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[2001年8月30日:公表]

清涼飲料と誤認されやすい「低アルコール飲料」について

 近年、果汁や炭酸入りのサワー、チューハイなどと称するいわゆる「低アルコール飲料」が販売され、各メーカーから多種多様な商品が出ている。しかし、清涼飲料と間違えるような容器の外観が多く、国民生活センター危害情報システムには、「清涼飲料と見間違えるような表示は改めてほしい」、「子どもがジュースと思って低アルコール飲料を飲んでしまい、体の調子が悪くなった」などの情報が寄せられている。被害は、いずれも子どもか高齢者に起きている。

 当センターでは、1995年8月に、「70歳代の男性が清涼飲料と見間違えてアルコール飲料を飲み、急性アルコール中毒で入院した」などという情報を受け、注意を呼びかける情報を公表したが、その後も同様の危害情報が報告される一方、同種の商品の種類、出荷数量は年々増加の傾向にある。

 そこで、被害の実例を紹介し、事故の未然防止、拡大防止のため、業界に表示等について検討するよう要望することとした。


低アルコール飲料とは

 アルコール度数、原料など法的に特に規定された定義はないが、一般的にアルコール度数9度未満の果汁や炭酸入りの「チューハイ」などと呼ばれるリキュール類、甘味果実酒などを指す。折からの低アルコール飲料ブームを受け、販売量は年々増加し、日本洋酒酒造組合によると、2000年(1月〜12 月)の低アルコール飲料の出荷数量は、約32万5千キロリットル、他の酒類の多くが伸び悩んでいる中で、前年比は112.3%と伸びているという。容器の形態としては、従来からある缶やビンに加え、最近では、ペットボトル入りのものも出てきた。



危害の概要

 国民生活センターには、いわゆる低アルコール飲料と清涼飲料を間違えて飲んだ、あるいは購入したという情報は1993年度〜現在までに13件寄せられている。そのうち、身体に何らかの被害を受けたという危害情報は8件あり、被害者は子どもと高齢者である。

  1. 事例1:コンビニエンスストアで缶入りのサワーを購入。事務所の冷蔵庫に入れっぱなしにしたまま忘れていた。ある時、事務所のスタッフが清涼飲料と間違えて飲み干してしまった。幸い、酒が飲める体質だったので笑い話で済んだが、近ごろ清涼飲料と紛らわしい低アルコール飲料が多いと思う。問題ではないか。家庭の冷蔵庫に入っていたら間違えて子どもも飲んでしまう。(2001年)
  2. 事例2:夫が新製品の缶入りチューハイを購入し、同僚に「お土産」と渡したら、ジュースと間違えて運転中に飲みそうになった。酒だと教えて飲まずに済んだが、運転中に飲んでいたらと思うとぞっとする。紛らわしいアルコール飲料が増え種類の多さにあきれる。CMを見ない人や子どもには誤飲の危険がある。紛らわしいものを作らないでほしい。(2001年)
  3. 事例3:風呂上がり、祖母が孫にジュースと誤って缶入りチューハイを100ミリリットルほど飲ませた。点滴を打って治療した。(2000年・3歳・女児)
  4. 事例4:母親が兄を幼稚園に送っていっている間に祖母がジュースと間違えて低アルコール飲料を飲ませてしまい、中毒症状になった。(1999年・1歳・男児)
  5. 事例5:ジュースと思って3歳の子どもが飲んだところ、アルコール飲料だった。夫が買ってきていた缶入り飲料である。「しぶい」と言って飲むのを途中でやめた。缶をよく見ると小さな文字でアルコール等の表示がある。もっと大きく「酒」と表示すべきではないか。(1997年)
  6. 事例6:中学生の息子がアルコール飲料をジュースと思って購入した。表示、販売のしかたを改めてほしい。知らずに飲めば危険である。(1997年)
  7. 事例7:子どもがジュースと間違えて缶入りチューハイを飲んでしまった。ふだんから同じメーカーのジュースをよく飲んでいたため、たまたま頂き物で置いてあった缶入りチューハイを識別できずに飲んでしまったらしい。祖母がプルトップを開けたが、アルコール飲料とは判断できなかった。病院へ行って治療を受けた。(1996年・3歳・女児)


問題点

  1. 1) 被害は、特に子どもや高齢者など危険回避能力に劣る層に起きている。飲む量によっては、深刻な事故につながるおそれがある。
  2. 2) 国税庁では酒類小売業者に対して、酒類と清涼飲料とを分離陳列するよう指導している。しかし、13件中8件は家庭の冷蔵庫等に入れてあったものを清涼飲料と間違えて飲んだケースである。
  3. 3) 同一メーカーからパッケージ等が類似した低アルコール飲料と清涼飲料が販売されているものがあるので、両者を混同しやすい。
  4. 4) 容器の外観を見ると、果物の図柄などが大きく表示され、色調も明るいものが多く、一見しただけでは酒という認識を消費者に抱かせないものが多い。また、ネーミングも「サワー」、「チューハイ」、「CHU−HI」など大人には理解できても子どもや高齢者がはたして「酒」という認識をするか疑問が残るものがある。
  5. 5) 業界団体である日本洋酒酒造組合では、2000年5月に清涼飲料と誤認されないよう、果汁や炭酸入りの低アルコール飲料の容器または包装の表示について「低アルコール度リキュール類等の酒マークの表示等に関する自主基準」を定め、「お酒」マークの表示方法や容器の色彩、絵柄等に配慮することなどを規定した。同年6月より実施されている。
    国民生活センターで低アルコール飲料を無作為に購入したところ、「お酒」マークについては、表示されていないものがあった。(注)
    一方、「お酒」マークが表示されているものについても、マーク自体が小さい、地色と同色で目立たないものがあるなど注意表示としての役割は十分でないと考えられる。
    注:2001年8月にスーパーマーケット、コンビニエンスストア、酒店で33銘柄を購入した。「お酒」マークについては4銘柄に表示がなかった。


業界への要望

 清涼飲料と間違えて低アルコール飲料を飲む事故が起きているので、低アルコール飲料は、清涼飲料と紛らわしい表現を避け、だれにでも一見して「お酒」であることがわかるような表示やデザイン、容器にするよう改善を望む。




本件連絡先 消費者情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。


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