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[2007年4月17日:公表]

乳幼児がベビーカーに手指を挟み、あわや切断!

 ベビーカーに手指を挟む事故が寄せられています。当センターでは2004年にベビーカーの安全性のテスト結果を公表し、乗車中に手指を挟む危険性について注意を呼びかけたところですが、2006年11月、ベビーカーの開閉時に手指を挟み、あわや切断という事故が2件相次いで寄せられました。


寄せられた事故の概要とその後の経過

【事例1】
(1)事故の概要
 3日前、公園で、妻は折りたたんでいたベビーカーを開いて1歳10ヶ月の息子を乗せるため、抱いていた息子を降ろした。ベビーカーの背もたれのフレームをいつものように足で体重をかけて押し下げたところ、息子はベビーカーのハンドルフレームに手をかけてつかまり立ちをしており、フレームの接続部分に左手小指の第一関節手前部分を挟んでしまった(イラスト(1)参照)。皮膚1枚でつながった状態になり、息子は現在入院中である。メーカーに治療費等の請求はできるか。ベビーカーは祖母たちが約1年前に贈ってくれたものである。
(相談者:20歳代 男性)

イラスト(1)
ベビーカーのフレーム接続部分の詳細図

(2)その後の経過
 相談を受付けた消費生活センター(以下、受付センターという。)において、相談者やメーカーらが立ち会って事故当時の様子を調べた。

 メーカーは、事故品と同型タイプのベビーカーでこれまで事故が発生していないことや、ベビーカー展開時に、乳幼児への注意が不足していたことによるものであり、商品の欠陥及び劣化に起因する点はなく、製品の問題による事故ではないとの見解を示した。

 しかし、受付センターでは、事故が発生した部分は、幼児がつかまり立ちをする際に手を置きがちな高さにあり、保護者の不注意のみによる事故とは断定できないと考えた。そこで、メーカーに、注意喚起の実施と、挟み込みの危険性をなくすよう製品の改善についての検討を依頼した。これに対し、メーカーは、製品の改善は困難であるものの、説明書や注意タグを見やすくするとともに、事故が起こらないよう努めていく旨の回答をした。

 なお、相談者は当初治療費等の支払いを希望していたが、乳幼児医療費助成制度の適用を受け、医療費の大半について補填されたため、メーカーへの請求を取り下げた。メーカーは相談者に見舞金の名目で医療費の自己負担分を支払った。
【事例2】
(1)事故の概要
 インターネットの通信販売で購入した軽量タイプの折りたたみ式ベビーカー。4日前に届き、梱包を解いた後、ベビーカーを出した。ストッパーを外したところ、折りたたんであったベビーカーが急激に開いた。そばにいた9ヶ月の娘が手を置いていたらしく(イラスト(2)参照)、左手中指を挟み、皮1枚でつながっている状態になった。救急車で病院に運ばれ、6針縫ったが、うまくつかない場合には切断の可能性もあると言われた。
(相談者:30歳代 女性)

イラスト(2)
ベビーカーのどこに子どもが手を置いていたかの説明図

(2)その後の経過
 事故品はSGマーク表示製品であったので、受付センターは相談者に(財)製品安全協会(注1)に連絡するよう助言した。その後、同協会が調査等を行ったところ、事故品の取扱説明書では、ベビーカーの操作に際しては子どもを近づけずに行うよう注意喚起をしており、事故は子どもがベビーカーのそばにいる状態で発生していることから、不注意による事故とも考えられる。しかし、梱包を解き初めてベビーカーの操作を行った際に発生したことを考慮すると、注意喚起のあり方には検討を要するものと判断され、SGマーク被害者救済制度に基づき一定の範囲内で賠償措置を実施することになった。また、同協会より行政への事故通報や、メーカーへの再発防止の要請がなされた。

(注1)(財)製品安全協会では、消費者の視点を重視しつつ製品の安全性に関する認定基準を作成し、その基準に合格した製品にSGマークを表示している。SGマークが表示された製品に万が一、欠陥があり、その欠陥によりけがなどの人身事故が起きた場合には賠償措置を実施している。詳細は同協会ホームページ参照(http://www.sg-mark.org/)。


PIO-NETでみる乳幼児がベビーカーに手指を挟む事故の状況(注2)

年度別推移

年度 件数
合計 6件
2002年度 0件
2003年度 0件
2004年度 3件
2005年度 1件
2006年度 2件

危害程度(治療期間)

内容 件数
合計 6件
1週間未満 1件
1週間〜2週間 1件
3週間〜1ヶ月 0件
1ヶ月以上 1件
期間不明 1件
医者にかからず 2件


(注2)2002年4月1日以降2007年4月5日までの登録分で、被害者(受傷者)が0歳〜6歳の件数。



消費者へのアドバイス

 ベビーカーには、乗車中のみならず開閉時にも子どもが手指を挟む危険性があります。乳幼児を連れている際の取り扱いには十分注意しましょう。



業界への要望

 今回の2事例では、いずれも手指を切断せずにすみ、すでに退院しています。しかし、一歩間違えれば手指を切断するところでした。ベビーカーの開閉時に、まだ自立できない乳幼児が保護者に寄り添うことや、ベビーカーにつかまることは十分想定できる行動です。ベビーカーの構造上、可動部が多く存在せざるを得ない商品性となっていますが、乳幼児に用いるものである以上、厳格な安全性が求められます。乳幼児が陥りやすい危険要因が排除されるようメーカーや事業者団体に望みます。

・要望先
全国ベビー&シルバー用品連合会
・情報提供先
内閣府国民生活局消費者調整課
経済産業省製品安全課製品事故対策室


関連情報




本件連絡先 相談調査部危害情報室
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。


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