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[2002年7月5日:公表]

ノンフロン冷蔵庫の環境性と安全性

実施の理由

 冷蔵庫のフロン冷媒は、オゾン層の破壊や地球温暖化への影響が大きいことなどから、欧州などでは可燃性の炭化水素(イソブタン)を冷媒としたノンフロン冷蔵庫が開発され広く使用されている。しかし、我が国では、欧州と異なり冷蔵庫に霜取用ヒーターを装備しているため、冷媒が漏れたときにヒーターが着火源となる恐れがあるなどとして開発されなかった。近年、外国製ノンフロン冷蔵庫の輸入販売がされたほか、今年に入って、安全上の技術的解決を図ったとするノンフロン冷蔵庫が、国内2メーカーから販売された。そこで、ノンフロン冷蔵庫4銘柄と従来のフロン冷蔵庫2銘柄について、万が一可燃性の冷媒が漏れた場合、霜取用ヒーターが着火源となることがないのか調べるとともに、構造や電気部品等にどのような安全対策が図られているのか外観調査を実施する。また、ノンフロン冷蔵庫は、従来のフロン冷蔵庫に比べ地球温暖化への影響がどうなのか評価を行うほか、冷却性能や騒音等を測定し消費者に情報を提供する。



結果・現状

  1. (1)地球温暖化への影響が最も大きな消費電力量は、ノンフロン冷蔵庫がフロン冷蔵庫に比べ小さい。また、ノンフロン冷蔵庫の冷媒は温暖化への影響がフロンよりかなり小さく、使用量も少ないなど、環境にやさしいものであった。
  2. (2)強制循環式のノンフロン冷蔵庫は、霜取ヒーターの温度が約90〜340℃と冷媒の着火温度(約490℃)より100℃以上低かった。また、庫内灯やドアスイッチなどの電気部品はシールされていた。また、直冷式のノンフロン冷蔵庫は、手動霜取でヒーターがないほか、ファンもなく調査した限りでは着火源となるものは見当たらなかった。
  3. (3)消費電力量や庫内温度、冷却速さは、フロン冷蔵庫と同等、若しくはそれ以上の性能を有していた。また、騒音もフロン冷蔵庫と同様に静かであった。


問題点

 メーカー等では修理や廃棄時の安全対策が考えられているが、フロン冷蔵庫とノンフロン冷蔵庫が混在する状況となるので、注意表示を行うなど事故防止のための総合的な安全対策が必要と考えられた。また、家電リサイクル法では、フロン冷媒の回収が義務化されているが、断熱材中のフロンは義務化されていない。オゾン層の破壊や地球温暖化への影響が大きいので断熱材中のフロンも回収が必要と考えられた。



今後の予定

 テスト対象メーカー及び工業会に対しテスト結果の説明会を実施し、その際に問題点などの改善を要望する。また、行政に対し問題点などについて家電リサイクル法の改正を要望する。



業界の意見 −たしかな目 2002年10月号より−

「エレクトロラックス・ジャパン」

「エレクトロラックス・ジャパン」より

 年間の消費電力量に関して、エレクトロラックス以外の製品は、カタログに掲載されている数値と、国民生活センターが実測した数値が大きく異なっています。そのため、テスト・データを持たない一般の消費者、消費者団体、研究機関、マスコミ等が独自にカタログ・データを基にCO2換算温室効果ガス量を算出しても、実際の値と大きく異なります。今回のテスト・データでNo.1の環境性能と認められたエレクトロラックスのER8503Bもカタログ・データを基にCO2換算温室効果ガス量を計算してみると、テスト機種の中で最悪の数値になります。
 消費電力量のカタログ記載が国民生活センター測定値より40%近く低く記載されている製品もあるようです。この点について、今回のレポートにも「たしかな目」にも記述がなかったことを大変残念に思いました。

エレクトロラックス・ジャパン(株) 家電事業部商品企画課 課長代理 窪井 夏郎

「エレクトロラックス・ジャパン」への商品テスト部の見解

 カタログに記載されている「年間消費電力量」は、「JIS C9801 家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び試験方法」に基づいて測定し、算出されています。JISの測定は、周囲が一定の温湿度条件下で、ドアの開閉を行って消費電力量が測定されています。しかし、今回のテストでは、ドアの開閉とともに使用実態を考慮し冷蔵室や冷凍庫に庫内容量の約20%に相当する負荷を入れたほか、途中で負荷の詰め替えを行うなどJISとは一部異なる方法で実施しました。このため、銘柄にもよりますが、カタログ表示の年間消費電力量とは異なった結果となりました。

「日本電機工業会」より

 「業界へ望むこと」として、「(2)今後、フロン(HFC)冷蔵庫とノンフロン冷蔵庫が混在することとなるので、修理や廃棄するときに問題を生じないよう十分な安全対策を望む」について回答します。日本電機工業会(JEMA)では、今後発生が予想されるノンフロン冷蔵庫の修理・廃棄・リサイクルに関する課題等について、次のように検討しております。

  1. (1)ノンフロン冷蔵庫の流通・修理・廃棄の安全性に関する自主基準を2001年10月に策定しました。この基準は、可燃性ガスの流通・廃棄に関する安全関連法規等の調査内容を基に、安全要求事項として整備したものです。
  2. (2)冷蔵庫リサイクル・ワーキンググループを発足し、ノンフロン冷蔵庫の廃棄・リサイクルの今後の課題等について、安全で経済的な適正処理技術等を検討しています。対応スケジュールは、短期・中期・長期のおのおのについて、冷蔵庫業界で推計した冷蔵庫の廃棄率予測を基に計画しています。
  3. (3)従来型の冷蔵庫とノンフロン冷蔵庫の区別については、一目で区別がつくような品質表示ラベルに関する自主基準を策定しました。この基準は各メーカーにおいて、速やかに適応されていきます。

(社)日本電機工業会 家電部技術第2課 徳井 明




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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