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[2004年10月6日:公表]

家庭内火災を防ぐ−その1 揚げ物調理における食用油の発火

目的

 住宅火災の出火原因は「コンロの消し忘れ」が最も多い。また、最近では食用油のうち成分に特徴があるものや、熱に強いと表示されているものが販売されていることもあり、使用条件の違いによる発火温度および発火時間を調べ、危険性がないか調べた。併せてアンケートにより食用油に火がつくことに対する消費者の意識を調べた。



結果

  • 揚げ物に使う食用油はサラダ油に次いで、成分を工夫した油が多かった。また、揚げ物に使用する食用油を健康によいというものを使用したり、少量で揚げたりというような工夫をしている人が多くみられた
  • 揚げ物をしていて危険だと感じたことがある人は60%以上いた。その中で食用油を火にかけたまま3分以上その場を離れたことがある人は23.5%いた
  • 成分に特徴があるものの発火温度は低めで、発火までの時間も短かった。火力が強い条件で行った今回の結果では、一般的に注意喚起されている時間の半分で発火することがあることがわかった
  • 食用油の量を少なくした条件では、全ての銘柄が約6〜7分で発火温度に達し、短時間その場を離れた時にも発火する危険があった
  • 豆腐など水分の多い食品を入れると、継続した泡立ちが起こり火がついた。その温度は通常の発火温度より約70〜110℃低い300℃以下であった


消費者へのアドバイス

  • アンケート調査結果では揚げ物をしている時に火をつけたままその場を離れたことのある人は64.2%と多い
  • 最近は食用油が多様化し成分に差があり、銘柄によって発火温度や発火温度に達する時間が異なるので注意しよう
  • 少量の食用油で揚げる場合や、一般的な揚げ物温度以上になった食用油に食品を入れた場合には、火がつくまでの時間が早いので気を付けよう
  • 水分の多い食品を揚げる時に起こる食用油のはねや泡立ち、また、破裂しやすい食品を揚げた時も特に危険なので注意すること


業界への要望

  • 銘柄によっては発火温度や発火温度に達する時間が異なるので、より具体的な表示の検討を要望する
  • 使用状況に応じた発火温度等に関する注意表示がなされるよう要望する


行政への要望

 発火等の可能性について、成分に特徴のある食用油や多様化した使用状況を考慮し、消費者に、よりきめ細やかな注意喚起のための情報提供がなされるよう要望する。



要望先

日本植物油協会
総務省 消防庁 予防課



業界の意見 −たしかな目 2005年1月号より−

日本植物油協会より

1 発火に至るまでの時間が短くなっていることに関し、食生活スタイルの変化に伴って植物油の利用の仕方が非常に多様化しておりますことは、私どもも承知をいたしております。植物油の使用量、熱源の火力、調理器具などさまざまな組み合わせをもって調理が行われており、今回の実験も、多様化した利用の一つの事例であると理解いたしております。

 このように多様化した利用方法のすべてを満足させる警告を商品に表示することは実行上不可能なことと考えます。また、ある一定の前提に基づき平均的利用法を設定した情報を提示いたしましても不十分なものであると言わざるを得ません。

 しかしながら、利用法の相違により発火に至る時間も異なるとの趣旨を、当協会の広報手段(ホームページ及び定期情報)を用いてお知らせすることは重要であると認識いたしておりますので、早急に情報提示を行います。

2 一部の食用油の発火温度が、通常のサラダ油等より低いことに関し、このようなデーターは、実験の手法によっても結果が大きく異なることがあり、当協会会員の製品に関しましては、製造・販売を行うにあたり第三社機関に試験を委託し、発火点(公定法に基づく発火温度)は通常のサラダ油とほとんど相違ないとの結果が得られております。

 いずれにしても、本件は特定の企業が製造・販売しております商品に関するものでありますので、該当企業にこのご指摘を伝達しました。

3 そのほか気づきの点に関し、当協会及び会員企業は、これまでも植物油を用いて揚げ物をされる場合には、そばを離れて放置されることがないよう呼びかけ、製品にその旨の表示を行っております。ご指摘がありましたような発火に至る時間や発火温度の相違の如何に関わらず、このことが最も重要な課題であると考えております。仮に、発火に至る時間を10分と表示いたしましても、それは10分間放置しても危険が生じないことを意味するものではないことは言うまでもありません。

 当協会は、1 にご回答申し上げました注意喚起情報におきましても、引き続きこの趣旨を呼びかけたいと考えておりますので、御センターにおかれましても、広く消費者の皆様に啓発していただくことをお願い申し上げます。

社団法人 日本植物油協会 理事 技術担当 青貫喜一

国民生活センターの見解

 今回のテストは食用油について使用上の注意等について情報提供するために行ったものです。比較的厳しい条件を用いていますが、テストの条件は消費者へのアンケート調査結果などを参考に家庭で実際に使われている状況を加味したものとしました。

 食用油の中に発火温度が低いものがある、また多様化した使用状況においては、少量で加熱すると予想外に発火時間が短い、食品の種類、食品を入れる温度など、いくつかのポイントがありました。

 揚げ物調理の際、家庭内火災を未然に防ぐために、火をつけたままその場を決して離れない、温度管理には気をつけようなど、消費者に対し情報提供をしましたが、今後、よりいっそう製品の表示が使用状況によっての目安となるよう展開していくことを期待します。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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