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[2001年10月5日:公表]

新しいタイプの電気掃除機の比較テスト結果

実施の理由

 ハイパワーな従来タイプの掃除機に替わり、「排気を出さない(少なくした)排気循環タイプの掃除機」や「充電池内臓で電源コードが不要なコードレスタイプ」、「紙パックを使用しないタイプ」など種々の新しいタイプの掃除機が発売された。
 「排気の有無やきれいさ」、「充電時間や掃除ができる時間」など、各タイプの特徴的な部分のテストを実施するとともに、基本的なごみの除去性能や、騒音、消費電力、使用性などがハイパワーの従来タイプ(1000W)と比べてどのように違うのか、また、タイプ間でどのように異なるのか調べ、消費者に情報を提供することとした。



結果・現状

 じゅうたんや板床のごみ除去能力は、タイプ間の差は少なく、銘柄間の差があった。しかし、溝の砂ごみの除去能力では、排気循環タイプやコードレスタイプ、紙パック不要タイプが、ハイパワー(1000W)の従来タイプより小さい傾向にあった。また、排気は、排気循環タイプなどが比較的きれいであった。しかし、試験用ダストで排気や本体がかなり汚れ、やや問題と思われる銘柄があった。
 その他、コードレスタイプの充電時間や掃除可能時間は、銘柄間でかなりの差があった。掃除のしやすさや持ち運びなどは、コードレスで軽量なものの評価が高かったが、大きく・重いものは評価が低かった。一部の銘柄を除き、コードレスタイプや紙不要タイプ、小型・軽量タイプは、紙パックやダストケースの容量が、排気循環タイプや従来タイプの約半分の大きさであった。



問題点

 粒径5μmの試験用ダストを吸わせたとき、排気や本体各部がダストでかなり汚れたものがあったほか、ごみパックケースの取っ手を本体の取っ手と間違って握り、本体を落下させてしまう銘柄があったので、改善が必要と思われた。



今後の予定

 テスト対象メーカー及び工業会に対しテスト結果の説明会を実施し、その際に問題点などの改善を要望する。また、コードレスタイプなどは、紙パックの容量が従来タイプの約半分の大きさになるなど、各社とも専用のものをそれぞれ販売している。銘柄やメーカー、新旧の違いなどで紙パックが異なり使えないということがないよう、紙パックの規格が統一され、共通して使用できるよう要望する。



業界の意見−たしかな目 2002年1月号より− ※2001年12月5日追加

「シャープ」

「シャープ」より

  1. (1)測定方法について
     JIS C 9802(家庭用掃除機の性能測定方法)に基づき、掃除機本体を試験用フードに入れ排気粉塵を測定されていますが、ホースや吸い込み口から少量ですが、排気を漏らしている排気循環式の測定には、不向きと推察いたします。
  2. (2)測定結果の評価について
     5μm以上の粒子数で評価されていますが、一般の人に誤解を与えやすいため、捕塵率表現が適切と思われます。

シャープ(株) ランドリーシステム事業部 第2技術部 長井 淨

「シャープ」への商品テスト部の見解

  1. (1)排気循環式は、フィルターで浄化された少量の排気がホースジョイント部などから漏れており、JISの試験方法では測定しきれないところがありました。排気循環式のような新しい機構の掃除機などにも対処できる試験方法が、JISの見直しも含め検討される必要があると考えます。
  2. (2)捕塵率を算出するためには、風量と排気中の粉塵重量濃度からダスト重量を算出し、吸わせたダスト量がどの程度捕集されたか求めなければなりません。しかし、排気循環式などのように特殊な機構の掃除機は風量の測定などができないため、捕塵率を算出できません。

「東芝」

「東芝」より

  1. (1)試験全般について
     今回の試験の、いろいろなタイプの掃除機の特長を比較評価し、消費者が機種を選択する際の参考とするという趣旨はわかりますが、まったく異なるタイプの試験結果をABC評価するのは無理があるのではないでしょうか?また、「一目でわかるテスト結果」の各機種に対する評価も欠点探しのように見受けられ残念です。
  2. (2)排気に対する改善要望について
     ご指摘をいただいた機種につきましては、現行機種では排気口に「ヘパクリーンフィルター」を装着し排気クリーン度の向上を図っております。
     しかしながら、採用されている排気試験の方法については、特定の方式に有利、不利が出る可能性があり、当該試験の結果のみをもって排気の清潔さを判断するのはいかがなものかと考えます。
    1. 1)結果の表現方法について
       吸わせた量は2g/分と量で表現されているのに、漏れの方は粒子個数で表現されています。これでは、どの程度捕集できたのかという点が消費者に伝わらないと考えます。
    2. 2)試験用ダストの大きさについて
       粒径5μmのごみでの試験結果のみで排気の清潔さを評価されていますが、さらに小さな粒子径の試験もされた方がよいのではないでしょうか?
       排気循環式は、このようなフィルターで捕獲できる粒径のごみよりも、はるかに小さなごみまでも排気に出さないのが特長であり、この点に触れていただかないと、同タイプのよさは消費者に伝わらないと思います。
    3. 3)ダストの量について
       今回のテストの塵埃量(2g/分)は、一般的な家庭のごみの量からすると、相当長期間のごみ量にあたります。また粉ごみだけを吸いつづける試験は、一般的な使用方法とは隔たりがあります。機種によっては過負荷な状態の試験であり、実使用での漏れとは必ずしも一致しないと考えます。
    4. 4)試験方法について
       本体以外から排気をしている機種もありますので、本体からの排気のみではなく、クリーナー全体からの排気で比較しないと実使用上の清潔さの比較にはならないと考えます。

