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[2003年7月4日:公表]

IHクッキングヒーターの安全性

目的

 IHクッキングヒーターは、卓上型の電磁調理器と同様に、炎や赤熱部がない点や吹きこぼれによる立ち消えや不完全燃焼の心配がない点など、安全性が高い調理器具として注目されている。しかし一方で、電磁調理器(IHクッキングヒーターを含む)に関する危害・危険の相談内容をPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)で調べると、件数は少ないものの、天ぷら等揚げ物調理時の発煙発火事故が見られた。その他、「電磁波は体によくないと聞いたが本当か」など電磁波の健康への影響に関する相談もあった。

 そこで、安全性に関わるテストとして、天ぷら調理を例に温度制御がどのような状況のときに支障をきたすのかを鍋や油量をいくつか変えて調べた。また、空だき状態で放置したときの運転状態、予熱時のフライパンの温度や調理後のトッププレートの温度、各種安全装置の作動状態などを調べた。さらに、IHクッキングヒーター使用時の電磁波の強度も測定し、消費者へ情報提供することとした。



結果

 天ぷら調理は、取扱説明書どおりに付属天ぷら鍋に適正量の油を入れ「揚げ物(天ぷら)キー」で使用すれば、設定した温度付近(180±20℃)に温度制御されており問題なかった。しかし、油の量が少なめだったり付属天ぷら鍋以外の市販鍋を用いたりしたとき、適切な温度制御ができなくなり場合によっては発煙発火することもあった。

 また、煮物や炒め物等で使用する「加熱キー」で天ぷら調理すると、市販鍋では発火するものもあった。

 空だき状態で放置すると、鍋底の温度が一時的に600℃を超え赤熱化し、その後は加熱を停止するものの、鍋が傷んで使えなくなるものもあった。

 また、フライパンを最大火力で予熱すると、わずか1分で鍋底が400℃以上に達したものもあり、この状態で油を注ぐと危険であった。

 トッププレートの温度は、鍋底からの熱伝導によりしばらくは高温で、触れるとやけどの恐れがあった。なお、60℃を超えているときに「高温注意」を促すランプ表示があるものもあった。

 基本性能としての熱量(火力)は、ガステーブルよりも大きい傾向にあるが、市販鍋の中には所定の熱量が得られないものもあった。

 電磁波の強度(磁束密度)は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドライン値よりも小さかった。



業界の意見 −たしかな目 2003年8月号より−

東芝より

 IHクッキングヒーターは、「火を使わない熱源」として、「安全」「清潔」「高火力」「高効率」等の特徴から、市場から高い評価を得ています。また、購入いただいたお客様の満足度も非常に高い商品です。しかし、今回の記事においては、取扱説明書や製品本体注記の「警告」「注意」事項を幾重にも守らないと、ある条件下にて発火等の危険があるとの指摘がなされ、テスト記事の冒頭ページほかに発火写真が掲載され、さらに「火を使わなくても、天ぷら鍋から炎が?」の見出しが掲載されています。評価の内容も、上記禁止条件下でのIHクッキングヒーターの課題が強調されており、あたかもIHクッキングヒーターが他の加熱調理器より不安全であるような印象を与えるのではないかと危惧いたします。

 ガス機器等他の加熱調理器と比べ、IHクッキングヒーターは、天ぷら火災や引火事故等も少なく、安全性に優れています。ガス機器等他の加熱調理器と比較いただき、そのうえで、さらに安全性を向上するという論点で安全上のご指摘をしていただく等の内容としていただければ、読者に正確な情報を与えられたのではないかと考えます。

 禁止事項が重なるなど、どのような条件下においても安全を確保するように改善してゆくことば当然であり、当社としても、今後も最重点事項として努力してまいる所存です。しかし、現在の名調理機器の技術レベルで比較すれば、IHクッキングヒーターは、最も安全であり、機能面でも優れた点が多いと考えます。ガス機器等、他の調理機器も含め、性能・機能面も含めて各種調理機器を比較評価いただければ、読者にとってさらに有益な記事になったのではないかと思う次第です。
 (株)東芝 家電機器社 HAクリエーション部 部長代理 植木省一

商品テスト部の見解

 これまでのガス機器等の調理器具は、すでにたくさんの消費者が利用しており、直火を用いることの危険性をはじめとする機器の特徴等はすでに知られていることと思います。これに対して今回のIHクッキングヒーターは、最近急速に需要が伸びているものの、ガス機器等に比べれば、いまだ未知の部分が多い調理器具と認識しております。また、直火や赤熱部を扱わないことから、ガス機器等を用いる場合に比べて、消費者が加熱機器を扱う上での注意を怠りがちになるのも事実です。

 このような観点から、今回はIHクッキングヒーターの安全性を中心にテストしました。取扱説明書通りに適切な使い方をすれば問題はないと思われますが、事故事例にも見られるように取扱説明書を守らない使い方では、今回のテスト結果のように危険な面もあることを消費者に情報提供しました。また、温度過昇防止等の安全装置には、まだ改良の余地があると思われますので、今後の製品に期待しております。なお、情報提供のしかたにつきましては、今後の参考にさせていただきたいと思います。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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