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[1999年5月7日:公表]

カーワックスの比較テスト結果

実施の理由

 従来のワックスがけは、まず、洗車後に水分をふき取り、ワックスを塗布した後、ふき取るという、かなりの労力と時間を要するものとなっていた。しかし、最近、「スプレーするだけ」や「ふき取りなし」といったワックスや「洗車とワックスがけが同時にできる」とするものが各社から販売され話題となっている。これらスプレー式のワックスのつや出し効果や塗膜の保護性、クリーナー効果等について銘柄間の違いを調べるとともに性能やワックスがけの作業等が、従来タイプのワックスと比べどの程度違うのか消費者に情報を提供することにした。



結果・現状

 テストした結果、スプレー式のワックスは、「従来品(固形・ねりワックス)」と比べるとつや出し効果やはっ水効果が劣るものの、ワックスがけの作業項目が少なく、時間も短くてすむという結果であった。それに対し、「従来品(固形・ねりワックス)」は、つや出し効果やはっ水効果が優れている反面、作業項目が多く、時間も長くなるという結果であった。その他、成分表示等にコンパウンド(研磨剤)が記載されていないにもかかわらず、塗装面の色落ちや傷を生じた銘柄があったほか、ワックスがけに要する時間や洗車等に使用する使用水量にかなりの違いがあった。



問題点

 スプレー式のワックスの一部に車のフロントガラス等に油膜がつき、夜間の運転の妨げになるものがあったほか、「ノ−コンパウンド」と表示されているにもかかわらず塗装の色落ちを生じたものや極端に作業時間が短く表示されているものなど、誤った表示や過大な表示をしているものがあった。



今後の予定

 報道関係者への発表や「たしかな目」を通じて消費者に情報提供するとともに、テスト対象メーカー及び工業会に対しテスト結果の説明会を実施し、その際に改善を要望する。



業界の意見 −たしかな目 1999年8月号より− ※1999年7月5日追加

「石原薬品」

「石原薬品」より

 今回のテストによる評価としては、本製品のコンセプトを十分認識していただいておりましたが、次の点について不十分であると考えております。

 本製品は'98年9月より現行のパッケージ、特に裏面の使用方法を変更しております。今回購入されてテストしていただいた製品は旧パッケージ製品です。現行のパッケージの使用方法等に記載しておりますように、ドア1枚程度の大きさに30cmくらいの間隔をあけて4回スプレーする。普通車約8台分の使用量(約65ml)にて行うことにより本製品の性能が十分に発揮されると考えておりますので、今回のように約3台分の使用量(170ml)では、本液の付けすぎにより効果が出にくい結果となります。本来の使用に基づく使用方法および使用量で行うことにより、初期のはっ水効果も含め十分な結果が得られるものと考えます。そして、これらのことから本製品は、使用処理台数約3台ではなく約8台を処理できる量を使用することが正しい使用です。

 今回、当社製品は「塗り込みふき取り不要ワックス」の部類とされておりますが、作業手順表にもありましたように他社品と異なり洗車後、洗車での水滴を残したままスプレーして水滴と本液を同時にふき取るだけなので、スプレー後の水洗い作業がなく他社品より手間と水の使用が、軽減できます。

石原薬品(株) 第一研究部部長 滝下 勝久

「石原薬品」への商品テスト部の見解

 テスト対象商品は、'98年6月に購入してテストを実施しています。このときに購入した商品に記載されている取扱説明書には、指摘されているようなスプレー方法が記載されていません。新しいパッケージに記載されている内容でモニターテストを実施した場合の結果がどのようになるかはわかりませんが、テスト結果にもあるように性状は異なるものの、スプレー式ワックスの使用量(120〜190ml)は全体として従来品(固形・ねり)の使用量(14〜38g)に比べかなり多めとなりました。なお、はっ水効果などのテストは、取扱説明書やJISなどを参考にワックスの使用量の測定とは別に実施しています。

