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[2003年3月6日:公表]

「ソフトコンタクトレンズ」の衛生状態等について調べる−ソフトコンタクトレンズ用消毒剤のテストも加えて−

実施の理由

 コンタクトレンズの装用者は約1,300万人と言われており、使い捨てレンズ認可後、ソフトコンタクトレンズ使用者は増加傾向にある。しかし一方では装用を中止せざるを得ない眼障害が4都市で年間7.4%発生していると推定されている(日本コンタクトレンズ協議会)。さらに、国民生活センターの危害情報システムには、コンタクトレンズによって眼に「痛み」を感じた等の危害情報が多数寄せられており、なかでもソフトコンタクトレンズに関する申し出が多かった。

 そこで、実際に使用しているソフトコンタクトレンズを回収し、眼障害を起こす原因になりうる細菌の付着量や汚れの付き具合等の実態を把握することとした。また、1つの商品で洗浄、すすぎ、消毒、保存を行えるとうたったソフトコンタクトレンズ用消毒剤(以下、マルチパーパスソリューションとする)、および参考として過酸化水素を用いた商品について、消毒性能や洗浄性能を調べ、あわせて情報提供することとした。



結果・現状

【回収したソフトコンタクトレンズについて】
 衛生面のテストでは(105枚)、レンズで比較すると使い捨てレンズの18%から、従来型レンズの27%から細菌が検出された。細菌の検出される割合は、コンタクトをはずす前に手を石けん等で洗っているか否か、レンズを保存しているケア用品を毎日交換しているかと関連があり、いずれもケアの際に手間をかけた方が細菌の検出され方は少なかった。また回収したレンズの汚れ(脂質、タンパク質、化粧品などが原因と思われる)の程度を専門家によって判断したところ(128枚)、使い捨てレンズの20%、従来型レンズの40%に眼障害を引き起こすおそれのあるひどい汚れが付着していた。

【ソフトコンタクトレンズ用消毒剤について】
 緑膿菌や黄色ブドウ球菌に対する消毒性能は、マルチパーパスソリューションより過酸化水素を用いた商品(参考品)の方が優れていた。さらにマルチパーパスソリューションについては、使用途中で汚染があることを想定したテストで、開封後徐々に性能が低下した。モデル的に行った洗浄性能試験の結果においても、過酸化水素を用いた商品の方が優れていたが、同時に洗浄の際にはこすり洗いが大切であることがわかった。



問題点

  • テスト結果から、メーカー指定の使用期間以上にレンズを使用している人や、眼障害が起こる可能性のあるひどい汚れがついた状態のままレンズを使用している人が多い実態が明らかになったが、レンズが汚れていると自覚している使用者は少なかった。
  • 現状ではインターネット等で消費者の意志のみで購入できる場合があるが、レンズ購入時は診察および使用の指導を受け、購入後は定期的に検査を受けてレンズと眼の状態を専門家にチェックしてもらう必要がある。
  • ソフトコンタクトレンズ用消毒剤はそれぞれに特徴があるので、適切なケアを行うために、専門家にケア方法の適切な指導を受ける必要がある。


今後の予定

 テスト対象メーカー及び関係機関に対しテスト結果の説明会を実施する。また、問題の明らかになった点について、関係機関に改善等を要望する。



業界の意見 −たしかな目 2003年6月号より−

「日本コンタクトレンズ協会」

「日本コンタクトレンズ協会」より

  1. 1.コンタクトレンズを初めて購入するときは、必ず医師の処方を受ける旨を徹底するため、コンタクトレンズ等の広告自主基準では、「コンタクトレンズは医療用具である旨及び必ず眼科医の処方によって求めること」を明記するように要求しております。
     ただし、最初は医師の処方を受けて購入したコンタクトレンズ使用者が、その後は本人の意思により、使用しているレンズと同一のレンズを購入することは法の規制を受けないことをご理解ください。
  2. 2.「定期検査の必要性」に関しては、業界の自主基準である添付文書のガイドラインや広告自主基準の中で記載を義務付けるとともに、協会のホームページ、広告、ポスター等を通じて啓発に努力しておりますが、今後もさらに活動を継続、強化していきます。
     また、「レンズ使用者の状況の把握」に関しては、眼科並びに小売り店経由で供給されるため、業界が直接使用者の管理をすることは極めて難しい問題ですが、市販後の安全管理が極めて重要な課題であることを認識し、薬事法の改訂に伴い、小売の実態や流通のあり方を研究しつつ、使用者の状況把握や情報収集体制の拡充を検討していきます。
  3. 3.「こすり洗い不要表示」に関しては、発売メーカーが客観的データに基づき表示をしている以上、現段階では業界として一律的な規則は難しいと考えます。
     ただし、該当メーカーには、要望のあった旨の連絡をいたします。
  4. 4.「ソフトコンタクトレンズ用消毒剤に関する自主基準作成要望」に関しては、本消毒剤は医薬部外品として厚生労働省から厳しい審査を受け、承認されているもののため、このたびの要望に即した内容で、業界の自主基準を作る事が可能かどうか、今後の検討課題として受け止めていきます。

日本コンタクトレンズ協会 会長 松岡 慎吾

「日本コンタクトレンズ協会」への商品テスト部の見解

1、2について
 使用者が自己責任の下、レンズを管理していくためにも、医師の処方や定期検査の必要性について、取扱い説明書のみならず、広く周知、徹底されることが必要であると考えます。

