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[2000年8月4日:公表]

介護用衣料品の商品テスト結果−基本的な品質性能と介護される人にとっての使用性を中心に−

実施の理由

 高齢化社会を迎えて、介護問題に関心が高まっている。介護される人や介護する人にとって、着脱がし易くて丈夫で、価格が安くおしゃれな介護用衣料品が求められている。最近、専門店や百貨店及び量販店に介護用品コーナーが設置されつつあるが、求められているような介護用衣料品が取り扱われている場所についても余り情報がない。また、障害者や高齢者が生活していく上での障害を取り除こうという「バリアフリー」という考え方から、誰もが共に生きられる社会「ユニバーサル」化への動きもあり、誰にも取り扱いやすい商品が求められている。

 福祉用具に関する一般消費者意識調査(福祉用具産業政策'99:通産省 機械情報産業局)」によれば、「自分の身体が不自由になった時の福祉用具の使用意向」の中で、「積極的に利用したい」割合が最も高いのが「着脱しやすいパジャマ・衣類」となっている。実際、パジャマや肌着は、家庭、老人ホーム、老人保健施設等で着用されていることが多い衣料品である。このことから、介護用衣料品として売られているパジャマと肌着をテスト対象とすることとした。



結果・現状

 着脱等に関する機能表示内容を調べたところ、大きめボタンや面ファスナで止めやすくしたり、前開きに加えて両方の脇が開くもの、両方の肩と腕が開くもの等があり、手術をした時等に寝たままでも着替えがしやすいタイプである等の表示があった。また、袖ぐりや脇の下を広くしたり、ゆったりサイズで伸縮性を持たせたり、背中が丸くなった人のために後身頃を大きくしたもの等ゆとりを持たせた作りで着脱しやすくした旨の表示があった。パジャマのズボンは股下や両脇部分がスライドファスナ付等で全開し、おむつの交換をしやすくしたもの、ズボンのウエストゴム調節が自在なもの等、着脱の容易さや着心地を考えて作られている旨の表示があった。

 綿100%のものは吸水性は高いがタンブラー乾燥で縮みやすいので、タンブラー乾燥をすることが多い場合にはポリエステル混用の素材を選ぶほうがよい。また、綿100%素材が縮んだ場合は、脱水後元の寸法に合わせて、引き伸ばすとかなり戻せることが分かった。

 使用テストでは面ファスナが「外れやすい」「肌に当たる」等使い勝手や着心地に問題のあるもの、タンブラー乾燥で縮みの大きいもの、組成表示が家庭用品品質表示法の許容範囲を超えているもの、生地の縫い代不足など外観・縫製上や手触りなどに問題のあるものがあった。



問題点

 今回テストした介護用衣料品は、機能的にも価格的にも日本においてはいまだ未成熟な商品にとどまっており、高齢化の進展にあわせて、品質の向上、介護する人の使い勝手よりも介護される人の着心地の重視、タンブラー乾燥への対応などの今後の充実が早急に図られることが望まれる



今後の予定

 テスト対象メーカーにテスト結果の説明を実施し、改善点について要望する。



業界の意見 −たしかな目 2000年11月号より− ※2000年10月5日追加

「東京エンゼル本社」

「東京エンゼル本社」より

 今回の「介護用衣料品の商品テスト」に、弊社の“スムーズパジャマ”を取り上げていただき、まことにありがとうございました。 汗等の吸いやすさについては、確かに綿の混用率が低く他社品と比べ、水分の吸い取りが悪いとみられてもしかたがないと考えております。  弊社の考えたところは、施設等では冷房等の空調が整っており、夏場でもあるときは涼しさを越して冷たく感じることがあると聞きます。その場合、吸汗も大切ですが、それを速やかに衣服外へ発散する機能をもって、肌面をさらりとした状態にしていくべきだという点です。できましたら、いわゆる衣服内気候という観点でテストしていただければと考えています。ご存じのように、高齢者の割合はこれからさらに高くなりますが、高齢者の着衣も含めた感覚は図りづらいところが多いと感じております。その点につきまして貴センターが、今後も積極的にご協力願えればと思います。

(株)東京エンゼル本社 企画室 森永 悦郎

「東京エンゼル本社」への商品テスト部の見解

 介護用衣料品が使用される状況は、各家庭、施設、病院等さまざまなケースが考えられます。従って、それぞれの使用状況に合わせた使い分けが重要となります。吸湿性のほかに、放湿性のテスト項目を取り入れるべきであるとのご意見ですが、吸湿性は、肌着やパジャマに必須のテスト項目として取り上げました。確かに、放湿性についても、あったほうがよい項目と考えますので、今後、同様な商品をテストする機会がありましたら、取り上げる方向で検討したいと思います。

「丸十服装」

「丸十服装」より

  1. 耐洗濯性、寸法の変化について
     素材メーカー(敷島紡績)は収縮率をJISL0217の103法、つり干しで管理していますが、貴センターと同条件でテストを行ってみます。
  2. 外観、縫製上の問題点
     ズボンファスナーのツレ、かぶせ布のたるみは、生地とファスナーに伸度差があり縫製が難しいのですが、今後改善に努めます。
  3. 耐使用性
     ズボンファスナーの波うちも生地とファスナーの収縮率の差により発生していると思われます。

 今後生地の改良等を考慮していきます。

丸十服装(株) ヘルスケアー事業部 部長 野田 實




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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