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[1998年5月7日:公表]

電気ジャーポットの比較テスト結果

 最近の電気ジャーポットは容量が大型化し、機能も多様化している。そこで、表示容量3リットルクラスの電動給湯式8社8銘柄に、エアー式1銘柄を参考品として加え、安全性、湯沸かし性能、保温性能などをテストした!

  • 安全性の面では、出湯時に前面のふたの透き間から蒸気が出てくるので、やけどをするおそれがある銘柄があった。さらに、倒れると大量にお湯が流出するものや、ポットを傾けるとお湯が漏れ出すものもあった。
  • 沸きあがり時間は約19〜30分、湯沸かし時の消費電力が大きいものほど早く沸く傾向にあった。
  • 保温温度はおおむね表示どおりであった。保温時の消費電力量は銘柄間により差があった。
  • 1日に2回満水の水を沸かし、高温で1日中保温すると年間で1万4300円〜1万7200円の電気代がかかる。これは最近の400X/DY8W=の冷蔵庫1年分の電気代より高い。
  • 使用性の面では、お湯を注ぐなどの操作そのものよりも、満水線の見やすさや水量計の見やすさ、あるいは沸きあがったときや空だき防止などの安全装置が働いたときの表示方法等で差があった。

 ※購入:1997年7月〜9月
 テスト:1997年9月〜1998年2月

 ※日立および参考品の象印は、テスト中に不具合が発生したので2台目を購入してテストを行った。

 このテスト結果は、テストのために購入した商品のみに関するものである


消費者アンケートから

 共同比較テスト参加センター及び国民生活センターで共通の「電気ジャーポットに関するアンケート」を実施し、1,946 名より回答を得た。結果の概要は以下の通りであった!

電気ジャーポットの使用者の割合を年代別で見ると、年代が高いほどよく使用していた

 回答者の70%の人が電気ジャーポットを所有しており、その中の約70%の人が現在使用していた。使用者を回答者の年代別で見ると、20代は50%、30代、40代は41%、50代は55%、60代は60%、70代以上は58%で、年代が高い人の方がよく使用していた。

使い始めた理由は、「いつでもお湯が使える」が最も多く、使用実態では、1日の湯沸し回数は2回が最も多く、24時間通電している人が50%もいた

 使い始めた理由は、「いつでもお湯が使える」が78%で最も多く、次いで「どこでもお湯が沸かせる」(19%)、「ガスを使わず安全」(14%)、「赤ちゃんのミルクづくり」(6%)と続いた。1日の湯沸し回数は、2回が最も多く33%、次いで1回の30%、3〜4回の23%であった。また、1日の通電時間は、24時間が最も多く約半数を占めており、次いで12時間(15%)、6時間 (10%)であった。

ポットの使いにくい点は、「残り湯が捨てにくい」が最も多く、次いで「ふたの脱着がしにくい」、「内容器の手入れがしにくい」、「水量計が見にくい」、「満水線が見にくい」が多い

 使用しているポットで使いにくい点は、「残り湯が捨てにくい」(39%)が最も多く、次いで「ふたの脱着がしにくい」(22%)、「内容器の手入れがしにくい」(21%)、「水量計が見にくい」(16%)、「満水線が見にくい」 (16%)で、今回の銘柄もほぼ同じ様な点で使いにくいものがあった。

使用中に約30%の人が、火傷などのけがをしたり、危険を感じたことがある

 具体的には、「給湯時に湯がはねた」(40%)が最も多く、次いで「ふたを開けた時に蒸気で火傷した」(34%)、「湯を捨てようとしてふたが外れた」(29%)、「蒸気口で火傷した」(29%)と続いた。

