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[2001年6月6日:公表]

スプレータイプの消臭剤の商品テスト結果

実施の理由

 清潔志向の高まり等からか、「生活空間におけるニオイ」に敏感になっている人が多くなり、従来からの据置タイプに加えて、最近は短時間で集中的に効果のある、エアゾールタイプ等のスプレータイプの消臭剤が広く販売されてきている。しかし、消臭剤については消臭効果や周辺環境に及ぼす作用など、商品を選択し使用する上での情報が少ない。また、最近、シックハウス症候群など室内空気汚染物質によるものと思われる疾患が増加しているが、家庭内で使用される消臭剤などと室内の空気汚染に、どのような関係があるのかあまり知られていない。

 そこで、スプレータイプの消臭剤について、悪臭成分の減少率、感覚的な消臭効果、総揮発性有機化合物(TVOC)量等について調べ、消費者が商品を購入、使用する際に参考となる情報を提供することとした。



結果・現状

 アンケート調査の結果では、9割以上の人が日常生活でニオイが気になる経験をしており、8割の人は消臭剤等の利用経験があった。消臭効果の結果では、商品の香りが強いと悪臭成分がにおいにくくなり、結果的に消臭効果が高いということが分かった。環境性では、身体への直接的影響や毒性という観点ではなく「室内空気の質の目安」という観点で厚生労働省から総揮発性有機化合物(TVOC)量の暫定目標値が出されている(400μg/m3)。消臭剤を6畳間で使用目安量を使用すると、4/5の銘柄でこの暫定目標値を超えており、換気をしないと、30分経過しても室内におけるTVOC量は暫定目標値を超えるものが多かった。安全性では、肺への吸入性という観点からスプレーの粒子の大きさ(平均粒子径)を調べたが、肺への吸入性があるといわれている平均粒子径の小さい銘柄がエアゾールタイプに見られた。一方、ポンプタイプは平均粒子径が100μm以上で、肺へ吸入される可能性は低く、引火性の点からも安全性が高い商品であった。



問題点

 使う場所や効果のあるニオイなどの用途表示が見られたが、表示のあった用途に対して特異的に消臭効果が高いということはなく、消臭効果等の改善及び用途表示の見直しをしてほしい。空気自体をきれいにするとも受け取れる表現が見られたものもあり、消費者に誤解を招くと思われる恐れがあるため表示の改正及び見直しをしてほしい。消臭剤のような室内で使用する家庭用品に関しても室内環境汚染物質の一つであるので、早急に何らかの基準作りをしてほしい。



今後の予定

 テスト対象メーカーにテスト結果の説明会を実施し、その際に改善点などについて要望する。



業界の意見 −たしかな目 2001年9月号より− ※2001年8月7日追加

「花王」

「花王」より

 「スプレータイプの消臭剤の商品テスト」の内容に関する弊社の意見(質問)

  1. 1.エアゾールタイプの引火性については、ご指摘のとおり高圧ガス保安法の火延長試験ではポテンシャルが認められますが、通常の使用方法で引火する危険性があるわけではないので、雑誌に記載された「引火の危険性が高かった」という表現は、消費者に必要以上の懸念を与える可能性があると思われます。
  2. 2.弊社製品「WiLL空気を洗うミスト(以下、WiLL)」の「空気中に浮遊するニオイの微粒子そのものを消し去ります」という表現に対して不適切であるという指摘を受けていますが、弊社では空気中の微細なほこりに悪臭分子が付着しており、その微細なほこりをミストで空気中から除去することにより消臭できると考えています。
  3. 3.弊社製品「WiLL」を使用した際に、カーテンが硬化したと記載されていますが、弊社は対象物に対する損傷性について十分試験を実施しており、通常の使用方法では問題ないことを確認しています。雑誌に記載された表現は、消費者に必要以上の懸念を与える可能性があると思われます。
  4. 4.「スプレータイプの消臭剤の商品テスト結果」の感覚的においの残留強度について、感覚的消臭効果を7段階評価にて試験をしているが、6段階臭気強度表示法を用いなかった理由は何でしょうか?

