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[2004年2月5日:公表]

製造物責任法施行8年目の製品関連事故に係る
消費生活相談の動向と訴訟の概要

 平成7年(1995年)7月に製造物責任法が施行されたが、製造物責任制度の定着状況を把握するため、PIO−NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に収集された独立行政法人国民生活センターおよび全国の都道府県・政令指定都市・市区町村の所管する消費生活センター等が受付けた製品関連事故に係る受付相談件数について調査し、今般、施行8年目(2002年度)までの調査結果としてまとめた。また、国民生活センターでは、製造物責任法が施行されて以降、同法に基づく訴訟の収集を行ってきており、2003年12月31日時点で54件を確認しているが、同法による主な判決をあわせてとりまとめた。

製品関連事故に係る消費生活相談の動向

(1)製品関連事故に係る相談件数の推移

 1994年度以降2002年度までに国民生活センターおよび消費生活センター等が受付け、2003年12月末日までにPIO−NETにより把握できた製品関連事故に係る消費生活相談の件数の推移は表1のとおりである。法施行後8年目を迎えた2002年度は、製品関連事故に係る相談が10,185件(総件数の約1.2%)、拡大損害が生じた相談が6,462件(同約0.7%)だった。

〔表1〕 製品関連事故に係る相談件数の推移
法施行経過年年度 年度別総件数 うち製品関連事故(注1)に係る相談件数 うち拡大損害が生じた相談件数 うち各センターで
処理済みの件数
法施行前1年1994234,0224,261419298
法施行後1年目1995274,0766,8331,7191,378
法施行後2年目1996351,1398,3462,5032,013
法施行後3年目1997400,5117,9215,2264,400
法施行後4年目1998415,3476,8894,7013,973
法施行後5年目1999467,1107,0494,7164,000
法施行後6年目2000547,1459,4555,7274,821
法施行後7年目2001655,8998,3785,1414,346
法施行後8年目2002873,23810,1856,4625,335

(2003年12月末日までの登録分。以下の表において同じ。)

(注1)「製品関連事故に係る相談」は、「危害・危険」に関する相談のうち役務関連を除いたものおよび、「拡大損害」が生じた相談である。

(注2)1994年度から1996年度までの「年度別総件数」以外の各項目は、データ収集項目の変更前のため収集方法が異なる。

(2)拡大損害が生じた相談の内訳
 1)拡大損害の内訳

 表2に、拡大損害の内訳を示した。2002年度は、身体のみに拡大損害が生じた相談が5,293件(全体の約81.9%)、物品のみに拡大損害が生じた相談が1,025件(同約15.9%)、身体と物品の双方に拡大損害が生じた相談が143件(同約2.2%)だった。

〔表2〕 拡大損害の内訳
法施行経過年 年度 全体 身体のみ 物品のみ 身体と物品双方
法施行後3年目19975,2263,9031,090113
法施行後4年目19984,7013,64590980
法施行後5年目19994,7163,631875122
法施行後6年目20005,7274,5311,059134
法施行後7年目20015,1413,9281,066130
法施行後8年目20026,4625,2931,025143

(注)1996年度以前についてはデータ収集項目の変更前のため集計できない。

2)身体に拡大損害(危害)が生じた相談の商品別・危害内容別件数

 表3に、身体に拡大損害が生じた相談の商品別件数を示した。2002年度では、「健康食品」に関する相談が最も多く、2001年度よりも795件多い1,237件だった。また、表4に、身体に拡大損害が生じた相談の危害内容別件数を示した。2002年度では、「その他の傷病及び諸症状」が最も多く、次いで「皮膚障害」が多かった。

〔表3〕上位商品別相談件数

〔表3−1〕2001年度上位商品別相談件数(全体件数 4,058件)
順位 商品 件数
1化粧品633
2健康食品442
3飲料241
4医療用具219
5家具・寝具191
〔表3−2〕2002年度上位商品別相談件数(全体件数 5,436件)
順位 商品 件数
1健康食品1,237
2化粧品741
3飲料313
4医療用具308
5家具・寝具213

