費者の誤解を招いたときは、保険会社はそのことを考慮した上で支払いの可否を決定し、消費者が一方的に不利益を被る結果にならないようにすること。

(3)社内規定など、保険金の支払いの可否について定めているものはすべて、消費者が常に確認できるようにすること。

(4)販売・勧誘時だけでなく保険期間を通じて、保険金が支払われるケース・支払われないケースや、特に、実際には支払われないのに、消費者が支払われると期待・理解しやすい部分について、継続的な情報提供・注意喚起を行うこと。

(5)支払事由、免責事由など支払いに関する事項の説明、約款の平易化、広告表現の見直しなど、消費者が適切な情報提供を受け、保障内容について正確に理解したうえで契約できるよう、より一層の説明責任を果たすこと。



要望先

社団法人 生命保険協会
社団法人 日本損害保険協会
有限責任中間法人 外国損害保険協会



情報提供先

金融庁監督局保険課




本件連絡先 相談調査部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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