[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 釣りブームのかげで…「釣り針」による子どもの事故多発!

[1998年8月13日:公表]

釣りブームのかげで…「釣り針」による子どもの事故多発!

消費者被害注意情報(危害情報システムから) No.21

 危害情報システムには全国の協力病院から 377件(92年8月から98年7月末の6年間)の釣り用具による事故情報が寄せられている。事故は年々増加し、1997年度は前年度の31位から19位になり、趣味やスポーツの中ではスキーについで2位になった。

 釣り用具による事故のなかで目をひくのは、「釣り針」による子どもの事故が多いことである。最近、釣りブームが子どもに広がっていることが背景にあると思われるが、釣り経験の浅い子どもが危険を伴う「釣り針」を扱うにはそれなりの注意や大人の指導が求められる。以下に15歳以下の子どもの「釣り針」の事故 123件をもとに事故防止のための注意を呼びかけることとした。


事故の概要

事故は年々増加している

 92年度は3件であったが、それ以降年々増加し97年度は33件、98年度もすでに9件ある。123件中ルアーフィッシング(小魚などの疑似餌を使った釣り)による事故は明らかなだけで26件ある。

年度/件数
92年度/3件
93年度/9件
94年度/14件
95年度/27件
96年度/28件
97年度/33件
98年度/9件

 また、受診月でみると、冬場はやや少ないものの1年を通して事故が起きている。

年度/件数
1月/6件
2月/2件
3月/7件
4月/9件
5月/18件
6月/15件
7月/13件
8月/8件
9月/9件
10月/21件
11月/7件
12月/8件

事故の多いのは9歳〜14歳の男の子

 事故は男の子 114人、女の子9人とほとんどが男の子で、10歳以上が88件と全体の2/3以上を占める。中でも12歳は30件と特に多い。

年度/件数
3歳未満/3件
4歳/2件
5歳/5件
6歳/3件
7歳/8件
8歳/5件
9歳/10件
10歳/9件
11歳/14件
12歳/30件
13歳/15件
14歳/12件
15歳/7件

軽いけがが多いが、失明につながりかねない事故もある

 危害の内容をみると刺し傷や切り傷がほとんどだが、顔面や頭頂部、耳など首から上のけがが全体の約4割に及ぶ。中にはまぶたやこめかみ、眉間などあやうく目に危害が及ぶところだった事故も9件ある。

他人の針で事故にあったケースもある

 自分の持った針で自分の身体を傷つけたもの29件、肉親や友達などそばの人の針で傷付いたものが16件ある。その他、針を踏んで足を刺したものが9件あるが、あとは詳しい事故の状況が不明である。

針が抜けないために、病院へかけこまなければならない事故も多い

 けがの治療のため、病院へ行ったもののほか、刺さった針が抜けなかったために病院へ行った子どもも多い。



事例

【事例1】
父親と一緒に海で釣りをしていた。父親の釣り針が誤って左耳たぶに刺さり、針を抜くときに耳が裂けてしまった。
(95年6月 5歳 男)
【事例2】
釣りをみていたところ、友人の投げた釣り針が飛んできて眉間部に突き刺さった。
(96年8月 10歳 男)
【事例3】
釣り竿を引いたとき、勢いよく糸ごと針が飛んできて右の耳に刺さった。
(97年12月 12歳 男)
【事例4】
海でルアーを使って魚釣りをしていて、ルアーを目的の位置に投げようとして、誤ってルアーの針を左目まぶたに刺してしまい取れなくなった。
(98年5月 11歳 男)


事故の原因

  1. おもりや針が勢いよく飛んでくる恐さを知らない子どもが多い。注意しないと失明につながる危険もあることが周知されていない。
  2. かえし(針の先に魚が逃げないようにつけたとげのようなもの)のついた針は非常に取れにくく、無理に取ろうとするとけがを大きくする。
    釣ったあとは逃がすキャッチアンドリリースでも、かえしをつけた針を使用することが多いことも事故の多発につながっている。
  3. 特にスポーツフィッシングは、疑似餌を本物らしくみせるために泳がせながらそばに引き寄せるので投げる回数が増え、のんびり釣り竿を垂れる今までの釣りより、周りの人への配慮がおろそかになりがちである
  4. ルアーやフライ(虫の疑似餌)を使った釣りは遠くに飛ばすために釣り糸を長くして、大きく振り回して投げるために、多少離れていてもひっかける場合がある。
  5. マナーをよく知ったうえで、趣味として楽しむべきであるが、楽しさは教えても安全性まで含めて指導される機会がほとんどない。


釣りを楽しみたい人へのアドバイス

  1. 釣りをはじめるときは、熟練した人から道具の扱い方やマナーをしっかり教えてもらおう。たとえば、針の扱い方、竿の振り方、周り(特に後ろ)への配慮が必要であることなど。サングラスなどをしておくと目の被害を防ぐのに有効である。
  2. かえしがついていない針のほうがひっかかったときに抜きやすく、ひどい傷になりにくい。魚を逃がしてやるのであれば、かえしをなくした針を使うようにしよう。
  3. 石や藻などの障害物に引っかかった時には、引っ張る方向を変化させながら、ていねいにはずそう。無理に引っ張ると重りや針のついた先が、勢いよく飛んできて目に当たるなど危険な場合がある。
  4. 針が刺さったときにどうしたらよいか、知っておこう特にかえしのついた針のはずしかたやその後の消毒方法も知っておこう。
  5. 針が刺さったら医者の治療を受けたほうがよい場合も多い。簡単に抜けない場合には、無理をせず、そのまま治療を受けるほうがよい。



※この情報は、全国の協力病院から、国民生活センター「危害情報システム」に報告された受診情報を分析したもので、消費者に被害防止のための注意を促すことを目的に提供するものである。


本件連絡先 消費者情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について


発表情報トップページへ

ページトップへ