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[1998年3月5日:公表]

電動アシスト自転車の比較テスト結果

 「上り坂や向かい風でも楽に走れる」などとうたった電動アシスト自転車。タイヤのサイズが24インチでバッテリー容量が同等な6社6銘柄と、一般的な24インチ自転車1銘柄について、走行性、経済性、使用性などをテストした。

  • 上り坂では、アシストの作動と変速機構により、ほとんどの銘柄が普通の自転車に比べてのぼりやすかった。変速機構のない銘柄は普通の自転車と大差なかった。
  • しかし、バッテリーが切れた状態での走行は普通の自転車と比べ、運転者に負担となる。
  • アシスト感は、弱すぎても強すぎても評価が悪かった。
  • 普通の自転車と異なりバッテリーの充電が必要。1回の充電で走れる距離は17〜42kmと、銘柄間でかなり差があった。充電の費用は10kmあたり0.9〜1.8円。
  • バッテリーの搭載位置や大きさなどにより、乗降性に差がみられた。さらに、車両重量がかなり重いので、前輪を持ち上げたりするときに扱いにくかった。

※購入:1997年8月
 テスト:1997年8月〜1998年1月

※このテスト結果は、テストのために購入した商品のみに関するものである

電動アシスト自転車ってどんなもの?

一部テスト結果も踏まえて、電動アシスト自転車の特徴を知っておきましょう。

自分でこがなければ動かない

 電動アシスト自転車には、電動モーターとバッテリーが付いているが、オートバイや原動機付き自転車と違って、自分の足でこがなければ動かない。電動アシスト自転車は、発進時や上り坂などペダルを踏むのに大きな力が必要な場合に、電動モーターの力を借りて軽くペダルを踏んでも走れるようにと、考えられたものだ。

 自転車に乗る人のペダルを踏み込む力や、ペダルの回転数をセンサーが感知すると、これに応じて電動モーターが作動し、走行を補助する仕組みになっている。道路交通法では、人がペダルをこぐ力と電動モーターによるアシスト力(補助動力)の比を、人力1に対してアシスト力は最大でも1までと規定している。すなわち、駆動力全体に対するアシスト力の比率(アシスト率)は最大でも50%である。これは常に、アシスト力は、乗っているときに人が出す力より大きくならないことを意味し、人の力がなくては走れない。

 電動アシスト自転車の電動モーターはあくまで人力で走ることの補助として利用されているので、道路交通法上は「自転車」と同様に運転免許もヘルメットもいらない。

速く走るほどアシスト率は低くなる

 スピードの出過ぎを防ぐために、時速15km以上になると、電動モーターによるアシスト率が徐々に下がり、時速24km以上ではアシスト率は0%になるように、道路交通法で規定されている。すなわち時速24km以上で走ろうとすると、人間の力だけで走ることになる。

意外に重い車両重量

 電動アシスト自転車には、電動モーターやコントローラー、バッテリーが搭載されているので車両重量は30kgほどになり、一般の自転車(参考品)よりかなり重い。バッテリーの残量が十分で電動モーターによるアシスト力が働くときはよいが、バッテリーが切れるとかなり重い自転車を取り扱うことと同じになる。そのため、走行中はもとより押して歩くときも負担が大きくなる。特に上り坂などではたいへんだ。スタンドの使い勝手なども一般の自転車よりも悪い。また、交差点などでよろけたりしたときに支える場合や、倒れてしまった電動アシスト自転車を起こそうとするときの負担も一般の自転車より大きい。

アシストしてもらうためにはそれなりの足の力が必要

 電動モーターによるアシスト力が働くためには、ペダルを踏んで人間が力を加えなければならないが、アシスト力が働き始めるのに最低限加えなければならない力(最低踏力)の大きさが設定されていることを知っておきたい。銘柄によって必要な力の大きさは異なる。足の力が特に弱い人が乗るとき、ペダルを踏んでも、力が弱くこの最低踏力に達しない場合は、アシスト力を受けられない可能性もある。

消費者へのアドバイス

購入するにあたって

1.実際に電動アシスト自転車に乗ってみる

 自転車の押し歩きの機会が多い人や、体力に自信のない人は、販売店で試乗させてもらうなどして、重さを実感してみるべきであろう。使用される環境によっては、車重が軽くて変速機のついた普通の自転車のほうが使い勝手がよいこともある。

2.両足が確実に地面につく大きさのものを選ぶ

 走行中にバランスを崩すことも考えられるので、サドルが低く両足を地面につけることが出来るもの、タイヤ径の小さいものを選ぶとよい。同じ重さでも、タイヤ径が小さければ重心が低くなるので、取り回しが若干楽になると思われる。両足が付くことが出来れば、バランスを崩したときも、足で自転車を支えやすい。