消費者は使いやすく、電気代のかからないポットを望んでいる

 次に購入する場合のポイントとして、「給湯や操作のしやすいもの」(62%)、「手入れのしやすいもの」(62%)、「電気代の安いもの」(35%)が上位を占めていた。



消費者へのアドバイス

購入上のアドバイス

ポットを倒したり、傾けたりするとお湯が漏れ出るものもあったので、特に幼児のいる家庭などでは、このテスト結果を参考に

 誤ってポットを転倒させたり、注ぎ口方向に傾けた場合、蒸気口や注ぎ口からお湯が漏れ出すものもあるので、特に幼児のいる家庭ではこのテスト結果を参考にされたい。なお、本体にあるロック/解除ボタンは、給湯のロック/解除であり、倒したり、傾けたりしてもお湯が出ないというボタンではないということを知っておく。

いつでもお湯が使えて便利な商品であるが、一日中通電しておくと、最近の400Lクラスの冷蔵庫よりも電気代がかかるので、不要な保温は極力止めると共に、使用頻度や使用量が少ない家庭ではやかんで沸かすようにする

 電気ジャーポットは、一度沸かせば時間を選ばずいつでもお湯が使えて、便利な商品ではある。しかし、沸かしてから高温で一日中保温しておくと、最近の400Lクラスの冷蔵庫よりも電気代がかかるので、不必要な保温は止めるよう心がける。お湯を使う使用頻度の少ない家庭や朝晩しかお湯を要しない生活では、その都度ガスでやかん等を用いて沸かした方が経済的である。

低温で保温できるものは省エネ効果もあるが、沸き上がってから各設定温度になるまではかなりの時間を要することを知っておく

 高温保温以外に中温(85℃前後)や低温(60℃)で保温できるものは、保温時の電力が高温時に比べて、85℃保温を例にとると約20%、60℃保温では50%以上節約できる。しかし、沸き上がってから設定した温度になるまでは、85℃保温の場合約1時間40分〜2時間20分、60℃保温の場合は約4時間20分〜6時間もかかるので、実用性を確かめて購入する。

容量は、家族数や日頃のお湯の使用実態を考慮して選べばよいが、表示容量の大きいものほど使えるお湯の量が多いとは限らない

 出湯できなくなっても多少のお湯は残っているが、その残り湯が多いものがあり(約220〜280ml)、実際に使えるお湯の量としては、同クラスの表示容量が下のものとあまり変わらないものもあるので、このテスト結果を参考にしてほしい。

使用上のアドバイス

ふたを開けた時などの蒸気や熱湯に注意して使うとともに、幼児のいる家庭では設置場所にも十分気をつける

 特にふたを開けた時は蒸気が一気に上昇するので、開ける際は操作部に指を置かないよう十分注意して使う。蒸気口は沸騰中だけでなく、沸き上がり直後でもかなり高温になるので、不用意に手や指が触れないよう注意する。また、ポットを倒したり、注ぎ口方向に傾けたりするとお湯が漏れ出るものもあるので、特に幼児のいる家庭ではポットを床の上に置かないなど設置場所にも十分気をつける。

ポットへの給水は水量計を見ながら行うのではなく、必ず内容器の満水線の位置を確認しこれを超えて入れないように

 水を入れすぎると、蒸気口や注ぎ口からお湯が噴き出ることがあるので、給水する際は、必ず内容器の満水線を超えないように注意する。なお、水量計を見ながら満水線まで水を入れると、内容器の満水線以上に水が入ることがあるので、必ず内容器の満水線で確認する。

沸騰中に勢いよくふたを閉めないこと

 沸騰中にふたを開けて勢いよく閉めると、蒸気口の中にある安全弁が蒸気口を塞いでしまい、容器内の圧力が上昇し出湯口からお湯が自然吐出することがあるので、このような操作はしないこと。

湯沸かし時の消費電力(ヒーター)が大きいものほど、沸き上がり時間も早くなる傾向にあるが、消費電力が大きいものは電流容量に注意する

 湯沸かし時の消費電力が大きいものほど、お湯も早く沸く傾向にある。しかし、電子レンジやオーブントースター、炊飯器など消費電力が大きいものと同時に使用すると、ブレーカが落ちる場合があるだけでなく、たこ足配線で使用すると発熱による火災の原因にもなるので、特に消費電力が 1000Wを超えるものは、他の電気製品の使用状況をよく確認し、定格15Aの単独のコンセントで使う。

