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[2003年5月9日:公表]

危害情報からみた高齢者の家庭内事故

実施の理由

 国民生活センターでは、全国20の病院からさまざまな事故情報を収集している。この危害情報収集協力病院からは、商品や設備、サービスでけがをした人の事故情報を得ることができ、当センターはこれを危害情報システムとして活用している。

 これをみると、高齢になるとさまざまな家庭内事故にあいやすくなることがわかった。今回は、この6年間に病院を受診した情報のうち、高齢者(65歳以上)の家庭内事故について分析した。



結果・現状

1)高齢者の家庭内事故が1997年度〜2002年度(2003年3月31日まで)に4,176件寄せられている。女性が男性の約2倍、軽症76.8%、中等症19.7%、重症・重篤症2.4%(100件)、死亡1.1%(46件)であった。65歳未満に比べ高齢者は中等症以上の重い症状の割合が高く、また65歳以上75歳未満(前期高齢者)より75歳以上(後期高齢者)のほうに重い症状の割合が高かった。

2)擦過傷・挫傷が38.8%、次いで骨折19.0%、刺し傷・切り傷17.1%などである。骨折の割合は65歳未満と比べると10ポイント以上高く、そのなかでは65歳以上75歳未満(前期高齢者)より75歳以上(後期高齢者)のほうに骨折の割合が高かった。

3)危害の原因は階段が最も多く、ドア・柱・敷居、浴室、脚立・はしご、床などである。「住宅を構成する設備での事故」と「身の回りの生活用品での事故」に分類すると、高齢になると前者の割合が上がる。

4)高齢者の死亡事故は65歳未満に比べ多い。やけどが最多で主に着衣着火事故であり、その他浴室での溺死、のどに食品を詰まらせる窒息などもあった。



専門医の見解

1)老化に伴い体のさまざまな部分が衰え、無理がきかなくなって事故に至ることがある。心肺機能が弱った人が、それを守るため日常生活での運動を控える傾向になるとますます老化を進めることになり、ちょっとしたことでも骨折などにつながりやすい。また皮膚などが薄くなりやけどや打撲で重症になったり、かむ力や飲み込む力が低下することによる窒息、脳や心臓の老化により脳溢血、心筋梗塞などの発作が起き浴槽での溺死に至ることも多い。

2)入院や手術をすると体を動かすことが制約される。高齢者の場合はその後に、以前に比べると日常の生活や動作が不自由になることが多く、若い人に比べると回復しにくいといえる。寝たきりの治療などで誤えん性肺炎、床ずれ、痴呆などの合併症を起こすとより悪い状態に陥りがちである。



今後の予定

 事故防止のための消費者へアドバイスを行う。
1)住宅を構成する設備での事故防止
階段や敷居などの段差をなくし、手すりや明るい照明をつけたり、すべりにくいものを履くなど、転倒・転落事故防止のための対策をする。入浴の際には湯温に気をつけるとともに、脱衣所と浴室の温度差を少なくする。
2)身の回りの生活用品での事故防止
火のつきやすい形状の衣類は避け、防炎性のものを利用するなど、着衣着火事故を防止する工夫をする。飲食の際は小さく切って水分をとりながらよくかんで食べる。
3)健康管理
日ごろから体を動かすことを心がける。



本件連絡先 消費者情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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