「カーメイト」

「カーメイト」より

(1)ワックスの性能評価について
 弊社には、従来タイプの固形ワックスや液体ワックス等数種類のワックスがあります。
 それぞれ特徴のある商品で、お客様の目的に応じて使い分けができるようになっています。
 その中の1商品が「ハイスピードワックス」であり、これには他の製品にない「塗装面に付着した、サビの原因となる鉄粉を取り除く」という特徴があります。この商品は、この特徴をメインに考えて作ったものであり、においがするのもそのためです。今回のテストは、ワックス効果の評価が中心であったためこのような結果になったものであり、逆にそれぞれの商品の特徴を考慮していただければ、一概に弊社の「ハイスピードワックス」がワックスとしての総合評価が劣っているとは考えられないと思われます。
(2)業界への要望について
 ・ワックスがけでフロントガラスなどに油膜が付着してしまう。
 ・取扱説明が見にくい。(表示スペースの割りには、表次項目《特に注意事項》が多く文字が小さくなってしまいました)などの指摘については、今後の商品開発で何らかの改善を進めてまいります。
 表示よりも実際に使用できる台数が少ないとの評価については、取扱説明書に書かれているとおり使用していただければ表示台数に違いはないと思われます。なお、多く使えば使うほど、効果も高くなると思われがちですが、使いすぎはムラの原因になるなど、逆効果の面もあり、適正な使用量でないと、性能・効果や経済性などの面で不具合も生じると思われます。
(3)シミや色むらのトラブルについて
 ワックスによるトラブルのアンケート結果において誤解を生じるおそれがありましたので補足の説明をさせていただきます。
 シミや色むらになる場合は、商品上の問題もありますが、作業方法の問題が大きいと思われます。
 例えば、「車の塗装面が熱い状態で作業を行ってしまった」「ワックスが均等に塗られていない」「ふき取りが不十分である」以上の場合は、シミや色むらになりやすいです。
 この場合適切な処置(作業)を行ってもらえば元の状態に戻ります。
 トラブルの対処方法なども併せて掲載していただければ消費者の方にもワックスに対しての認識も上がると思われます。

(株)カーメイト ケミカル研究所所長 真子 義邦

「カーメイト」への商品テスト部の見解

(1)について
 テスト対象商品には、つや出し効果やはっ水効果、洗車効果、クリーナー効果などをうたっており、主な効果としてこれらについてテストを実施しました。指摘の「塗装面に付着した、サビの原因となる鉄粉を取り除く」効果は、テストを実施しておりませんが、クリーナー効果があることは記載しました。なお、テスト項目ごとに銘柄の評価を行っていますが、銘柄の総合評価は行っていません。
(2)について
 モニターに取扱説明書を読んでもらい、実際に小型乗用車にワックスがけを行ったときのワックス使用量からワックスがけが可能な台数を算出しました。その結果、表示とあまり違いがないものがあった一方で倍以上の違いがあるものがあったので指摘しました。実際のワックスがけでは、車の汚れを落とすため多めにスプレーすることもあり、必ずしも表示されている取扱説明書どおりに使用する場合だけとはかぎりません。ワックスの使いすぎを注意するとともに、汚れ落としなどで使用量が多めになることなどを考慮して使用可能台数を記載していただきたいと考えています。

「花王」

「花王」より

(1)つや出し効果の評価法について
 鏡面光沢度が60±5に調整された試験用塗装板を使用しての評価となっていますが、近年の塗装は品質が向上しており大きな傷をつけて塗装がはく離するようなことさえなければ車の寿命と塗装の寿命はほぼ同程度と考えられます。
 したがって、つや出し効果の性能を評価するためには、鏡面光沢度が90〜70程度(新車〜経年10年程度の実車レベル)での評価も併せて必要であると考えます。
(2)はっ水効果の評価法について
 「ワックスが水をよくはじけば、車の塗装面の保護効果(劣化防止)が高い」という考え方は一般的でなく、はっ水効果が高いほど汚れが付きやすく、また落としにくくなることを確認しています。
 したがって、ワックス塗布前と後の接触角度によるはっ水効果評価のみでなく、実車を用いての環境暴露試験による、汚れやすさとその落としやすさも併せて評価する必要があると考えます。
(3)洗車効果の評価法について
 車の汚れには、さまざまな状態がありますので、弊社では種々の汚れレベルの実車にて十分な評価を行っております。今回評価された、車の車種、色、台数およびモニター1人当たりが作業されたカーワックス1品当たりの評価面積・評価台数などの詳細な条件をご提示いただきたいと考えます。
 弊社製品「カーマイペット ベガ」は、「水を使わず洗車とツヤ出し」ができる商品として設計しています。
 当該商品の注意書きに「砂粒や大量の泥等がある場合は、水で流してからお使いいただく」旨、記載していますが、それ以外は水を使わず、手軽に車のお手入れができるということで消費者の方々から評価・支持いただいているものです。
 このように新しいコンセプトをうたった商品の評価に対しましては、従来のカーワックスと同じ評価軸だけでは消費者の実態に即した評価法としては不十分であると考えます。

