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[2001年7月18日:公表]

チャイルドシートの比較テスト結果

実施の理由

 道路交通法が改正され、平成12年4月1日から6歳未満の年少者を乗車させる場合にはチャイルドシートの装着が義務化された。それにともない、チャイルドシートの出荷台数が急増している。一方、国土交通省のチャイルドシートの基準も改正された。そのため現在は市場に新旧の基準適合品が混在している。また、低価格の商品から高価格の商品まで価格帯も広い。  そこで、旧基準適合品4銘柄、新基準適合品4銘柄のチャイルドシートについて、安全性、使用性、価格の違いなどを調べ、消費者へ商品選択に役立つ情報を提供する。



結果・現状

  1. 安全性に関する性能は銘柄により差があった
    (1)国土交通省の旧基準を準用した動的試験では、国土交通省が規定する判定基準を5%以上上回るなど、基準に対し余裕が認められない銘柄があった
    (2)新基準を準用した動的試験では、旧基準適合品よりも新基準適合品のほうが基準に対し余裕が認められた。ただし、新基準適合品でも国土交通省が規定する判定基準の±5%以内の値を示すなど、基準に対し余裕が小さい銘柄もあった
  2. 2点固定式よりも3点固定式のほうが優れていた
  3. 価格と安全性は比例しなかった
  4. 2点固定式よりも3点固定式のほうが簡単に車のシートへ装着ができ、ISO-FIX方式がより確実な装着が可能であった


問題点

  1. 基準適合品にもかかわらず性能に差があった
  2. 今後製作される商品は早急に新基準適合品に統一されるべきである
  3. 型式認定または型式指定取得製品に対するその後の監視システムが不十分である
  4. 型式指定マークからは新基準適合品と旧基準適合品の区別が不可能である
  5. 普及が望まれるISO-FIX方式の商品は装着できる車両が指定されてしまっている


今後の予定

  • 問題点1、2に関しては、業界説明時に業界へ要望する
  • 問題点3、4、5に関しては、改善を要望する


業界の意見 −たしかな目 2001年11月号より− ※2001年10月5日追加

「アップリカ葛西」

「アップリカ葛西」より

 今回のチャイルドシートの比較テストは、安全性、使用性、価格をそれぞれ評価し、消費者の商品選択に役立つ情報の提供を目的としているとの由です。それぞれの性能および価格につき、独自の評価をなし、広く消費者に情報を提供するとの事であります。
 しかし、未熟な乳幼児の使用も予定されるチャイルドシートの安全性は、衝突時の安全性のみで評価されるべきではなく、身体の生理的な未熟性も踏まえた上で評価すべきだと考えております。また、衝突事故時、年少者の車外放出を防止する、衝撃を強い部分で受け止める、車室内の突起物や同乗者などへの衝突を防止する、さらに、急ブレーキやカーブでの車内転倒事故の防止など、事故時の被害を軽減して年少者の安全を確保するチャイルドシートの役割について消費者の皆様に認識していただけるような情報の提供が必要だと考えております。
 女性モニターによる使用性の評価、取扱説明書の評価については、弊社としても非常に参考になり、今後のチャイルドシートの開発の参考にさせていただきます。
 特に、消費者に情報提供される貴センターにおいては、使用車種が1車種だけではなく、セダン、ワゴン等さまざまな車種を対象にし、使用性に重点をおいた評価にしていただければ消費者にとっても、われわれメーカーにとっても、さらに有益な情報となったのではないでしょうか。
 なお、今般の比較テストは、基準の過渡期に、旧基準品と新基準品を比較検討されておりますが、このような情報では、すでに旧基準品を使用している消費者に不安を与えるおそれがあると思われます。基準によって評価が異なるのと同様に、事故の形態によっても評価は異なるものであり、今回のような前面衝突に限定した動的試験であれば同一基準製品の比較のほうが適切ではなかったかと考えております。
 最後に、この比較テストには貴センターより業界への要望も掲載されておりますが、評価に対する見解は別として、できる限り対応していくように努力してまいります。また、比較テストにおいて評価対象となった製品については、報告書にも記載していただいているとおり、弊社はすでに品質管理体制の見直しも含め、消費者に対しても自主的に対応しているところであります。今回の比較テストの報告が、対応が完了されていない消費者への注意喚起になるのではないかと期待している次第であります。このため、弊社といたしましては、今般の比較テストに対しては特別な処置は考慮しておりません。