 また、インターネットで販売されるものの一部では、処方がなくてもレンズを購入できてしまう場合があります。インターネット等での販売に関しても指導を徹底していただきたいと考えます。

 実際にレンズを販売する際は小売店等を経由することになりますが、一部のメーカーでは管理手帳に医師の印がないとレンズを購入できないシステムを導入していると伺っています。業界全体での取り組みを期待いたします。

 最初購入したレンズをもう一度購入する際でも、視力が更に低下していたり、眼にキズがついていたりする場合がありますので、使用者は定期検査と合わせて、再度購入の際にも検査を受けるよう心がけていただきたいと考えます。

4について
 ソフトコンタクトレンズ用消毒剤は消毒性能等について厚生労働省が審査を行っておりますが、消毒効果のほかに洗浄効果についてうたっている銘柄もあります。洗浄性能についても試験方法の統一が必要であると考えます。

「オキュラーサイエンス」より

 コンタクトレンズは医療用具でございます。また、その反面、毎日使用する必需品でもあります。私どもメーカーは、消費者の皆様に少しでも快適なコンタクトレンズライフをお送りいただくため、安全性・快適性・機能性の向上を目指した商品改良努力を日夜続けております。

 また、製品の発売に際しましては、あらゆる角度から科学的な評価が行われ、厚生労働省による厳しい審査を受け、承認された商品のみが販売されております。

 消費者の皆様におかれましては、くれぐれも以下の様な使用上のルールをお守りいただき、安全で快適なコンタクトレンズライフをお過ごし頂きますよう、お願い申し上げます。

  1. (1)ご購入の際には必ず眼科医の検査・処方をお受けください。
  2. (2)使用方法を守り、正しくご使用ください。
  3. (3)必ず、眼科医による定期検査をお受けください。

オキュラーサイエンス(株) 代表取締役社長 丹羽 正和

「ジョンソン・エンド・ジョンソン・ビジョンケアカンパニー」より

 弊社は、より安全に快適に、コンタクトレンズを装用していただけるよう、4つのルールを提言し、ユーザーに直接的、間接的に訴えてきました。それらは、(1)購入に際して眼科医の検査、処方を受けること、(2)決められた装用時間(期間)を守ること、(3)定期検査を受けること、(4)適切なレンズケアを行うこと、です。今後とも、活動の継続、さらなる強化をはかります。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)ビジョンケアカンパニー マーケティング本部長 井上 篤

「日本アルコン」

「日本アルコン」より

 このたびは『たしかな目』4月号で、ソフトコンタクトレンズの正しいケア方法につき啓蒙くださり敬意を表します。われわれコンタクトレンズケア商品の販売者にとっても、きわめて有意義であったとの思いで貴誌を拝見いたしました。

 ただ同文中、7ページ等に「・・・マルチパーパスソリューションより、過酸化水素を用いた商品のほうが(消毒性能に)優れている」との記載がありましたので、その点につき以下反論させていただきます。

 弊社のマルチパーパスソリューションは、「こすり洗い」「すすぎ」「浸漬」という3つのステップを全て完了することにより消毒効果を発揮するよう設計されております。

 一方、貴センターにて行なわれたテスト方法は、単にケア商品に各菌を「接種」し経過を観察したものであり、その結果と実際に消費者が正しくケア商品を使用した結果には乖離が起こります。

 マルチパーパスソリューションも過酸化水素を用いた商品も、使用方法に則って使用することで十分な消毒効果を表するものであり、使用方法に則っていない今回のテスト結果に基づく両者の消毒効果の比較は、製品の消毒効果に関する消費者の誤解を招く可能性があります。

 今回のテスト結果からは、両者の消毒効果を比較するのではなく、使用方法を守った正しいケアを推奨するべきであると考えます。

 どうか以上ご賢察のうえ、今後とも機会があればケア商品の正しい使用方法について消費者に適切なアドバイスをしていただきますようお願い申し上げます。

日本アルコン(株) コーポレート・コミュニケーション部 マネージャー 菅野 伸也

「日本アルコン」への商品テスト部の見解

 今回のテストは、細菌の種類によって消毒性能に差があるかどうか、使用途中に汚染があった場合(負荷)、消毒性能に変化があるかどうかをモデル的に調べるという目的で行いました。

 また、使用者のアンケート結果より、レンズの状態を把握している人が少ないことや、ケアを怠っている人が多いことがわかりました。

 その結果、各銘柄それぞれに特徴があり、また使用者それぞれに適切な使用方法でケアを行えるよう、ケア用品を使用する際は専門家の指示を仰ぎ、さらにその指導をよく守りケアを行う必要がある旨を「消費者へのアドバイス」に明記しております。

「レインボーオプチカル研究所」より

  1. (1)当社ではコンタクトレンズは必ず眼科医の検査(処方)と指示によって使用していただくものであることを徹底しております。なお、「インターネット等で消費者が購入できる場合」について、現在までインターネット販売は行っておりませんが、消費者からの「同一規格レンズ再購入」の注文についても、必ず毎回検査を受け、作成された施設の医師に相談していただくよう説明しています。
  2. (2)消毒剤を含むケア用剤のこすり洗いの必要性を、常に説明しております。

(株)レインボーオプチカル研究所 企画学術室 大角 忠




本件連絡先
消費者情報部
商品テスト部 電話 042-758-3165

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