(注)表3および表4は、身体に拡大損害が生じた相談および身体と物品双方に拡大損害が生じた相談を集計対象としている。

〔表4〕上位危害内容別相談件数

〔表4−1〕2001年度上位危害内容別相談件数(全体件数 4,058件)
順位 危害内容 件数
1皮膚障害1,270
2その他の傷病及び諸症状(注)1,000
3消化器障害577
4刺傷・切傷333
5擦過傷・挫傷・打撲傷240
〔表4−2〕2002年度上位危害内容別相談件数(全体件数 5,436件)
順位 危害内容 件数
1その他の傷病及び諸症状(注)1,632
2化粧品1,535
3消化器障害950
4刺傷・切傷305
5熱傷293

(注)「その他の傷病及び諸症状」は、「体調が悪い」「気分が悪い」などで、危害内容18の分類項目のいずれにも該当しないものである。

3)物品に拡大損害が生じた相談の商品別・危険内容別件数

 表5に、物品に拡大損害が生じた相談の商品別件数を示した。2002年度では、「食生活機器」(電気冷蔵庫、食器洗い器など)に関する相談が最も多く、次いで「自動車」に関する相談が多かった。また、表6に、物品に拡大損害が生じた相談の危険内容別件数を示した。2002年度では、「火災」および「発火・引火」が最も多かった。

〔表5〕上位商品別相談件数

〔表5−1〕2001年度上位商品別相談件数(全体件数 1,196件)
順位 商品 件数
1自動車109
2食生活機器83
3他の教養娯楽品(注2)74
4空調・冷暖房機器72
5他の光熱水品(注2)63
〔表5−2〕2002年度上位商品別相談件数(全体件数 1,168件)
順位 商品 件数
1食生活機器99
2自動車91
3空調・冷暖房機器89
4レンタル・リース・賃借80
5他の教養娯楽品(注2)60

(注1)表5および表6は、物品に拡大損害が生じた相談および身体と物品双方に拡大損害が生じた相談を集計対象としている。
(注2)「他の教養娯楽品」は、主に「ペット用品」、「喫煙用ライター」など、「他の光熱水品」は、主に「アルコール燃料」、「電池」などである。

〔表6〕上位危険内容別相談件数

〔表6−1〕2001年度上位危険内容別相談件数(全体件数 1,196件)
順位 危険内容 件数
1発火・引火97
2機能故障83
3火災81
4過熱・こげる72
5その他63
〔表6−2〕2002年度上位危険内容別相談件数(全体件数 1,168件)
順位 危険内容 件数
1火災82
2発火・引火82
3過熱・こげる80
4機能故障71
5破損・折損46

(注)危害には至っていないが、そのおそれがあるものを「危険」としている。「危険」に該当しないものは、「危険内容」の集計には含まれない。

製造物責任法訴訟の概要

 製造物責任法を根拠に提起した訴訟は、2003年12月31日で54件確認しているが、その動向については、「消費生活年報」月刊「国民生活」「くらしの豆知識」などにおいて、情報提供してきている。

 表7は、製造物責任法による主な判決(判例集に掲載されたもの)である。

〔表7〕製造物責任法による主な判決(判例集に登載されたもの)  (2003年12月31日までの収集分から)