花王(株) ハウスホールド事業本部商品開発部 商品開発マネージャー 齋藤幸三

「花王」への商品テスト部の見解

  1. 1.スプレータイプの消臭剤の引火性に関して、注意喚起をする意味で、火延長試験を参考に試験を行いました。この方法により引火が認められたものは相対的に危険性が高いと考えます。
  2. 2.消臭剤を噴霧すると室内の総揮発性有機化合物(TVOC)量は増えました。今回の結果から、消臭剤中のにおいの成分等、その他の化学物質が噴霧によって空気中に増加したと考えます。よって、今回指摘したような表現は消費者にとって誤解を招くおそれがあると思われます。
  3. 3.室内の物への影響に関するテストは、比較的厳しい条件を想定し、通常の使用より短い間隔でテストを行いました。しかし、影響が見られたものについては消費者が利用する上で注意をする必要があるものと考えます。
  4. 4.感覚的消臭効果をより判断しやすくするため、各においの初期強度を比較的強い強度に設定しました。その結果、通常の6段階臭気強度表示法の最も強い強度(強烈なにおい)のうえに「耐えられないほどにおう」を加え、7段階となりました。

「小林製薬」

「小林製薬」より

 2001年7月号の「たしかな目」に掲載されたテスト結果について、下記のとおり意見をいたします。

  1. 1.テスト対象銘柄の紹介について
     8ページに紹介されております弊社製品「トイレその後に」と「無香空間スプレー(タバコ用)」につきましては、無香タイプであることがわかるよう「トイレその後に(無香料)」「無香空間スプレー タバコのにおい消し(無香タイプ)」と表記していただきますようお願い申し上げます。他社製品ではそのように表記されております。
  2. 2.消臭性能について
     実際の家庭内に存在する臭気は複合臭であり、各家庭によりその臭いの種類、濃度、原因などはさまざまです。また、消費者のニーズも嫌なにおいだけを消臭したい場合や、嫌なにおいを消臭してほのかに芳香させたい場合や、積極的に芳香させたい場合、特定のにおいだけを消臭したい場合など実にさまざまです。
     弊社におきましては、これらニーズの多様化に対応し、香りのまったくない製品や微香タイプの製品、使用場面や用途をセグメントした製品などさまざまな製品を上市してそのニーズに対応しております。
     このような理由から消臭性能の確認試験も製品のコンセプトに応じて機器による試験、官能試験、実使用モニターなどさまざまな角度から試験・評価を行っております。特に機器による試験や、官能試験による場合は実使用場面を想定して対象悪臭を設定し、さまざまな濃度において消臭効果を確認するようにしております。
  3. 3.安全性について
     製品の安全性については芳香消臭脱臭剤協議会の自主の基準、厚生労働省の「芳香 消臭 脱臭 防臭剤 安全確保マニュアル作成の手引き」を遵守し、製品化しております。
     スプレータイプの製品につきましては動物を用いた経口毒性試験、皮膚一次刺激性試験、眼粘膜刺激性試験のほか、粒子径を考慮し、必要に応じて吸入毒性試験を実施して総合的な毒性の評価を行っております。

小林製薬(株) 企画広報グループ課長 長野弘之

「小林製薬」への商品テスト部の見解

 テスト対象銘柄名については、全体的に銘柄名とうたい文句の違いが判断しにくいものでした。そこで、今回の銘柄名は商品の裏面において、明らかに銘柄名と受け取れる名称に続いて記載されている語句までを、銘柄名と決めました。

「フマキラー」

「フマキラー」より

 弊社の製品に関してご指摘のありました件につき、以下のとおりご報告いたします。  弊社の「キッチン用アルコール除菌・消臭スプレー」の製造状況について調査しましたところ、平成9年8月1日に最終の製造をしております。

 高圧ガス保安法に係る表示の変更は平成9年9月17日に施行されており、弊社もその他のエアゾール製剤と同時に表示の変更作業に着手しました。

 「キッチン用アルコール除菌・消臭スプレー」も版下までの作業を完了し、次回の製造に備えていたのですが、その後の商品の売れ行きが悪く、製造されないままになってしまいました。

