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[1998年4月21日:公表]

インターネットの消費者トラブル[5] プロバイダーに関する消費者トラブル

消費者被害速報 No.21

 個人が電話回線を使ってインターネットを利用する場合、プロバイダー(インターネット接続代行業者)との契約が必要である。利用者は、自分のパソコンとプロバイダーのアクセスポイントを電話回線で接続して、そこからインターネットに入ることになる。インターネットの利用者の増加に伴い、プロバイダーに関する相談も増えている。


相談件数等

 95年度にはじめて相談が寄せられ、累積で291件となっている(98年4月8日までの入力分)。

年度別件数(98年4月8日までの入力分)

プロバイダーに関する消費者トラブル年度別件数グラフ

当事者の属性(不明を除く)

[性別]
男性 204件(74%)
女性 71件(26%)
[年齢]
平均 34.6歳
30歳代 99件(38%)
20歳代 79件(30%)
[職業等]
給与生活者 175件(66%)

発生地域

全国的に発生



主な相談内容(マルチカウント)

契約や料金に関するトラブル(135件)

 「契約書がないので契約条項の詳細が不明」「入会しない限り内容を見せてくれない」「入会後、契約内容を一方的に変更された」「解約を申し出たところ『解約の○か月前までに申し出る』ように規約で決まっているとして利用しない○か月分の料金の支払を求められている」「数か月分の料金をまとめて請求される」「お試し期間後、自動的に入会したことにされた」など、契約や料金に関するトラブルがもっとも多い。プロバイダーには標準約款や業界モデル契約書はないため、契約内容は各事業者ごとに異なり、なかには、契約書がなかったり、契約内容や解約条件が消費者に著しく不利なものもあり、トラブルの一因になっている。
 また、オンラインサインアップ(通信で入会契約をすること)は、モニター画面上だけでの作業になるため、それゆえのトラブルも生じている。「申込みのクリックをしても反応がないため再びクリックしたところ二重契約になった」「パソコン本体のインターネットに関する説明書に従って操作したところ、パソコンメーカー系列の業者との契約になってしまった」「通信ソフトを試しにいじっていたところ契約になってしまい、会費を請求されている」などの相談がある。

サービスの質やサポートに関するトラブル(92件)

 「回線がつながりにくい」「通信速度が遅い」等、接続サービスの質そのものへの苦情や、「サポート電話がいつも話中」「サポートの対応が悪い」「問合せは電子メールで、となっているが、接続のトラブルなので電子メールは使えない」といったアフターサービスへの苦情がある。中には、「掲示板で誹謗・中傷されたので文書の削除を求めたが、対応してくれない」というものもある。

倒産、所在不明、一部営業地域変更に関するトラブル(49件)

 プロバイダーは新しい業種で、新たな業者が多数参入している一方、会員が集まらず倒産・廃業したり、業務縮小をしている業者もある。そのため、「入会金・年会費を支払ったにもかかわらず業者が倒産してしまい利用できない」「始めは利用できたが突然回線がつながらなくなってしまい業者と連絡がとれない」「自分が利用している地域のアクセスポイントが廃止されてしまい、電話料金が高額になってしまった」などのトラブルがある。



相談事例

事例1

年会費3万円を支払って契約したが、1か月後業者は「採算が取れない」と、連絡もなく突然他地域に引き上げてしまった。他地域にあるアクセスポイントに接続はできるが市外電話料金になるので料金が3倍になる。約束が違うので解約したい。(男性 38歳 給与生活者)

事例2

1年間3万円で契約した業者が半年後に倒産してしまった。返金はしないというが納得できない。(男性 40歳 給与生活者)

事例3

「通信コスト、スピードは業界一」とうたっているチラシをみて契約したが、電話料金が安くなる時間帯に回線がつながりにくい。誇大広告ではないか。業者に苦情を言ったところ「調査中」というが改善が遅い。いつまでに改善できるか尋ねても「期限は明示できない」という。メールアドレスは変えたくないので解約までは考えていないが、早く有効に機能させてほしい。(男性 45歳 給与生活者)

事例4

オンラインで契約申込みをしたが業者から何も連絡がなかった。電話をかけても通じなかったので、再度申込み、同じく電話で確認しようとしたが通じなかった。後日契約書が4通も届いて驚いた。解約し、後日改めて申込みたい。(男性 29歳 給与生活者)

事例5

パソコンが故障したため、オンライン上で解約手続きができない。利用できないにもかかわらず基本料金は請求され、支払っている。業者の連絡先に電話をかけたが、会社案内ばかりが長々と流れ、用件が伝えられない。(男性 30歳 給与生活者)

事例6

「インターネット3年間無料特典付」というパソコンを購入した。パソコンの取扱説明書を見て作業していくうちに、3年間無料になる業者ではなく、ハードメーカー系列の業者につながってしまった。訂正しようとしたが、業者は登録料を支払うよう求めてくる。プロバイダーがパソコンメーカーと結託して契約させようとするのは、問題ではないか。(男性 47歳 自営・自由業)



消費者へのアドバイス

目的に合わせて業者を選ぶ

プロバイダーは全国で2300社を超えている。業者を選ぶ際には、アクセスポイント、アクセススピード、価格、料金体系、サポート体制などを、自分の目的に合わせてよく検討し選択すること。

契約内容を確認する

契約時に契約内容(料金の支払方法、解約条件など)をよく確認すること。オンラインサインアップの場合は、事前に画面で契約内容を読み、それを保存しておく方がよい。

「誰でも」「簡単に」接続・利用できるとは限らない

「プロバイダーへの申込みはしたが、その後の設定ができない」ゆえのトラブルも目立つ。誰もが機器の購入やプロバイダーとの契約をするだけで手軽にインターネットを利用できるとは限らない。自信がない場合は、接続用のソフトウェアやサポート電話が用意されているなど、初心者向けのサービスがある業者を選ぶのも一つの方法である。

高額な入会金や料金前払いは慎重に

業者の倒産や営業エリアの変更によるトラブルが相次いでいる。入会時の料金が高額な場合や、使用料を長期にわたり前払いする際には、より慎重に検討することが必要である。

トラブルが起こった場合には、最寄りの消費生活センターに相談すること




※国民生活センターでは、インターネットを使うことから始まる消費者トラブルの実態について、順次公表している。この資料は、その第5弾(最終)である。

※この情報は、パイオネットPIO−NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に入力された相談のうち、非常に新手の商法・販売手口である事例や、最近相談が急増している事例について速報性を最優先に情報提供するものである。


本件連絡先 消費者情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。


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