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[2002年1月16日:公表]

「洗剤ゼロコース」を搭載した全自動洗濯機について
 −消費者の洗濯に関する意識と今後の課題−

実施の理由

 軽い汚れを対象とした「洗剤ゼロコース」を搭載した全自動洗濯機が発売されたが、洗剤を使わないということは画期的で話題となっている。そこで、この洗剤ゼロコースの性能に関して洗浄性能や布傷みなどのテストを実施し情報とする他、消費者の洗濯に関する意識(衣類の汚れ、洗濯の判断基準、使用洗剤量等)をアンケート調査し、併せて洗濯に関する今後の課題としてまとめることとした。



テスト対象銘柄

銘柄名
全自動電気洗濯機 超音波と電解水で洗おう
型式
ASW-ZR700
洗濯容量
7.0kg 洗剤ゼロコース4.0kgまで
製造販売者
三洋電機株式会社
メーカー希望小売価格
118,000円

 <参考品:平成13年7月公表検体>

銘柄名
全自動電気洗濯機 ななめドラムと超音波で洗おう
型式
ASW-EC701
洗濯容量
7.0kg
製造販売者
三洋電機株式会社
メーカー希望小売価格
オープン価格


テスト実施時期

 購入時期:平成13年9月

 テスト期間:平成13年10月〜12月



結果・現状

 「洗剤ゼロコース」は環境を意識していることがうかがわれ、洗濯には無条件に洗剤が必要か否かを問題提起したことは評価できる。消費者のアンケート調査結果では汚れがはっきりと確認できなくても1日きた衣類は汚れがつき、洗濯するという人が8割を超えていた。洗剤ゼロコースの性能は食品のシミ汚れには比較的高い洗浄力であったものの、日々着用した汚れには満足いく洗浄力は得られなかった。また、機械力(注)が強く他のコースと比較して明らかに布を傷める傾向にあった。

 (注)この場合の「機械力」は、洗濯の開始から終了するまでに洗濯物にかかる力を意味する。



問題点

 洗濯をするということに関して「汚れや洗濯頻度についての消費者の意識改革」「満足いく洗浄性能の確保」「洗剤による環境への負荷の低減」等々消費者や業界・行政等社会全体で考えていく必要があるのではないだろうか。



今後の予定

 当該メーカーへは布傷みに関しての改善と消費者に誤解を招かないような適正な表示を要望した。洗剤メーカーへは汚れの程度に対応してなるべく少量の洗剤で洗浄できるような検討を要望した。

 行政には軽い汚れに対する洗浄性能の評価が可能なテスト方法の制定と布傷みに関してのテスト方法についても制定を要望した。



メーカーからの意見 −たしかな目 2002年3月号より− ※2002年2月15日追加

 「洗剤ゼロコース」搭載洗濯機に関する商品テストの結果について、滋賀県の大津市にある、三洋電機ホーム・アプライアンスカンパニー電化事業部でコメントを聞いた。同事業部は琵琶湖にほど近い場所にあり、洗濯機のほか、電子レンジ、水質浄化システムなどの開発・製造を行っている。

 まず、同事業部長の藤田修さんより「このテスト結果については、真しに受けとめていきたい」とのことばがあった。これに引き続き、より具体的な内容について、副事業部長の山本憲二さんより、以下のような説明が行われた。

開発の意図と経緯

 当社では、究極の洗濯機というものは「水・電気・洗剤」の3つを使わない洗濯機であると考えています。それは、環境への負荷を減らすことにもつながります。事業部が琵琶湖のほとりにあることもあって、環境への配慮ということが開発のベースにあるのです。

 この「洗剤ゼロコース」という方式の発想の基になったのは、当事業部で手がけているプールの自動浄化システムでした。これは「電解水」を使って、水質を管理するものなのですが、この原理が洗剤を使わない洗濯機の開発に使えるのではないかということで、「電解水で洗う」洗濯機という考え方が生まれました。

