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[2002年3月6日:公表]

花粉やホコリ、ニオイ等の除去をうたった空気清浄機能の効果−エアコンや除湿機などの空気清浄機能を調べる−

実施の理由

 空気清浄機は健康志向の高まりや花粉症等のアレルギー性疾患を背景にして、例年2〜3月をピークに、年間で約100万台(平成12年度)出荷されている。さらに、エアコンや除湿機などにも空気清浄機能を附加し「お部屋の空気を強力清浄!」などを謳って販売されるようになったが、これらの機器は、どの程度の能力を有しているか不明な点も多い。そこで、集じんや脱臭性能等のテストを実施するとともに、性能表示が適切なものとなっているか調べる。また、シックハウスの原因物質のひとつであるホルムアルデヒドの実用的な除去効果も調べる。以上のテストから、性能と表示内容に大きな隔たりなどがないか等について消費者へ情報提供するとともに、問題があれば改善を業界等に要望する。

結果・現状

 集じん性能や脱臭性能は、専用機器である空気清浄機がエアコンや除湿機より高い性能を示した。一方で、除湿機は、「お部屋の空気を強力清浄」などを謳っているものの、粉じん除去率が2%と実用的な効果が乏しく、表示の改善が必要と思われた。脱臭性能は空気中のニオイ成分が除去できても、壁などに吸着したものが除去できないためニオイを取り切ることができなかった。また、タバコの粉じんのように限られた量のものを除去するのであれば効果も期待できるが、常時発生しつづけるホルムアルデヒドのような場合は、機器を運転しても、気中濃度が3〜22%ほど低下しただけで、あまり効果が期待できないものであった。

問題点

 性能表示を調べると、日本電機工業会規格(家庭用空気清浄機)による表示がされていたもののほか、メーカー独自のテスト結果によるものや謳い文句だけで実用的な性能表示がされていないものなどがあり、銘柄やタイプ間の性能の違いを知ることはできなかった。また、除去できる物質の表示は、数多い(5〜10以上)が、除去できない物質として明記されているのは、喫煙などで生じる一酸化炭素だけであった。安全に関わるような身近な「除去できない物質」は、表示が必要なほか、消費者は性能表示を目安に機器を購入するので、空気清浄機能を謳った機器には、統一された規格に基づく性能表示が必要である。

今後の予定

 テスト対象メーカー及び工業会に対しテスト結果の説明会を実施し、その際に問題点などの改善を要望する。

業界の意見 −たしかな目 2002年6月号より−

「東芝キヤリア」より

 商品を市場に導入するにあたり、「室内空気の質を改善する」ことを最優先に商品開発をしてまいりました。エアコンの附加機能である空気清浄機能ですが「単体の空気清浄機に優るとも劣らない本物機能」にするため、空気清浄に関するカタログ表記も単体空気清浄機に準じた表現でユーザーに誤認を与えないよう努めてまいりました。
 今回の結果は、上記弊社商品作りの取り組み内容が「誤っていなかった」ことを理解いただけたものと考えております。空気清浄、脱臭性能の測定は、試験条件あるいはフィルター類の大気放置時間によっても経時変化がありますので、初期状態、メンテ前性能の変化を考慮した測定条件設定を行わねばならず、困難なテストだったと推察します。
 今後、弊社としても経時変化による性能低下を抑え、「いつまでも新品性能」をキーワードに商品開発を推進してまいります。業界に対し指摘いただきました要望を真摯にとらえ、"除去できない物質"の業界に合わせた開示、"除去できない物質"の除去方法などさらなる空気の質改善に努めてまいります。

東芝キヤリア(株) 空調営業部商品企画担当 グループ長 山崎雅也

「(社)日本冷凍空調工業会 除湿機企画専門委員会」より

 このたびのテスト結果について、除湿機業界を代表してコメントいたします。
 除湿機における空気清浄機能はあくまで附加機能です。消費者の皆様にそのことが正しく伝わる表示に努めてまいります。

(社)日本冷凍空調工業会 除湿機企画専門委員会 委員長 藤本勉

「(社)日本冷凍空調工業会 家庭用エアコン企画専門委員会」より

このたびのテスト結果にある「業界への要望」について、家庭用エアコン業界を代表してコメントいたします。

要望1「実用的な集じん性能が期待できないものは、その旨の表示を!」について
表示するにあたっては、消費者の皆様に誤認を与えないように、正しく、必要な情報の提示を常に心がけております。今回のご指摘を機会に業界としても空気清浄機能にかかわる表示について、再点検を実施してまいります。
要望2「商品選択の目安になるような統一した規格・基準に基づいた表示を!」について
現在、家庭用の空気清浄機を評価する公的な基準は、日本電機工業会規格(JEM1467家庭用空気清浄機)しかなく、これはたばこの煙を用いた評価方法になっております。消費者から期待される空気清浄機能は、たばこの煙の除去に限ったものではなく、今回沈降速度が速く捕捉が難しいとされたアレルゲンと言われる花粉などの大粒子径のものについても各社で技術開発を行っております。評価基準についてもあわせて検討を実施しており、規格・基準の拡充によるより質の高い商品情報の提供を目指しております。
要望3「“除去できる物質”のほか”除去できない物質”もカタログ等にわかりやすく表示を!」について
消費者の安全確保に係わる表示は重要な事項であり、除去できない物質の中でも、特に安全にかかわるものについては、注意を払ってまいります。

(社)日本冷凍空調工業会 家庭用エアコン企画専門委員会 委員長 白潟数寛


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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