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[1999年11月8日:公表]

家庭用体脂肪計の商品テスト結果
−インピーダンス方式を中心に−

実施の理由

 最近のダイエットブームや健康志向の高まりに伴って、体脂肪率が家庭で手軽にチェックできる「体脂肪計」が販売されている。この商品に対する国民生活センターへの問い合わせとして「計る度に測定値が違う」などが見られ、消費者が測定値をどのように考えたらよいのか困惑していることが窺える。そこで、市場に最も多く出回っていると思われるインピーダンス方式の機種5社5銘柄と近赤外線方式及びキャリパー方式の機種を1社1銘柄づつをテスト対象銘柄として選定し、実際にモニターテストによる測定などを行い、測定値のばらつき具合や1日の中での変動,使用性などをテストした。



結果・現状

 モニターによる体脂肪率の実測テストでは、同時に複数回測定した場合、測定値が異なる(ばらつく)ことがある。中でも、インピーダンス方式の機種は比較的ばらつきは少なかったが、近赤外線方式及びキャリパー方式の機種はモニターによってばらつき具合が異なり、使用者の測定方法の習得具合が測定値に影響すると考えられた。1日の中での測定値の変動は、インピーダンス方式の機種に特徴が認められ、手で持って測るタイプでは入浴・運動後などに測定値が一時的に低下したり、足で乗って測るタイプでは朝高く夕方にかけて測定値が低下(安定)する傾向が見られた。

 これらの結果から、この商品における測定値の一時的な変化に一喜一憂せず、同じ機種・同じ条件における測定値の変化を長期的に見ていくことが大切である。また、測定値がばらつく人は、同時に複数回測った時の平均的な値を経時的に見ていくようにした方がよいと思われる。



問題点

 インピーダンス方式の機種については、「ペースメーカーなどの医用電子機器使用者は併用しないこと」旨の記載を、購入前に消費者が確認できるよう、カタログなどに記載する必要があると思われる。

 皮膚をつまんで本体で挟んで測るタイプの機種については、「測定時に測定部位が痛い時がある」との意見が見られ、皮膚に当たる部分などの改善が必要と思われる。

 体脂肪率測定値に対する「多い」「少ない」などの体脂肪の多少の目安について、銘柄によって目安の境界値が異なったり、目安の名称や区分け方が異なる場合があったので、これらの根拠を明確に表示する必要があるものと思われる。



今後の予定

 テスト対象メーカーにテスト結果の説明会を実施し、その際に改善点などについて要望する。



業界の意見 −たしかな目 2000年2月号より− ※2000年1月6日 追加

「オムロン」

「オムロン」より

(1)推定値の妥当性について
 推定値のよりどころとしている基準法(メーカー、機種ごとに異なる)との比較評価が実施されていない。体脂肪計の有効性はその推定値の妥当性にあり、メーカーごとにその考え方も異なっているものと思われる。その点につき検討をいただきたかった。
(2)測定値の変動要因の調査における個人データ入力値の影響について
 ここでは数名の被験者において身長、体重、年齢等の個人データを変化させて、その体脂肪率の変化の傾向を確認しているが、その評価の意味が不明確であり、逆に消費者に対して、身長、体重等の個人データが、測定姿勢などと同様な意味でのばらつきの要因であるかのごとき印象を与える。個人データはインピーダンスと同様、正しく推定値を得るために必要なデータであり、別な表現をすれば正確に入力することが正しい推定値を得る前提であり、消費者に対してはその点をまず強調していただきたかった。本文、図表中等で個人データを変えることが推定値のばらつき要因になるととれる表現があるが、これはばらつき要因ではなく、正しい推定値を得るための操作である。測定姿勢等のほかにあげられている要因とは性質を異にする。とりようによっては個人データを変えてはいけないかのような誤解が生じる。また、同一被験者において、個人データを変化させた場合の測定値に対する影響は、各メーカーの計算式によって異なり、オムロンの場合でいえば、個人データを増減させた場合の測定値の変化の割合、方向は一定ではなく、したがって繰り返しになるが、このような評価は意味がないと考える。
(3)同時に複数回測定したときの測定値のばらつきについて
 『たしかな目』10ページの上から3段目「同じ銘柄の繰り返しテスト〜」において「手で持つタイプに測定値のばらつきがやや多いのは腕の曲がり具合など測定姿勢の影響と見られる」との表現は不適切である。実際、貴センター発行の詳細な報告書ではこの要因は表示単位の違いであると書かれているにもかかわらず、本文記事においてはその点のコメントがなく、いかにも手で持つタイプのほうが不安定であるかのごとき表現となっている。例えば、表示単位が0.5%の機種は、その最小単位である0.5%より少ない変動が実際に発生した場合でも、表示に反映することができないため、見かけ上は、ばらつきが少なく(もしくはゼロ)なる。表示単位ではなく絶対値%で分類し表現すべきであろう。
(4)測定結果の「肥満」等の目安表示の妥当性について
 目安表示の妥当性は、その根拠としての研究がどのようになされているかによると思われる。メーカーごとにその考え方も異なる。臨床研究の妥当性という点についても比較評価を検討いただきたかった。

