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[2003年1月8日:公表]

乗用車内の安全を検証する

実施の理由

 乗用車等に関する様々な苦情・相談が寄せられている中で、乗用車内で起こり得る事故やトラブルに 着目した。パワーウインドウに関しては平成11年4月に、チャイルドシートに関しては平成10年7月と平成13年7月に それぞれテストを実施し、情報提供したが、現在も事故事例やトラブル等が見られる。そこで、改めて車内の安全を 検証するため、(1)パワーウインドウが閉まるときの力や安全装置に関する調査、 (2)乗用車とチャイルドシートの適合性に関する調査、(3)車内の高温化に伴う各部の温度やビン、 缶等を置いた場合の状況調査、(4)シートバックが跳ね上がるときの力やシートレール部分の調査、 (5)新車車内のにおいや発生物質に関する調査を行った。



結果・現状

  1. (1)パワーウインドウが閉まるときの力は16.6kgf〜52.6kgfと銘柄間で違いがみられた。また、挟み込みを防止する機能はほとんどの車の運転席に装備されていたが、全席に装備されていたものは2銘柄のみであった。
  2. (2)チャイルドシートを後席外側シート(基本的に左側)に装着する際の適合性を調べたところ、車のシートベルトのバックルとチャイルドシートのベルト通し穴やベルトガイドとの位置関係が合わず、装着不十分となる場合があった。また、チャイルドシートの大きさに対し車のシートベルトの長さが足りず装着できない場合があった。
  3. (3)炎天下では車内温度が短時間で上昇し、最高で60.3℃となった。ダッシュボードは86.7℃、シートベルトのタング(金属製)は66.5℃となった。一方、車内に缶入りの炭酸飲料やガラスビン入りのオードトワレ、プラスチック製の携帯用簡易ガスライターを置いたところ、缶の破裂やビンの割れ、ライターではガスが抜けることがあった。
  4. (4)シートバックが跳ね上がるときの力は、16.0kgf〜59.6kgfと銘柄間で違いがみられた。シートレール部分は一部樹脂製カバーで覆われていたが、レール自体は露出していた。
  5. (5)新車車内のにおいは人により好き嫌いがあり、個人差がみられた。車内から発生する総揮発性有機化合物(TVOC)の濃度は、車内温度が高いとTVOC濃度が高くなり、厚生労働省の定める室内濃度に関する指針値を上回った。


問題点

  1. (1)パワーウインドウの閉まる力はできるだけ小さくする必要がある。
  2. (2)チャイルドシートは車両にしっかりと装着できるようにする必要がある。
  3. (3)炎天下の車内は高温となるため、やけど等に注意する必要がある。
  4. (4)シートを動かすときには取り扱いに十分注意する必要がある。
  5. (5)新車車内から発生される揮発性物質を軽減する必要がある。


今後の予定

 車両にチャイルドシートがしっかり装着できるよう自動車メーカーとチャイルドシートメーカーで情報を共有し、ガイドラインの作成を行うよう業界、行政に要望する。



業界の意見 −たしかな目 2003年4月号より−

「コンビ」より

  1. (1)弊社販売製品「マキシコシベビー」について適合評価で「装着不能」と指摘された件につきましては、国民生活センターから指摘を受けた2車種について1車種は同型式、また残りの1車種は前型式ですが、ベルト長さについては同一長さの仕様の車を国民生活センターに運び、記事の試験官立会いのもと、弊社製品の取扱説明書を基に装着を実施しましたが、装着不能ではない事を確認しております。しかしながら記事について何ら訂正の意思表示もありませんでした。
     一方弊社のチャイルドシートにつきましては販売に先立ち、車に対する適合性調査を行っていますがこの調査の中にこれら2車種に関する表記があり、「装着可能」と判断しております。この事は弊社が弊社のお客様に対して虚偽報告をしていることになり、まったく納得できません。
  2. (2)チャイルドシートを購入されたお客様が取扱説明書を見ながら、自分の車のシートに取り付ける際にお客様は取扱説明書の説明を基本に、できるだけ車に取り付くように小さなくふうをしながら取り付けされると考えますが、国民生活センターの取り付けを確認させて頂いたところ、取り付けられない状況へ持っていこうとする意図を感じます。あくまでも公平な観点から、更にお客様の気持ちを考えた上での確認及び結果報告をお願いします。
  3. (3)今回取り上げられた製品について明確な選定基準をお聞きしておりません。「よく売れている製品」とのコメントをお聞きしていますがどのような観点、基準で選択したか明解にするべきあるように思います。市場状況、製品個々の売行きについて事前チェックをするべきです。また、「安全性能が高い製品」ということであれば明確に表現するべきでもっと購入、使用するユーザーの皆様の立場を考えていくべきです。
  4. (4)当社は、消費者や流通の皆様の接客をサポートするために、製品を発売前、1製品につき500〜600車種の装着テストを実施しています。もちろん、その中で装着できない車種があることも事実です。そうした中で今回テストされた18車種程度で装着性の判定が行われたことは納得できません。