アップリカ葛西(株) 開発部部長/前田利彦

「アップリカ葛西」への商品テスト部の見解

  1. (1)モニターテストの使用車種について
     使用性、特に装着性についてはさまざまな車種でテストを実施するのが理想的ですが、多数の車種に装着することは、モニターの拘束時間等の関係から現実的ではありません。そのため、今回はチャイルドシートを利用する消費者に人気があると思われるミニバンタイプの乗用車1車種(ISO−FIX対応)でテストを実施し、使用性の銘柄間における違いを調べました。なお、全銘柄ともこの車種に装着が可能であることは事前に確認いたしました。
  2. (2)新基準適合品と旧基準適合品をテストした理由について
     現在、新基準適合品と旧基準適合品が混在して販売されていますが、その違いについての情報がほとんどありません。消費者へ商品選択に役立つ情報を提供するため、今回は新基準適合品と旧基準適合品の性能の違いを調べました。旧基準適合品も含め、すでにチャイルドシートを使用している消費者に対しては、「消費者へのアドバイス 使用するとき」に記載してあるとおり、(1)“しっかり”と装着する。(2)タング部分のやけどに注意。(3)車内に子どもだけを残さない。との情報を提供いたしました。
    「マシュマロサブ」シリーズに関する部品交換処置の消費者への周知徹底については、今後もよりいっそうの努力を期待します。

「コンビ」

「コンビ」より

 弊社といたしましては、今回の商品テストは、より安全なチャイルドシートの普及に有意義な試みとして受け止めております。その上で下記3点に関し、弊社意見を記させていただきます。

  1. (1)機種選定根拠が不明
     一般的に、商品テストを行う場合には市場の流通量等を参考に機種選定が行われますが、今回のテストにおいては、機種選定の根拠が明記されておらず、客観性に疑問が残ります。
  2. (2)消費者への情報不足
     消費者が強く欲している情報の1つに、ベッド型とイス型、および、着衣型とシェル型の比較があります。この2点は、チャイルドシートのテストを行う上で不可欠と思われます。今回のテストで、ベッド型と着衣型のテストを行わなかったのはなぜでしょうか。
  3. (3)詳細な試験条件の説明不足
     貴センターからのメーカーヘの説明会では、今回の試験条件は国土交通省の型式認定(指定)試験とイコールではないとの説明がありました。また、「国土交通省も、今回のテストは、試験条件が異なっていると反論している」との報道もあります。
     しかし、紙面では「準用した」との表記のみで、加速度波形等の詳細条件が記されておらず、読者および、他の報道機関に対し、あたかも「国の基準を満たさない欠陥商品があった」との誤解を与えており、消費者に不要な混乱を生じさせております。
     今後、同種のテストの際は、細心の注意と適切な紙面表現にご配慮いただきたいと存じます。

コンビ(株) 開発企画部/小林公一

「コンビ」への商品テスト部の見解

  1. (1)について
     テスト対象銘柄は、「店頭でよく見かける」、「カタログで大きく取り扱っている」等の中から、適合している基準、価格、固定方式の異なる商品をそろえるよう考慮し、銘柄を選定しました。貴社の「プリムターン」シリーズは店頭で見かける機会が多いことから選定の対象としました。
  2. (2)について
     チャイルドシートは前向きで使用する期間が最も長いため、今回のテストでは前向き装着時の安全性について調べました。そのため、ベッド型とイス型の安全性の違いについては検証しませんでした。また、テストできる銘柄数には限度があるため、今回は販売されている銘柄数が多いと判断されたシェル型のチャイルドシートのみの比較テストとしました。
  3. (3)について
     今回テストを実施した条件は一般に公開されている型式認定(指定)基準で示されている許容範囲を満たしておりますが、国土交通省が試験を実施した時の個々の製品の加速度波形やチャイルドシートに乗せたダミーの種類等のデータが公開されていないため、同一条件のテストは実施できませんでした。このため、基準への適合・不適合の判定はしておりません。国土交通省の試験と一部試験条件が異なっている点については、評価表2の囲み中に記載しております。加えて、「たしかな目」に波形を掲載することは専門性が高く、誌面の記事としてなじみにくいと考えて割愛しました。

「東海理化」

「東海理化」より

 シートベルトやエアバッグなど自動車用乗員保護装置の総合メーカーである弊社は、チャイルドシートについても開発品、試作品のみならず量産品を対象として、自社の衝突試験設備で定期的な評価を行い、国土交通省の基準内であることを確認しています。
 今回のテスト結果にある頭部移動量が基準値をオーバーしている点につきましては、動的試験の測定方法の違いによるものと認識しております。
 また、使用性の点で「操作手順が多すぎる」「取扱説明書がわかりにくい」など、頂いたご意見・結果につきましては、今後の課題の1つとして検討していきたいと思います。

(株)東海理化 総務部 広報室室長/渡辺一郎

「東海理化」への商品テスト部の見解

 前述したとおり、今回のテストでは基準への適合・不適合の判定はしておりません。頭部移動量は車載カメラ(高速度カメラが試験用台車と一体になって移動する)を用いる方法で測定しました。この測定方法は国土交通省の試験でも用いられています。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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