 法が施行される以前に製造されたものとは言いながら、今まで市場に残っていたことに関しては、たいへん申し訳なく思っています。

 工場にも在庫が若干数だけ残っていましたが、すぐに廃棄処分とするように手配いたしました。

 今後はこのような法改正に伴う表示変更があったものについて、新規製造品はもとより、特に既製造品の取り扱いに関して、十分に注意するよう徹底いたします。

 ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

フマキラー(株) 開発本部 本部長 村上幸雄

「芳香消臭脱臭剤協議会」

「芳香消臭脱臭剤協議会」より

 今回の商品テスト実施に当たり芳香消臭脱臭剤協議会の効力試験方法を参考にしていただき、当協議会の活動にご理解をいただいていること感謝申し上げます。
 さて、このたび「スプレータイプの消臭剤の商品テスト結果」、『たしかな目』誌7月号「商品テスト−スプレータイプの消臭剤」でのご指摘事項等につきまして、当協議会としての考えを述べさせていただきます。

  1. 1.表示事項に関して
     当協議会では表示事項や表現に関して自主基準を定め、各社でその基準に沿って表示いただいています。また、随時市販品を購入して不適表現集を作成し配布する活動を行っております。今回要望のありました、用途別表示の見直しや、消費者にとってよりよい表示への改善に対しましては、当協議会会員各社により適切な表示を行うよう徹底するとともに、今後、成分表示のあり方も含めて表示・表現に関する基準を随時見直してゆきたいと考えております。
  2. 2.「除菌」に関して
     「除菌」は当協議会が対象とする効果ではないので基準は定めておりません。しかし最近「除菌」を標ぼうする商品が散見されるため、抗菌製品技術協議会の基準などを会員各社に配布し、「除菌」を標ぼうする場合には各社で効果の裏付けを取るよう指導しております。
  3. 3.安全性確保に関して
     安全性の確保に関しては厚生労働省(旧厚生省)の呼びかけに応じ、専門家の先生方を含めた検討委員会に参加して「芳香 消臭 脱臭 防臭剤 安全確保マニュアル作成の手引き」を作成しました。この手引きは安全な製品を作るためのマニュアル作成の指針を示したもので、すでに会員各社に配布し利用していただいております。スプレー剤においては噴霧粒子径などを考慮し、必要に応じて安全性試験を行い安全性を確保するよう徹底しております。
  4. 4.試験方法に関して
     試験方法に関しては、会員各社で実施できるよう一般的な試験方法を定めておりますが、臭気の選定や濃度の設定、試験結果と実際の効果の相関性など、今後さらに検討する課題が残っております。この点につきましては順次見直しを行いより適切な試験方法を制定してゆきたいと考えております。
  5. 5.TVOC暫定目標値について
     厚生労働省のTVOC暫定目標値の取り扱いについては依然不透明な部分が多く、現時点では情報収集に努めている状況です。芳香・消臭剤に限らずVOCを含む家庭用品が快適な生活に寄与していることも事実です。快適性と安全性を考慮しつつ適正な使用を啓発してゆきたいと考えております。

 当協議会では自主基準を制定し、安全性・有効性・安定性を確保するとともに適切な表示を行うよう会員各社に指導を行っておりますが、会員外の商品に関しましては対応できていない状況にあります。今後、会員外企業に対する入会勧誘も積極的に行い、また当協議会の趣旨を内外に広げる活動を通じて、業界の健全なる発展を目指してまいります。

芳香消臭脱臭剤協議会 代表 辻野隆志

「芳香消臭脱臭剤協議会」への商品テスト部の見解

 消臭剤は室内で使用する商品であることを考えれば、総揮発性有機化合物(TVOC)量をはじめとした、室内の空気の質を考えるべきものと考えます。環境性や表示等、消費者にとってよりよい商品となるよう、今後の発展を期待します。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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