 今回、この報告につきましては今後のチャイルドシートの装着性判断材料として参考にさせていただき弊社の今後の新製品開発に役立てたいと考えています。
 一方、今回の国民生活センターのような公的機関の報告は一般消費者への影響力が大きく、誤解を招く表現については一企業だけの影響にとどまらず、業界全体の姿勢に対するコメントと取られることもあり得ますので今後の調査に関しましては、お客様の立場からの公平な評価をお願いいたします。

 コンビ(株) 品質保証部長 大野秀樹

商品テスト部の見解

(1)について
 装着はチャイルドシートの取扱説明書に従って行いました。現状では装着性に関する規格・基準がないため、日本自動車連盟(JAF)が実施しているチャイルドシート取り付け状態調査を参照し、チャイルドシートの上端を10kgで引っ張ったときに初期状態からの浮きが3?以内に収まるかどうか(乳・幼児兼用)、シートバックの角度が45度になるかどうか(乳児用)に加え、シートベルトのバックル等が干渉しないか、各部を揺すった際のぐらつきの確認を行いました。その結果、問題なく装着できたものは「装着できた」、装着はできたものの各部の干渉やぐらつき等が生じたものを「装着不十分」とし、その状況を付記しました。「装着不能」は、取扱説明書に基づく装着ができなかったものです。なお、装着はテスト担当者が行いましたが、力のない人でも問題なく装着が可能か、装着した後に不安要素が残らないか等で判断いたしました。

(2)について
 取扱説明書に従って、消費者が(力のない人でも)確実に装着できるかどうかで判断いたしました。チャイルドシートの装着は使用者のくふうに期待することなく、だれでも容易にできることが重要だと考えています。

(3)、(4)について
 テスト対象銘柄は、「店頭でよく見かける」「カタログで大きく取り扱っている」「高い安全性をうたっている」等の中から、適合している基準、固定方式を考慮し、銘柄を選定しました。テスト可能な銘柄数には限度があるためチャイルドシート4銘柄、乗用車18銘柄でテストを実施しました。
 なお、今回のテストは、消費者がどのチャイルドシートを購入しても支障なく車に装着できる状況になっているかを調べることに主眼を置いて実施しました。

「タカタ」より

 2003年2月号に掲載されました「乗用車とチャイルドシートの適合性に関する調査」の結果、ノア3列目外側席で「装着不十分」と記載されておりますが、弊社にて、実際の車両で取り付けを行い問題がない事を確認しております。今回発表された調査結果については、なぜ装着不十分なのか具体的な判断基準が不明確です。また、記載された装着不十分という表現は、消費者に必要以上の懸念を与える可能性が十分あるものと考えており、したがいまして、この調査結果に到りました判断基準をわかりやすく明記していただく事を望みます。

タカタ(株) チャイルドシート部門 室長 百田章

商品テスト部の見解

コンビへの見解(1)の項を参照ください。

「チャイルドシート連絡協議会」より

 2003年2月号に掲載されました「乗用車とチャイルドシートの適合性に関する調査」結果の指摘事項にて、今回、指摘のありました点につきましては、当会において徹底するとともに随時改善を行っていきたいと考えております。また、チャイルドシートメーカー各社が、今後よりよい製品を開発する際の助けとするために、下記の事項について質問させていただきます。

  1. (1)車両との適合性を調査するためには、チャイルドシートの選定には合理的基準があると考えます。しかしながら、選定されたチャイルドシートからは使用者にとって合理的な選定基準を見いだせないでおります。チャイルドシートの選定基準について教えていただきたい。
  2. (2)適合性調査結果の評価方法について、「装着できた」「装着不十分」「装着不能」と3段階評価になっております。評価は合理性のある基準が存在し、その基準が有効に使えるから成り立つと考えます。各々評価方法について、何を評価の基準として、どのように評価したのか、3段階の違いの結果は何の違いなのかも併せてその詳細を教えていただきたい。
  3. (3)「装着不十分」の評価について、「装着できたものの、以下の問題点が見られた」とコメントがついております。装着できたにも係わらず、「装着不十分」との表示の場合、一般消費者には誤解と不安を与え、使用不可との判断をすると思いますが、一般消費者はどう判断すると想定してかかる表示をされたのかを教えていただきたい。

チャイルドシート連絡協議会 広報分科会リーダー 濱野幸造

商品テスト部の見解

(1)について
 コンビへの見解(3)、(4)の項をご参照ください。

(2)について
 コンビへの見解(1)の項をご参照ください。

(3)について
 「装着不十分」はコンビへの見解(1)のとおり「装着できた」「装着不能」とは異なるものです。
 なお、装着の適合評価の判断基準は現状では整備されていないと考えます。ぜひ、業界で基準作りを検討してほしいと思います。
 今後のテストでは、各社、協議会から頂いた貴重なご意見等を参考にさせていただきます。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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