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[1998年12月2日:公表]

心配なのはプラスチック容器・ゴミ処理、セールストークにも使われはじめて…「環境ホルモン」に関する消費者相談が激増!

消費者相談分析情報 No.1

 外因性内分泌かく乱化学物質、いわゆる環境ホルモンやダイオキシン(以下、環境ホルモン)の不安が指摘され、マスコミ報道が多くなっていることに伴い、消費者からの関連相談も、昨年度の 101件から今年度は年度途中であるにもかかわらず既に 257件と激増している。件数の増加だけではなく、環境ホルモンを新たなセールスト−クとして悪用する業者の相談も登場するなど、消費者相談もさまざまな展開をみせている。以下に、1997年度、98年度に全国の消費生活センター等が受け付け、98年11月16日までにPIO−NETに入力された環境ホルモンに関する相談 358件を分析した。


相談件数等

年度別件数

97年度 101件、98年度 257件

相談者の属性

  • 男性49人(13.7%)、女性 272人(76.0%)、性別不明37人(10.3%)
  • 20歳代 29人( 8.1%)、30歳代 92人(25.7%)、
    40歳代 54人(15.1%)、50歳代 50人(14.0%)、
    60歳代 52人(14.5%)、70歳代以上 21人( 5.9%)、
    年齢不明 60人(16.8%)

地域

37都道府県にわたるが、東京とその周辺の1都3県だけで 246件( 68.7%) に及ぶ。

成分

  1. 成分を特定して相談しているもの 338件 ダイオキシン 192件 プラスチック材料(ビスフェノールA、フタル酸エステル等) 137件 その他(有機スズ、界面活性剤等) 9件
  2. 単に「環境ホルモン」と言って相談しているもの 20件


主な相談内容と商品等

商品の安全性に関する相談(250件、69.8%)

食器・食品保存容器(93件)、食品(30件)、ラップフィルム(24件)の上位3商品で58.8%、約6割を占める。残りは、クッキングシートを含むその他の台所用品(20件)、商品等全般(19件)、玩具(10件)等さまざまであるが、体内に入るもの、口に付けるものについての相談が多い。

(1)(現在使っているものについて)安全か、不安だ、大丈夫か(176件)

ダイオキシンが有害だといわれている。日常、レンジで温める時にラップを使っている。ダイオキシンが発生しているのではないか。(54歳、男性、自営自由業)

(2)(これから使うものについて)安全なものは何か、情報がほしい(63件)

孫のおもちゃを買う予定。塩ビは危険だというが、ポリプロピレンはどうか。環境ホルモンについて聞きたい。(65歳、女性、家事従事者)

(3)環境ホルモンを除去できるというのは本当か、除去する方法があるか(11件)

ポリカーボネートの哺乳瓶で育児をして子どもは今3歳である。環境ホルモンを体内から排除する方法があるか。(30歳、女性、家事従事者)

商品等の廃棄に関する相談(60件、16.8%)

ゴミの焼却や商品等の廃棄に関する相談は、大半が「ダイオキシン」に関するものである。

(1)近隣または自家のゴミの焼却・処分に関する不安・不満(35件)

隣人が家庭用焼却炉を使用しており、いやな臭いと煙が漂ってくる。やめさせる方法はないか。ダイオキシン等の心配があるので不安である。(55歳、女性、家事従事者)

(2)(焼却・処分しようとする商品等について)焼却・処分しても安全か(25件)

炭酸カルシウム入りごみ袋と、そうでない袋では焼却時ダイオキシンの発生する量はどのくらい違うか。(45歳、女性、給与生活者)

「環境ホルモン」をセールストークにした問題商法に関する相談(41件、11.5%)

(1)商品・サービス別件数

浄水器(27件)が最も多く、次いで健康食品(5件)であり、この2商品以外は、イオン整水器、24時間風呂、ダイオキシン測定サービスなどさまざまである。

(2)商法・セールストーク

マルチ・マルチまがい取引(22件)、家庭訪販(17件)が多く、電話勧誘販売も1件ある(他は不明)。浄水器は「ダイオキシンが除去できる」、健康食品は「ダイオキシンが体内から排出される」など「ダイオキシン」をセールストークにしているものが多い。

(3)契約の有無

35件中、このセールストークを信じて、または断りきれずに契約・購入した人が12人いる。残りはセールストークの信憑性に関する相談が大半であるが、なかには問題を提起する趣旨の相談もある。

  • 中学時代の同級生に種々の商品の販売システムに入るよう勧誘されている。「国産の浄水器はダイオキシンを除去できないが、この会社のものは除去できる」と言う。事実だろうか。(23歳、女、給与生活者)
  • 薬局を経営しているが、健康食品の業者から「ダイオキシンの解毒作用がある」と書かれた資料が多量に送られてきて、これを示して販売するよう勧められた。このような販売方法は問題だと思うので情報提供する。(25歳、男、給与生活者)


消費者へのアドバイス

  1. 環境ホルモンの人体への影響はまだ正確には分かっていない。乳幼児用食器で回収等されたという報道があるが、環境ホルモンが問題とされて回収された訳ではない。
    個々の化学物質の環境ホルモンとしての影響については環境庁等の調査結果を待つしかない。乳幼児がいて気になる人は疑わしいものを避けるのも1つの選択だが、現時点で名前が上がっている成分だけを疑って過剰に危険視することは賢明とはいえない。
  2. ゴミの焼却に関しては、低温処理するとダイオキシンが発生することが分かっているので、自宅での焼却はやめた方がよい。自治体の焼却方法はダイオキシンに配慮して改善されてきているので、ゴミの処分は自治体のゴミ処理にまかせた方がよい。
  3. 何かが社会問題化すると、それに付け込んで商品を販売する業者が登場する。過去にもO157騒ぎの際「O157が除去できる」というセールストークが使われた。環境ホルモンやダイオキシンでも浄水器で除去できるなどと同様のセールストークが登場しているが、現時点では実際にどの程度効果があるのか公けにされたデータもないので、セールストークを簡単に信用しない方がよい。
  4. ダイオキシン等の汚染を排除するには、むしろ、プラスチックに囲まれた使い捨ての生活を見直し、その発生原因に大きな比重を占めるゴミの焼却を減らすためにゴミの減量や、分別の徹底、再利用等に努力すべきである。



※この情報は、PIO−NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に入力された相談のうち新手の商法や相談が急増している事例について、速報性を最優先に情報提供するものである。


本件連絡先 消費者情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。


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