オムロン(株) ヘルスケアビジネスカンパニー
         営業事業部 マーケティング部
         商品企画課 主査 金 美春

「オムロン」への商品テスト部の見解

(1)について
 各社の体脂肪率の推定値や基準法などの妥当性を比較評価するためには、各被験者の体脂肪率の真値を求める必要があります。しかし、現在のところ真値を求めるためには解剖などの直接的な方法をとる必要があるといわれ、被験者の真値を求めることは困難であることから検討しませんでした。
(2)について
 当テスト項目では、各入力項目の影響を見るために人に代わる負荷(インピーダンス方式の機種では抵抗器)を用いて調べました。正しい使い方として個人データを正確に入力することはご指摘のとおりであり、当センターとしても、その趣旨で本文中に掲載しました。また、図3については測定値の一日の変動を見たものであり、個人データ入力値の影響と測定値のばらつきについては、別々に記載しておりますので、誤解はないと思います。今回のテストでも、体重0.2kg単位で入力する銘柄において、0.1kg単位まで正確に入力したいというモニターもみられました。一方では、身長を毎回正確に測定することはまれであったり、年齢もある時期に変わることが想定されます。すべてを網羅できませんが、これらの入力値に対して測定値がどのような動きをして、入力値の変化をどの程度気にすればよいかについて、使用者の判断材料として参考になると考えました。
(3)について
 表示単位の違いおよび測定姿勢の影響については、ばらつきの分布に影響する要素と推定されますが、手で持つタイプについてくくった場合、表示単位による影響のほうが測定姿勢より大きい可能性がありました。
(4)について
 目安表示の妥当性の評価については、(1)と同様の理由により現状では困難ですが、業界への要望にも記載したように、目安表示の根拠を明確にすることは、消費者が当該商品を使用するうえで必要と考えます。

「タニタ」

「タニタ」より

(1)評価表内、使用性評価の中の「体脂肪率計測のしやすさ」について
 体重は一日の中でも1kg前後は変化しており、弊社の体重計付き脂肪計はそのつどの体重値を入れる手間がないばかりかスタートボタン(個人キー)を押して乗るだけで体重と脂肪率を同時に測定可能であるため、いちばん簡単で測定しやすいと判断しております。評価基準をお教えください。
(2)評価表内、使用性評価の中の「画面の見やすさ」について
 弊社は多岐多様なニーズにこたえるべくいろいろな機種をそろえております。今回の選定モデルは価格を重視した商品であり、体重と脂肪率が同時に表示される商品も用意してございます。
(3)測定値(%)の変動要因の調査について
 「体重の入力値が1kg増えたときの体脂肪率の変化」に対して弊社の場合、体重入力は不必要で、むしろ測定時における体重の真値を測定し計算しているのであり、まちがうことがないと判断します。したがいまして、この項目の結果としては「0.0」が妥当と判断いたします。
(4)体脂肪率の判定基準について
 表記の体脂肪率判定表は、'93年度より東京慈恵医科大学健康医学科にて適用されている数値に基づいており、その原典は「1992年の第13回 日本肥満学会でのコンセンサス・カンファレンス3:病気としての肥満−定義・診断基準をめぐって−〈3〉体脂肪量(率)測定からみた肥満症の診断」であります。
 弊社では、'91年よりこうした学会活動を通じて、体脂肪率による肥満の判定法の普及に努力してまいりました。今後とも健康指標としての信頼性を向上させ、生活習慣病の予防に貢献してまいります。