(株)東芝 リビングソリューション部 企画担当課長 原山 照平

「東芝」への商品テスト部の見解

  1. (1)について
     今回テストした銘柄は、これまでの掃除機に無かった新しい構造、機構になっていますが、掃除機に求められる「ごみの掃除(ごみの除去性能)」や「ダストを出さない(排気のきれいさ)」という基本的な性能は、商品のコンセプトにかかわらずその違いが第一に消費者に知らされるべき重要な情報と考えました。そこで、基本的な性能については相対的な違いがわかりやすいようABCのランク評価を行いました。
     なお、掃除機の商品コンセプトが先行して情報提供されると、「思ったほどごみが取れない」、「掃除時間が短い」などのように、消費者との行き違いを招く恐れがあります。
     「一目でわかるテスト結果」については、各テスト項目の結果を簡潔にまとめることを目的として記載しました。
  2. (2)について
    1. 1)「排気のきれいさ」という視点で排気中の粒子数を調べましたが、排気のきれいなものはダストを捕集する割合が高いものと推察されます。
    2. 2)色々な大きさの粒径で測定すると、より銘柄の特徴が出ることも考えられますが、今回はJISのダスト粒径で排気中の粒子数を測定しました。
    3. 3)吸わせたダスト量は多めの量となっていますが、長期間にわたってダストを吸ったケースも考慮してテストを実施しました。なお、過負荷のような状況は観察されず、異常を生じた掃除機もありませんでした。
    4. 4)シャープへの見解の項を参照下さい。

「三菱」

「三菱」より

  1. (1)ABCランク評価について
     コンセプトの異なる商品のテスト結果を一律にABC評価するのは情報提供として正しいやり方ではないと思われます。各測定データを一元的にとらえ単に水準比較によってABC評価するのではなく各商品の訴求ポイント・特長と比較検証した上でおのおの機能・性能について評価した方がより消費者サイドに立った内容になるのではと考えます。
  2. (2)モニターテストから
    1. 1)各商品に対するコメントに偏りが見られる。各商品の代表的意見のみ発表とのことでありますが、各商品の特長に基づき何らかの意見が少数であったとしても極めて重要な内容であり、多い少ないに関わらず発表していただきたいと考えます。
    2. 2)モニターテストで「ノズルが本体に収納できない」とのコメントされた商品もありますが、ノズルの大きさ、形態は各商品のコンセプト、使用目的により異なっております。各ノズルのゴミ吸い取り性能・用途範囲など多面的な評価を踏まえた上で本体に収納できる、できないの評価をしていただきたいと考えます。
    3. 3)排気塵測定方法

今回採用のテスト方法(JIS C 9802)は排気塵を重量濃度で現すものであり、パーティクルカウンターによる測定値は風量による影響があり正しい測定方法ではないと考えます。

三菱電機ホーム機器(株) 電化技術部電化技術部次長 後藤 完二

「三菱」への商品テスト部の見解

  1. (1)について
     東芝への見解の項を参照ください。
  2. (2)について
    1. 1)使用性のモニターテス結果は、「使いやすい点」、「使いにくい点」として評価が多かったものを記載しましたが、少数意見の中にも重要なものがある場合も考えられます。今後、少数意見の発表も検討したいと思います。
    2. 2)今回のモニターテストは、付属ノズルの収納性・携帯性について実施しましたが、ノズルのごみの吸い取り性能などについては行っていません。今後、ご指摘の点を考慮してテストを実施したいと思います。
    3. 3)JIS C 9802では、掃除機の風量の測定や、排気中に含まれるダスト数のパーティクルカウンターによる計測などにより、粉塵濃度(重量濃度)を求めます。しかし、排気循環式のように機構上、風量の測定が難しいなど、JISに定める手法でできないものがありました。そこで、通常の掃除を行う状態を想定し、掃除機の風量と関係なく一定量のダストを吸わせたときの排気中の粒子数を計測し、相対的な排気のきれいさを調べました。

「日本電気工業会」

「日本電気工業会」より

  1. (1)相対評価について
     今回買い上げられた製品は、評価表でもおわかりのとおり、タイプの異なる製品(商品コンセプトが異なる商品)を試験されておりますので、それらを相対評価をし、ABCを付すことは、消費者に対して正しい情報提供とはいえないのではないでしょうか?
  2. (2)使用性(モニターテスト)
     使用性については、今回は同じタイプの製品の横並び評価ではないので、どんな年齢層の方がどのような商品に関心が高いのか、どのような要求があったのかということが貴重な情報であると認識しております。コメント数が少ないからといって省略するのではなく、少数意見であっても今後の商品設計に役立つ内容が必ずあると思いますので、モニター結果については詳細なコメントまたはデータをご開示いただきたいと思います。

(株)日本電気工業会 家電部長 高野 信一

「日本電気工業会」への商品テスト部の見解

  1. (1)東芝への見解の項を参照ください。
  2. (2)三菱への見解の項を参照ください。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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