1.異物混入ジュース喉頭部負傷事件
判決 名古屋地裁平成11年6月30日 「判例時報」1682号
原告・被告 〔原告〕傷を負った女性、〔被告〕飲食物製造・販売会社
認容額 認容額 10万円
判決要旨 ジュースの中に入っていた異物により喉に傷を負ったとの事案につき、ジュースの製造・販売会社の製造物責任法に基づく損害賠償が認められた事例。
2.化粧品皮膚障害事件
判決 東京地裁平成12年5月22日(請求棄却)「判例時報」1718号
原告・被告 〔原告〕皮膚障害をおこした女性、〔被告〕化粧品製造販売会社・化粧品販売百貨店
認容額 
判決要旨 化粧品で皮膚障害が発生したとの事案につき、化粧品と皮膚障害との因果関係は認められたが、化粧品の欠陥及びパンフレットの指示・警告上の欠陥を否定し、請求が認められなかった事例。
3.輸入瓶詰オリーブ食中毒事件
判決 東京地裁平成13年 2月28日(確定)「判例タイムズ」1068号
原告・被告 〔原告〕客(第1、2事件)、従業員・経営者(第2事件)、レストラン(法人・第3事件)、〔被告〕輸入会社(第1〜3事件)、レストラン経営者(第1事件)
認容額 認容額 820万円(第1、2事件)350万円(第3事件)
判決要旨 レストランでの瓶詰オリーブによる食中毒事故につき、瓶詰オリーブから検出されたボツリヌス菌及びその毒素は、開封前から存在していたものと推認するのが相当であるとして、瓶詰オリーブの輸入業者の製造物責任法に基づく損害賠償責任が認められたが、レストラン経営者の損害賠償責任を否定した事例。
4.食品容器裁断機リフト頭蓋底骨折死亡事件
判決 東京高裁平成13年 4月12日「判例時報」1773号(上告後不受理)
原告・被告 〔原告〕死亡した女性の内縁の夫、子供、〔被告〕油圧裁断機製造会社、合成樹脂成型加工販売会社
認容額 認容額 2407万円
判決要旨 工場でプラスチック製食品容器(フードパック)の油圧裁断機を操作中、付設の自動搬送装置に頭部を挟まれ死亡した女性の遺族からの訴えにつき、製造物責任法に基づく損害賠償が認められ、また、工場経営者の過失による損害賠償が認められた事例(いずれも過失相殺5割)。
5.フロントガラスカバー金属フック左眼突刺重傷事件
判決 仙台地裁平成13年4月26日「判例時報」1754号
原告・被告 〔原告〕菓子製造販売店経営者、〔被告〕フロントガラスカバー製造会社
認容額 認容額 2855万円
判決要旨 自動車のフロントガラスカバー装着の際、フックが外れて使用者の眼に刺さった事故につき、設計上の欠陥があるとして製造物責任法により損害賠償が認められた事例。
6.イシガキダイ料理食中毒事件
判決 東京地裁平成14年12月13日(控訴) 「判例時報」1805号、「判例タイムズ」1109号
原告・被告 〔原告〕食中毒を発症した8名、〔被告〕割烹料亭経営者
認容額 認容額 1216万円
判決要旨 割烹料理で調理されたイシガキダイ料理を食しシテガラ毒素による食中毒に罹患したとの事案につき、イシガキダイの調理は、同法の「加工」にあたるとし、被告主張の「開発危険の抗弁」を否定し、製造物責任法に基づく損害賠償が認められた事例。
7.中古車出火焼損事件
判決 大阪地裁平成14年9月24日(請求棄却(確定)) 「判例タイムズ」1129号
原告・被告 〔原告〕中古車の運転者、同乗者、〔被告〕自動車製造販売会社
認容額 
判決要旨 中古車が走行中に発火して焼損したとの事案につき、自動車製造会社の製造物責任が否定され、損害賠償が認められなかった事例。
8.人口呼吸器喚気不全事件
判決 東京地裁平成15年3月20日(控訴) 「判例タイムズ」1133号
原告・被告 〔原告〕死亡した男児の両親、〔被告〕医療器具製造輸入販売会社、地方自治体
認容額 認容額 約5063万円
判決要旨 公立病院で気管切開部位に装着した医療器具に接続した他社製呼吸回路器機の接続部が閉塞して乳児が死亡した事案につき、指示・警告上の欠陥があるとして各医療器具の製造・輸入販売会社2社への製造物責任に基づく損害賠償等が認められた事例。


本件連絡先
消費者情報部
消費者苦情処理専門委員会事務室


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