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[2006年2月3日:公表]

美容医療サービスの中途解約にかかわるトラブルについて
(国民生活センター消費者苦情処理専門委員会小委員会助言)

消費者苦情処理専門委員会への諮問

 国民生活センターでは、消費者苦情処理業務を適正かつ効果的に遂行するため、消費者苦情処理専門委員会を設置している。

 国民生活センター理事長は平成17年10月4日付で「美容医療サービスの中途解約にかかわるトラブルについて」の苦情処理案の検討を同委員会に諮問し、同委員会に設けた小委員会より平成18年1月12日付の助言があった。



助言の主旨

苦情の内容

 子どもの頃から顔が赤く、悩んでいた。美容クリニックの院長が書いた本を読み、訪ねたところ「お客様のような炎症に対して行うレーザー治療なので悪くなることは絶対にない」などと言われたので、赤ら顔治療セット(5回コース)約75万円を契約し、クレジットで支払うことにした。2回目の治療中、肌に熱や痛みを感じ、終了後も赤くひりひりと痛く、その後、2週間経っても痛みは続き、以前に比べて赤みの面積が広がった。解約しようと思い契約書類を読むと、「注意事項」として、途中解約の場合には解約手数料等として手数料20%と既施術分につき1回毎の治療費用30万円×回数がかかる旨が記載されており、中途解約した場合、解約手数料等は60万円以上になることが分かった。このような高額な解約手数料等を払わなければならないか。

小委員会の結論

 本事案は医療過誤も問題となり得るものであるが、当小委員会では相談の趣旨に従い、解約手数料等の支払いに関する問題を中心に検討を行った。その結論は次のとお りである。
 本事案解約条項のうち既施術分の治療費用の部分は、本契約を中途解約した場合に事業者が請求できる「報酬」に関する特約という形式をとっているものの、この部分についても消費者契約法9条1号が適用されると考えるべきである。本事案のように自由診療でなされたレーザー治療について、「当該事業者に生ずべき平均的な損害の額」の具体的な算定は困難であるが、合理的な算定根拠が示されない限り、赤ら顔のレーザー治療の市場価格を「平均的損害」と認めるべきである。
 一方、美容クリニック側が消費者に告げた内容が消費者主張通りのものだったとすると、消費者は、「誤認」によって本契約を締結したと認めることもできるため、消費者契約法4条2項、1項1号及び2号によって本契約を取り消すという方法も考えられる。加えて、本治療行為によって損害を被った消費者は、美容クリニックに対して損害賠償の請求をすることもできると考えられる。なお、本事案のように、事業者側に故意または過失があり、消費者が損害を被るために解約せざるを得ないような場合には、むしろ消費者契約法10条によって解約条項の全部が無効になると考える余地もある。

理由(法的考察)

 (1) 消費者契約法9条1号の適用(適用可能性、平均的損害の検討)
 (2) 消費者契約法4条1項1号・2号、2項による取消し
 (3) 消費者契約法10条の適用
 について考察



本件連絡先 相談調査部消費者苦情処理専門委員会事務局
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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