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[2003年5月9日:公表]

米英韓三カ国の行政による消費者被害救済制度に関する調査研究

実施の理由

 規制緩和後の消費者行政のあり方が議論されている。消費者被害の救済については、消費者が消費者私法を活用して自らが司法の場で被害回復を図ることが期待されているが、未だ消費者私法の整備は不十分であり、また多数少額被害を特徴とする消費者被害を消費者が司法の場で回復することはコストの面でも限界がある。従って、行政による事後的救済は規制緩和後も重要である。そこで規制緩和をいち早く進めている米英韓三カ国の行政による消費者被害救済制度を調査し、日本への適用可能性を探る。



調査結果の概要

1)米国では、連邦政府は基本的に消費者相談処理・調停にタッチしないが、苦情が複数あり、公益の侵害にあたるとみなされるときは行政が消費者に代わって民事損害賠償請求をする「父権訴訟」により損害回復を行う。州レベルでは司法長官府が刑事規制、行政規制を総括的に行い、父権訴訟も行う。州や自治体の消費者問題局では、許認可等の規制行政と消費者苦情処理の支援行政が一部所で行われているために、縦割り行政の障害がなく、苦情処理も規制権限を背景に行われている。ADRとしてはBBBの役割が大きい。また、私訴によって被害回復が図られる面も大きい。

2)英国では、国の機関は個別被害救済には関与しない。自治体では、取引基準局と市民助言局が並行的に消費者苦情処理を行っており、消費者の身近な相談機関として重要である。市民助言局では相談員が市民ボランティアであることから、相談処理支援のための電子情報システム(EIS)が充実しており、関連法令、相談処理の方法等が検索できる。業界団体型ADRが機能しており、そこでの仲裁人協会の役割が大きい。

3)韓国では、国レベルでは、規制行政は公正取引委員会、苦情処理等の支援行政では、消費者保護院の役割が大きい。消費者保護院は大統領令で定められた「消費者被害補償基準」による被害救済を行い、苦情処理の最終段階として、「消費者紛争調停委員会」を設けて、積極的に被害救済を行っている。自治体の消費や行政の充実はこれからである。消費者団体も被害救済に重要な役割を果たしている。



日本への示唆

1)日本では市町村の相談処理体制の充実が図られているが、相談処理を支援するデータベースとして英国の電子情報システム(EIS)は参考となる。

2)相談処理レベルの均一化等、相談処理体制の整備を図る上で、韓国の「消費者被害補償基準」は参考となる。

3)行政による違法行為の差止め等の規制行政と消費者が自らの被害回復を図る民事救済をつなぐものとして、行政による民事救済制度(父権訴訟)の導入は検討の価値がある。



報告書の入手方法

報告書:74頁 定価 800円(消費税込み)
報告書の入手方法等は、調査報告書一覧(出版物の紹介)で案内しています。




本件連絡先 調査室

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