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[2004年3月31日:更新]
[2003年10月3日:公表]

投資取引における消費者向け情報に関する調査研究(英米日比較)結果の概要

調査研究の目的

 (1)英国、米国の規制当局及び自主規制機関が消費者向けに発している被害発生の予防的な視点からのホームページの情報について調べ、日本の実情と比較する。(2)投資取引に関する苦情の現状を分析するとともに、被害発生の予防や消費者教育の視点を踏まえ、日本における消費者向けの投資取引に関する情報のあり方を具体的に考察する。



英米日の投資取引に関する消費者向け情報

英国

FSA(金融サービス機構=行政並の権限を与えられた自主規制機関)が、FSAの目的や役割、権限、施策を消費者に知らせ、その中で消費者が保護されている部分は何か、事業者の責任は何か、消費者の権利や消費者に求めるものは何かについて、具体的かつ詳細に、例示を示して分りやすく説明している。同種類の商品について事業者間の比較ができる重要事項説明書の交付や問題広告についてのFSAの権限、紛争解決のための金融オンブズマン制度が分る。

米国

SEC(証券取引委員会=独立行政委員会)やNASD(全米証券業協会=自主規制機関)がホームページ上で非常に多くの情報を平易な言葉で具体的に、手際良く説明している。

  1. (1)「情報公開」の理念を基に、ブローカーや販売員の証券業登録、懲戒処分歴、投資家等と重大なトラブルを起こしたブローカーや販売員の名前を公表している。トラブルに会うことを避けるために、開示情報を活用するよう、繰り返し繰り返し指摘。
  2. (2)投資を始める際の基本的な注意点、取引契約を結ぶ際の注意点、紛争に遭遇した場合の対処の仕方まで、投資のロードマップ(道筋)情報を提供して、アドバイスを行っている。
  3. (3)証券取引による消費者被害の予防を念頭に置いて、取引の過程での要所要所で消費者が注意すべき点、消費者が質問すべき点を明らかにしている。

日本

金融庁、証券取引等監視委員会、日本証券業協会、証券広報センター、金融広報中央委員会が消費者向けに情報を提供しているが、金融知識の普及を念頭においた情報提供が多く、消費者向けの消費者被害の予防的(苦情対応や被害救済も含む)、消費者教育的な観点からの情報は少ない。証券取引等監視委員会の「一任勘定取引についての注意」のような注意喚起の情報は少ない。

参考:英国、米国の消費者向け情報(全文訳)
英国:「金融商品の広告およびその他の販売促進手段の利用」「小さい活字」等5項目の全文訳
米国:SEC「賢く投資しましょう」「質問しましょう」等4項目の全文訳


被害予防的な視点からの消費者向け情報の必要性

投資取引に関する苦情がこの4年間毎年増加

  1. (1)「商品先物取引」「証券」等投資取引に関する苦情の総件数は、この4年間毎年増加している。2002年度の投資取引に関する苦情件数は約11,000件である。
  2. (2)「金融商品」(証券、証券以外の金融商品)、「為替相場」(ほとんどが外国為替証拠金取引に関するもの)、「商品先物取引」「投資顧問業」の中で最も苦情が多い取引は、「商品先物取引」であり、次いで「金融商品」、以下、「為替相場」「投資顧問業」の順。2002年度の苦情件数の対前年度比は、「商品先物取引」は1.25倍、「為替相場」は5.0倍に急増した。
  3. (3)販売形態別では、「商品先物取引」と「為替相場」では、「訪問販売」や「電話勧誘販売」などの不招請勧誘が約8割〜8割強と多く、また、販売方法に関する苦情も約7割〜7割弱と高率である。「証券」では、不招請勧誘の割合(3割弱)より販売方法に関する苦情が5割近くと多い。

適合性の確保のための緩やかな法規制

 金融商品販売法のもとで、金融商品販売事業者の適合性確保に関する公表された自主ルールは、抽象的な表現に終わっている。

法の規制が及ばないハイリスクな投資取引がある

 法の規制がなく、業界団体も関与しないハイリスクな投資取引(外国為替証拠金取引等)が一般消費者を勧誘の対象としている。(注)

  • (注)金融庁は、平成16年4月1日の施行により、顧客保護の観点から、金融商品の販売等に関する法律の施行令を改正し、外国為替証拠金取引業者が証券取引法等の業法の規定に基づかないで外国為替証拠金取引を取り扱う場合においても、この法律の対象とすることとした。(2004年3月31日追加)

投資取引の特性と情報の役割、消費者向け情報が重要

 商品やサービスの品質及びその取引には見られない特性がある投資取引では、消費者被害の未然防止のための情報提供を意識的に行うことが重要となる。事業者の規制、被害者救済、消費者教育は、行政機関(金融庁、証券取引等監視委員会等)、自主規制機関(日本証券業協会等)、民間(証券広報センターや金融公報中央委員会等)、その他の消費者行政機関(国民生活センターや各地消費生活センター等)がそれぞれの組織の役割・機能のもとに行なっている。これらの機関が各々の立場で、消費者被害の予防と消費者教育を視野に入れた分りやすい情報を消費者向けに発することが重要である。

参考:投資取引に関する消費者向け情報−「消費者の投資取引の心得」のねらい
 これから投資取引を行ないたいと考えている人は、証券投資とそれ以外の投資取引、さらに、証券から派生した取引(オプションや先物等のデリバティブ)等々との違いを知っておく必要があり、一般の消費者にはなじまない商品・取引を投資の対象としないことが大切である。
消費者の投資取引の心得(「概要」より抜粋)



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