花王(株) 消費者相談センター 所長 中曽根 弓夫

「花王」への商品テスト部の見解

(1)について
 鏡面光沢度が90程度の塗装面は、十分に光沢度がある状態なのでワックスを塗布してもあまり光沢度の違いを見てとることができません。このためJISを参考に鏡面光沢度を60±5に調整した試験用塗装板を使用し、ワックスを塗布したときの光沢の増加をモニターが目視で評価しました。塗装の品質の向上で塗装面の劣化の度合いは少なくなってきているようですが、長い年月の使用などで光沢度が失われた車を想定してテストを実施しました。
(2)について
 車の塗膜表面の保護性を見る指標としてJISでは、はっ水性を指標としておりこれを参考にテストを実施しました。今回のテストでは、はっ水効果と汚れの付きにくさ、落としやすさの関係については実施しておりませんが、今後の参考にさせていただきます。
(3)について
 洗車効果は、4台の小型乗用車【アコード(シルバー)、ギャラン(シルバー)、プリメーラ(シルバー)、コロナ(白)】を使い、ドア1枚にワックスがけを行い汚れの落としやすさを調べました。

「ジョンソン」

「ジョンソン」より

(1)塗装の色が落ちたキット「超ねり」について
 今回赤色メタリック塗装車でテストされたようですが、メタリック塗装は、カラー塗装の上にクリア塗装が施されており、通常のワックスがけ程度ではクリア塗装が削り取られることはなく、色落ちすることはありません。
 弊社としては、テストされた塗装がすでに劣化が進んでおり、さらに今回のテストのように狭い塗装面を塗布、ふき取りを繰り返し行うといった過度の試験によって、クリア塗装が破壊され、色落ちが発生したものと考えます。通常の使用ではこれだけの傷や色落ちは発生しません。
 また、この製品の発売当初からこれまで、塗装面に何らかの影響があったというお客様からのお申し出は1件もありません。
(2)表示について
 弊社は、傷の修復を目的とした「コンパウンド」に含まれているような研磨成分を使用してないので塗装面を傷める心配がないという意味で「ノーコンパウンド」という表示をいたしました。研磨機能を持った成分を一切含んでいないという意味ではありません。
 キット「超ねり」は、塗装面を洗浄、平滑にしワックス分を塗装に均一に塗布する目的で、超微粒子の無機成分を少量配合しました。
 表示に関しては、消費者に誤った認識を与える可能性のある表現であったことをおわびいたします。なお、この製品はすでに生産を中止しており、市場在庫分のみが販売されております。

ジョンソン(株) コンシューマー製品研究開発部
製品開発マネージャー 竹村 勲

「ジョンソン」への商品テスト部の見解

(1)について
 色落ちのテストに使用した塗装面は、購入してから約4年たった赤色のメタリック塗装が施された小型乗用車のボンネットを使用しました。指摘されているような塗装面の劣化はなく、表面のクリア塗装も確認しています。テストは、頻繁にワックスがけを行う場合や汚れ落としなども想定し、モニターが塗装面を連続的にワックスを塗り込んだとき色落ちが発生しないか調べました。ワックスがけの対象となる車には、ソリッド、メタリックなど塗装が異なる場合をはじめ、新車から10年以上を経過した車までいろいろな場合が想定されます。同様のテストで他の銘柄に色落ちが発生しなかったことなども含め、今回のテスト内容は、通常使用されることが予想される範囲と考えています。

「竹原」より

「竹原」より

 数多いジャンルのワックスをすべて同じ試験方法によってランク付けする意味がよくわかりません。テスト後の、ユーザーへのアドバイスとしてそれぞれジャンル別に作業時間や効果について述べていますが、それでしたら最初からジャンル別にランク付けしたほうが、よかったのではないかと考えます。

 取引先のバイヤーや仕入れ担当者の評価もまずまずで、特に今回のテスト結果の中ではっ水性が初期、持続性とも他社同等品と比較して極端に劣っていたことは、理解しかね、困惑しております。しかしながら、いかなるテスト方法においてもよい結果が表れるよう、今後十分な改善を図っていきたいと考えております。

(株) 竹原 用品部研究開発課 鈴木 孝志

「竹原」への商品テスト部の見解

 今回、テスト対象に取り上げたワックスは、性能や使用方法などが異なるもののいずれも塗装面の光沢度の向上などをうたっており、消費者にとって同じ用途の商品群と認識されているものと考えられます。ワックスという大きなジャンルのくくりで、つや出し効果やはっ水効果などをはじめ、使用性がどのように異なるのか銘柄間比較をするとともにタイプ間の特徴を明らかにし、性能の優劣を調べたテスト項目については消費者が理解しやすいようにA、B、Cなどの相対評価によるランク付けを行いました。

 つや出し効果の試験や、はっ水性の試験などは複数回以上のテストを実施して確認しています。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-5619

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