高温保温以外は沸き上がってから設定温度になるまでにかなりの時間を要するので、使用する際はこの時間を考慮して使う

 高温保温以外に沸かしたお湯を中温(90、85、75℃保温など)や低温(60℃)で保温できる機種もあるが、沸騰してから設定温度になるには、前者で約1時間20分〜2時間30分、後者の場合は約4時間20分〜6時間も要する。例えば 60℃保温を設定しているメーカーは、赤ちゃんのミルクづくりにとすすめているが、これらの時間を考慮して使う必要がある。

沸かしたお湯をしばらく使わない時は、高温で保温するよりは低めの温度で保温しておき、使いたい時に再沸騰した方が経済的

 高温保温時はいつでも熱いお湯が使え、カップ麺や紅茶、コーヒーにも使える。これに加え、85℃前後で保温できるものは煎茶に、60℃保温のものは、赤ちゃんのミルクづくりにとすすめているが、保温時の経済性をうたっているメーカーもある。しばらくお湯を使わないのであれば、この温度で保温しておき、熱いお湯が使いたい時に再沸騰した方が経済的である。翌朝まで保温しておく場合などは、特に有効である。

容器内に付いた汚れの除去はクエン酸で洗浄するとよい

 内容器の変色や汚れは、水道水に含まれるミネラル分などの作用によるものなので、定期的に濡れたスポンジなどで拭き取ればよいが、変色が取れにくい場合は取扱説明書にも記載されているように、クエン酸を使用すればきれいになる。また、レモン汁を使用する方法の銘柄もあるが臭いが残るので、臭いが残らない点でクエン酸の方がよい。



業界への要望

より安全で使いやすい商品を望む

 転倒試験で、お湯の流出量が JISの基準値を超えるものやポットを傾けた時にお湯が漏れ出すものがあった。さらに、内容器が取り外せる機種に、出湯時に前方のふたの隙間から蒸気が出るものがあった。火傷の事故を防ぐためにも、お湯が漏れないなど、より安全な製品造りを望みたい。
 また、満水線や水量計が見にくかったり、ふたの着脱に手間取るものも見られた。アンケート結果からも消費者は使いやすいものを第一にあげているので、より使いやすいポットを造ってほしい。

より省エネの商品の開発を望む

 一部の機種に、保温する際に保温温度を低めに設定して使えば、より省エネになることをうたっているものもあるが、保温温度を低くすればそれだけ消費電力量が少なくなるのは当然である。そういう使い方も必要であろうが、この商品を使用している半数の人が1日中通電していることから、製品そのものがより省エネとなるものを造ってほしい。



テスト商品一覧

電動給湯式
銘柄名型式製造または販売者名メーカー希望小売価格湯沸かし時消消電力表示容量(L)保温温度(℃)付加機能
サンヨー U-ML3 三洋電機 15,500円 1200W 3.0 95 自動カルキ抜き
シャープ KP-DC35 シャープ 17,000円 900W 3.5 98 / 85 / 60 カルキ抜き
象印 CD-DR30 象印マホービン 16,000円 985W 3.0 98 / 90 自動カルキ抜き・蒸気量カット
タイガー PDB-B320 タイガー魔法瓶 17,000円 1000W 3.2 98 / 75 カルキ抜き
東芝 PLK-30LD 東芝 16,000円 900W 3.0 98 / 60 カルキ抜き・蒸気量カット
日立 JP-S32F 日立製作所 18,000円 905W 3.2 96-98 / 85 / 60 カルキ抜き
ナショナル NC-GA33 松下電器産業 17,500円 1200W 3.3 96-98 / 85 カルキ抜き
三菱 PJ-F35D 三菱電機 16,000円 905W 3.5 表示なし
エアー式
銘柄名型式製造または販売者名メーカー希望小売価格湯沸かし時消消電力表示容量(L)保温温度(℃)付加機能
(参考品)象印 CW-RM30 象印マホービン 12,000円 840W 3.0 98 / 60 自動カルキ抜き



本件連絡先 商品テスト部
電話 0427-58-3165


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