 ただし、これが有効なのは有機物による汚れのみです。そのため、「洗剤ゼロの洗濯機」ではなく、「『洗剤ゼロコース』を搭載しており、洗剤を使った洗濯もできるハイブリッド(=複合機能)洗濯機」としております。また、各メーカーとも洗剤使用の「標準コース」と「軽い汚れコース」がありますが、「洗剤ゼロコース」の洗浄性能は「洗剤を使った軽い汚れコース」と同等の性能を確保することをねらいとして開発を進めました。

 この背景には、国民生活センターのアンケートでも同様の結果が出ていましたが、多くの家庭では洗濯物や汚れの程度によって、分け洗いをしているということがありました。分け洗いは消費者の方々に「手間」ということで負担をかけることになりますが、そうした習慣が定着していることから、こうしたハイブリッド洗濯機が十分活用されるものと考えたのです。このことは、「ご愛用者カード」の回答を見ても、お客様によくご理解いただけているものと考えております。

 今回のテスト結果を見ると、以上に述べたような「環境への配慮」という考え方を高く評価していただき、心強く感じております。また、分け洗いを前提としたコース設定についても、一定のご理解をいただいたものと感じております。

テスト結果について

(1)「汚れ」について

 テストの結果を見ると、「成人男性が1日着た肌着」を「洗剤ゼロコース」で10回洗った結果、首のうしろ側のタグや縫い目に黒ずみが目立っていたとありましたが、これが純粋に汗や皮脂などの「有機物による汚れ」であるかどうかという点について、より詳しく分析する必要があると考えます。

 当社でも、ほぼ同じ条件で試験を行いましたが、「洗剤ゼロコース」と「洗剤を使った軽い汚れコース(当社の性能のねらい)」の間に大きな違いはなく、 10回洗った後も、同様の部分に黒ずみの付着は見られませんでした。モニターの方の生活習慣、さらには日中過ごした場所の環境などによって、付着した汚れには、差があると思われます。

 また、このテストの分析によれば、着用による汚れの蓄積と再付着の可能性を指摘していましたが、汗や皮脂の有機物汚れが蓄積したり、再付着したのであれば、タグや縫い目だけでなく、全体が黄ばんでくるものと考えられます。テスト結果では、全体的な黄ばみについてのご指摘がありませんので、汗や皮脂の有機物汚れの蓄積や再付着とは考えにくいと思います。

(2)布の傷みについて

 「洗剤ゼロコース」による布の傷みが指摘されていますが、この点については、(社)日本電機工業会が定めた重量減量率の基準により判定しています。この基準によれば、タオルを20回洗濯した後の重量減量率は2%以内とされていますが、われわれの試験では、この条件を満たしております。

 テスト結果では、3.2%減という結果が出ていますが、これについても、テスト方法に若干の差異があるように考えます。センターのテストでは新品と20 回目の結果で比較しているとのことですが、工業会の定める測定法では、縫製等での糸くずの付着等による影響を取り除くため、まず5回洗濯を行い、その重量を基準として、その後、20回洗濯して、比較することになっています。

 なお、「洗剤ゼロコース」はお買い求めいただいた約90%のお客様から「満足」との声を頂いています。

 今後とも、商品のレベルアップに向け、まい進してまいります。

商品テスト部の見解

 肌着を10回着用・洗濯の後確認された汚れは着用の繰り返しによって皮膚と接触して付着したものです。また、着用した肌着と同時に未着用の肌着も洗濯しましたが、この未着用の肌着にもタグや縫い目に汚れが見られましたので、今回の汚れは洗濯によってとれ切れなかった汚れの蓄積もしくは汚れの再付着と考えます。

 布の傷みに関しては、今回のテスト方法は、実使用を想定してタオルと肌着によりテストしております。したがって(社)日本電機工業会の方法による判断基準で判断しておりません。また、今回は、重量減量が3.2%であったことよりも、タオルや肌着のループや縫い糸の引きつれがほかの条件より非常に厳しく発生しており、この傷んだ状態によって布傷みを判断しております。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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