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[2006年8月4日:公表]

クリーニングサービスのトラブル防止のために

実施の理由

 クリーニングは性別・年齢を問わず生活に密着したサービスである一方、トラブルも多い。また、クリーニングは、ほかのほとんどのサービスと異なり、「サービスが消費者の目の前で行われない」サービスであるため、トラブルが起きても原因の特定が難しく、解決困難な場合も多い。

 国民生活センターや、全国の消費生活センターには、衣料品のクリーニングに関する苦情相談が毎年9,000件程度寄せられており、その内容も「紛失」「変色」「シミ」「伸縮」など多岐にわたっている。

 そうした苦情の多さ等から「クリーニング業法の一部を改正する法律」が2004年10月1日に施行された。そこで、クリーニングサービスにおけるトラブルを防止するために、PIO−NETから相談を分析し、改正クリーニング業法がどの程度浸透しているのかも含めて消費者のクリーニングサービスに対する期待度、トラブルの経験等についてアンケート調査を行った。あわせて変色等の原因についてテストを実施した。



1.PIO-NETからみた相談情報の概要

 国民生活センターのPIO−NETに入力された衣料品のクリーニングについての相談件数を年度ごとに見ると2000〜2002年度は約1万件。2003年度以降は9,000件前後で推移している。

 相談者、契約当事者ともに女性が圧倒的に多いが、徐々に男性からの相談も増えてきている。年齢層別では30代が一番多く、次いで50代、40代の順である。

 月別に見ると相談が特に多いのは例年5月、6月、また11月も多くなっている。冬物をクリーニングに出して戻ってきた際に何らかの異変を見つけたり、秋になって冬物を着用しようとして異常に気がつくなどにより消費生活センター等に相談をすることが多いとみられる。

 最も多く寄せられる相談内容は「紛失」、次いで「シミ」、以下、「変色」「伸縮」「風合い」の順で、この順位はいずれの年度も同じである。相談の内容ごとに多い衣料品の種類を見ると、全般的に「婦人コート」「婦人上着」など婦人ものの商品が目立つが、「紛失」「裂け・亀裂」では「背広」「ワイシャツ」など紳士ものの商品が多くなっている。



2.消費者へのアンケート調査

 クリーニングについての消費者の期待等と改正クリーニング業法後の対応を調べるために国民生活センター発行の月刊誌「たしかな目」の読者1,000名を対象にしてアンケート調査を行った。(2006年2月実施 781件回収、回収率78.1%)

クリーニングに対する期待

 衣料品をクリーニングに出す理由としては、「自分で洗うと型崩れや縮みが心配だから」「自分で洗うと風合いを損なうから」等プロとしてのクリーニング技術への期待度が高い。

店を選んだ理由

 クリーニング店を選んだ理由は、断然多かったのが「近所にある」532件(68.1%)で7割近くを占めた。次いで「技術が確か」が227件(29.1%)、「価格が安い」212件(27.1%)だった。

改正クリーニング業法後の対応等について

 改正クリーニング業法では、「利用者に対する説明義務等」として「営業者は、洗濯物の受取及び引渡しをしようとするときは、あらかじめ、利用者に対し、洗濯物の処理方法等について説明するよう努めなければならない」及び「営業者は、洗濯物の受取及び引渡しをするに際しては、利用者に対し、苦情の申出先を明示しなければならない」とされている。改正クリーニング業法施行後のクリーニング店の対応等についても質問した。
(1)「苦情の申出先となるクリーニング所の名称・所在地・電話番号を店頭に掲示してある」は半数以上。
(2)「苦情の申出先となるクリーニング所の名称・所在地・電話番号」を記載した書面を洗濯物の受取及び引渡しの際に「必ず渡される」との回答は7割以上。
(3)クリーニング処理の方法については「時々」「場合によって」説明されることが多い。

確認状況について

(1)クリーニング依頼時にお店の人とは何らかの形で確認を行っている例が多い。
(2)仕上がった衣料品の確認は必ずしている人が6割以上。

仕上がり品のポリ包装袋・カバーをいつはずすか

 全般的に「次に着用する前に」が多かった。以下、「家ですぐに」、「家で収納前に」の順で、「店頭で」はずすとの回答はごく少数だった。



3.テストからみた変色の原因等

パーマ液

 パーマ液が付着するとすぐにシミになる場合とそれだけではシミにならない場合があったが、シミが目立たなくても、ドライクリーニング後の仕上げの熱処理で変色が進んでシミが目立ってくる場合もあった。クリーニングに出してシミにならないようにするには、パーマ液がかかっている恐れがあればすぐにパーマ液を水で洗い落とす必要がある。

色泣き

 外国製の高価なTシャツをクリーニングに出したら黒い柄の色がにじんだ(色泣き)という相談が寄せられ、色泣きについて試験を行ったところ、色泣きが確認され、染色堅ろう度がやや劣っていることがわかった。



4.問題点

(1)クリーニングは、消費者の目の前で展開されるサービスでないことからトラブルの原因の特定が難しく、また、クリーニングに対する店側、消費者側双方の認識が微妙に異なるため、トラブルとなり、消費生活センター等への相談となると考えられる。

(2)相談内容でトップの「紛失」の原因は、ほとんどが店頭での仕上がり品の受け取りの際、店、消費者双方が確認せずに、消費者が自分のものではないものを持ち帰ってしまうことから発生する。

(3)「変色」の原因は、「ガス」、「薬剤」、「紫外線」、「汗」などいろいろ。ポリ包装袋・カバーに含まれるBHTも繊維製品を黄変させる原因の一つとされ、保管には適していない。

(4)改正クリーニング業法の「利用者に対する説明義務等」は、クリーニング業者に十分浸透しているわけではない。



5.消費者へのアドバイス

クリーニングに出すとき、受け取るとき

(1)出す前の衣料品と仕上がり品のチェックを店側と消費者側双方で行い、処理方法など積極的に尋ねてみること。
(2)クリーニングに出したら、なるべく早く引き取りに行くこと

衣料品を収納するとき、着るとき

(1)仕上がり品受け取り後は袋・カバーをはずして仕上がりを確認してから収納すること。
(2)石油臭があるときは着用しない

事故が発生したときはできるだけ早く店に連絡すること。



6.事業者への要望

 当センターは、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会及び、全国クリーニング協議会、社団法人・日本アパレル産業協会、全日本婦人子供服工業組合連合、及び日本繊維製品・クリーニング協議会に対して、
(1)仕上がり品を渡すときの品物、点数などの十分な確認と、品物管理の徹底を望む
(2)改正クリーニング業法の順守を望む。
(3)衣料品のメーカーと販売店、クリーニング業界が繊維製品の素材、取扱い方等について情報を共有し、注意表示の強化等取扱い絵表示等の改善を望む。
を要望した。




本件連絡先 相談調査部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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