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[1999年6月21日:公表]

特別調査「多重債務者問題」調査結果

実施の理由

 長引く不況の中で、自己破産件数が96年以降顕著な増加を見せ、それと共に多重債務者にかかるトラブルが激増し、社会問題化した。多重債務に関する相談件数も96年度以降大幅に増加した。国民生活センターは、この事態を重要と考え、98年度の特別調査のテーマの一つとして、多重債務の問題を取り上げることとした。

 調査のポイントは、長引く不況の中での「今までの多重債務者問題との違い」「貸金業者の高金利と過剰貸付けの現状把握」「各地消費生活センターは多重債務者問題にどう対応すべきか」等に絞られる。

 本特別調査は、国民生活センターのプロジェクトチームが担当し、以下の個別調査の結果を総合的に把握し、概要として取りまとめた。

実施した調査は、

  • PIO−NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)から多重債務者に関する相談の実情調査
  • 多重債務者に対するアンケート調査
  • 事業者に対するアンケート調査
  • 各地消費生活センターに対するアンケート調査
  • 多重債務者の借金歴の把握
  • 個人信用情報機関に対するヒヤリング

等である。

 この他「多重債務110番」「弁護士特別相談」「消費者ローンに関する広告の実情把握」を行った。

注:「多重債務者」とは、消費者金融業者、信販会社、銀行等からの借入やクレジットカードの利用など複数の事業者と取引(多重債務)を行っているうちに、借金が返済能力を超えたり、借金の返済に窮して借金の返済のため借金を重ねている人のこと。



現状・問題点

最近における多重債務者の実情

  • 各地の消費生活センターに寄せられた多重債務に関する相談件数は、98年度は16,710件に急増し、また、98年の自己破産申立者は、103,803件となっている。
  • 相談は、依然として「20歳代」が最も多い(人数も増えている)が、年代別の構成比をみると、「30歳代」以上が増え、特に、ここ数年は生計の中心的な担い手である「40歳代」「50歳代」の中高年の多重債務者が増加している。
  • 職業では、給与生活者が多いが、ここ数年は「無職」や「パート・臨時・アルバイト」「自由・自営業」が増えている。世帯年収では、半数強が400万円未満で、その中の半数は200万円未満の低収入者である。
  • また、無職など低収入の多重債務者は消費者金融業者の利用が多く、ほとんどの人が多重債務のきっかけになった借入先として消費者金融業者をあげている(8〜9割)。
  • 多重債務に陥った要因は、「収入減」をあげる者が最も多いが、借りたお金が高金利であったこともあげている(30.7%)。
  • また、5年前の調査に比べて借入れの目的が「贅沢品の購入」から「生活費の補填」にシフトしており、借入先もクレジット会社・銀行等から消費者金融業者にシフトしている。
     多重債務者は、多重債務のために「生活全般の切りつめ」「医者にかかるのを控える」「保険の解約」等で対応している。
  • また、取り立てについても多重債務者の約7割が消費者金融業者等から違法な取り立てを受けたと訴えている。この指摘は「60歳代」(82.6%)「無職」(80.5%)「世帯年収400万円未満」(78.3%)の人から特に多くあげられている。
  • 一方、多重債務者自身にも、計画的な消費生活が営めないとか、金利にうとい、ギャンブルにはまったり、買い物のし過ぎなど全ての多重債務者ではないが消費生活等に問題も見られる。

消費者金融業者の貸付実態

  • 貸付金利については、ノンバンク業者のほとんどは20%を上回る高金利を実施しており、貸付けの申し込みの段階で十分な調査をせずに過剰な貸付けが行われている。
  • 約定上で3ヶ月延滞状態であっても信用情報機関の事故情報に登録しない業種があった。
  • 事故情報の利用についても業者によって違いがあり、消費者金融業者の大手7社はすべてがCRINを常時利用し、うち4社は事故情報があれば貸さないとしていたが、中小の消費者金融業者の多く(6割)は、CRINを常時利用せず、他業種の事故情報に対して注視しない傾向が見られる。
  • 今回の業者の調査でも利息制限法の制限金利以内で貸付けているのは、回答のあった118事業者のうち44.1%の52業者で、他の55.9%の66業者は制限金利を超える高金利の貸付が行われていた。このうち、消費者金融業者は、回答のあった28業者全員が利息制限法の制限金利を超える25%以上の高金利であった。
  • 金利の引下げについて、5年前の調査との比較で、金利を引き下げたという業者が3割ほど見られたが、引下げ幅は2%台で大半は2%以下であった。今後についても引き下げるとする業者は1割にも満たなかった。



本件連絡先 相談部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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