(株)タニタ 品質監査部 部長 藤井 恭彦

「タニタ」への商品テスト部の見解

(1)について
 25名のモニターが−3(非常に悪い)〜3(非常によい)まで7段階の評点による評価を行い、そのデータを集計して統計処理し、銘柄間で相対的に評価したものです。各モニターからの主な理由は評価表に併記しました。
(3)について
 ご指摘のように、貴社の銘柄は体重入力は不必要でした。当テスト項目は体重が変化した場合の体脂肪率測定値の変化について調べたものです。貴社銘柄において体重値が1kg変化したときの体脂肪率測定値の変化は0.5〜1.0%(表示単位0.5%)でした。この変化の傾向は銘柄によっても若干異なるものでした。この結果は体脂肪計がどのように作動するものかについて、消費者に参考になると考えました。また、貴社取扱説明書にも記載されているように、着衣の重さなども考慮して使う必要があることにもつながるものと思われます。

「メディケアー」

「メディケアー」より

  1. (1)測定値の安定性についてはご指摘のとおり、測定になる方が慣れてお使いになると安定性は増すと思われます。
  2. (2)「体脂肪」の真値を測定するのは困難と思います。今回取り上げられた「体脂肪計」の上位機種(米国ヒュートレックス社製FUTREX-6100/XL、米国FDA510K認証済)やほかの理学応用測定機器との比較値があると、「体脂肪」そのものについての一般的なご理解が得られるのではないでしょうか。
  3. (3)「体脂肪計」をご使用くださっている多くの方々はご自分を含めたご家族の健康管理などの目的としてご利用いただいていることが大半と理解しております。今後は健康に対しての関心はますます高まることが予想されます。このような情勢のもと、当該機器の測定精度やその取り扱い方については公平な第三者機関などによって精度評価や、より有効な使用方法の指導などができるシステムの構築が望まれます。

(株)メディケアー サービス事業部 部長 細井 實

「メディケアー」への商品テスト部の見解

(2)について
 消費者が購入した機種において、体脂肪についての一般的な理解が得られることが必要と考えます。

「山佐時計計器」

「山佐時計計器」より

  1. (1)『たしかな目』の消費者へのアドバイス、「買うとき」の項目にキャリパー方式は生活状態の影響をあまり受けないため、生活が不規則な人やスポーツ選手には向いていると追記してもらいたい。
  2. (2)『たしかな目』の業界への要望の[2]おなかをつまんで挟むタイプの機種については、皮膚に当たる部分の形状や材質などのくふうが望まれると記載されていますが、キャリパーのつまみ圧力と面積は20〜40mm2に圧力は10g/mm2に規定されているため、形状や材質の変更は難しい。
  3. (3)キャリパー方式は、他メーカーと異なり体の各部位の皮脂厚が測定できる特徴があることを記載してもらいたい。

山佐時計計器(株) 営業本部 お客様サービス室 室長 金子 直勝

「山佐時計計器」への商品テスト部の見解

(1)について
 キャリパー方式の銘柄は、生活状態の影響をあまり受けないことはテストでも確認されました。『たしかな目』につきましては、一般消費者向けのアドバイスを中心に掲載しています。今後とも多くの方々に適切なアドバイスをさせていただきたいと考えます。
(3)について
 当該銘柄は体の各部位の皮脂厚を測定することが可能ですが、取扱説明書では具体的な測定方法や数値の扱い方についての記載は見られなかったため、記載しませんでした。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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