3.ペダルを踏む力が弱い人が使用するとアシスト力が働かないこともある

 銘柄によって異なるが、電動アシストが作動するのに必要な最低限の踏力がある。このためペダルを踏む力が弱い人が使用した場合、電動アシストを作動させることが出来ないためかえって重い自転車を使用しているような状況となることも考えられる。また、ペダルを踏む力が十分に強い人であっても、踏力や速度などによってアシスト力が得られないこともある。

4.急勾配の坂は登れないことも

 電動アシスト自転車は、普通の自転車よりも 1.5倍ほど重く、踏力と同じアシスト力が得られるからと言っても必ずしも急勾配の坂道を登れるわけではない。坂の勾配と乗員の体力によっては坂を登れないこともあり得るが、乗員の体力が不足していた場合、自転車から降りて、押して歩かなければならないBこのような時は、車重が普通の自転車よりも重いため、当然大きな負担となる。今回、体重63kg、年齢27歳の男性でのテストで、傾斜角約8度(勾配約14%)の坂は登れたが、約11度(約19%)の坂が登れないことがあった。

5.販売店で電動アシスト自転車の説明をよく聞く

 電動アシスト自転車は従来の自転車の取扱い方に加えて、バッテリーの管理などの知識と取扱い方が必要となる。扱い方を間違えれば、せっかくの高価な製品も能力が十分に発揮されない。後々のトラブルを避けるためにも電動アシスト自転車特有の取扱い方を販売店で理解できるまで説明を受けるほうがよい。

使用するにあたって

1.ニカド電池は完全放電する必要がある

 バッテリーにニカド電池を採用してる銘柄が多い。ニカド電池は半端な充放電を繰り返すと、見た目の容量が減るメモリー効果現象で走行距離が短くなる。これを防ぐためには時々全容量を使い切り、満充電する必要がある。リフレッシュ機能が用意されている場合は、それを利用するとよい。なお、鉛電池ではメモリー効果現象の影響が小さく、リフレッシュの必要はないとされている。鉛電池はニカド電池に比べて過放電に弱い。そのため、長期間使わないときは、完全充電してから保管すると良い。また、使わなくても時々充電することが望ましい。

2.タイヤの空気圧には十分に注意する

 バルブの虫ゴムの劣化やパンクなどがあれば急激に空気が無くなるのですぐに分かるが、チューブ内の空気は放っておいてもわずかずつ漏れている。タイヤは路面との大事な接点であり、空気圧不足は様々なトラブルの元となる。

 電動アシスト自転車のタイヤ空気圧は常に気にしていたほうがよい。電動アシスト自転車では特にタイヤの空気圧は高めにしたほうが走行抵抗が小さくなり走行距離の向上が見込まれる。また、リム打ちパンクの予防にもなる。

3.電動アシスト自転車での「蹴り乗り」は危険

 ペダルに足をかけ、勢いをつけて乗り込みスタートする「蹴り乗り」を行う人が多く見られる。しかし電動アシスト自転車ではペダルが強く踏まれればモーターがそれに応じて強いアシスト力を出すため、自転車が飛び出し、事故を招く恐れがある。アシストによりスタートが楽になるので、勢いをつけずとも十分スタートできるので、安全のためにも蹴り乗りは控えたほうがよい。

4.電動アシスト自転車でのサドルは低めに

 一般の自転車では、ペダルを楽にこぐために、サドルの高さを地面につま先でつくぐらいにするのが良いとされている。しかし電動アシスト自転車ではアシストが働くことによりサドルを高めにせずともペダルを楽にこぐことが出来る。むしろ停車したときに重たい自転車を少しでも楽に支えるために、サドルは低めにして両足がかかとまでつくようにしたほうがよい。

5.バッテリーの交換費用も念頭に置く

 バッテリーにも寿命があり、消耗品である。ほとんどの銘柄で、充電回数500回で寿命とされている。当然この数値は使い方によって異なる。仮に4日で1回充電するような使い方をすると5年ほどでバッテリーを交換することとなり、交換用バッテリーの購入費用を2万円ほど負担しなければならない。

6.使い終わったバッテリーは販売店に持って行くようにする

 電池寿命で使えなくなったバッテリーは、販売店などで回収しているので持って行くようにする。決して、一般ごみとしてごみ収集などへ出さない。

業界への要望

バッテリーの残量は、わかりやすく、正確に表示するように望みたい

 電動アシスト自転車は重い自転車のため、遠方などでバッテリー切れとなりアシスト力が得られなくなると、かえって負担となってしまう。そのため、バッテリーの残量表示は、満充電状態からアシスト力が得られなくなくなるまで段階的にわかりやすく、正確に表示するように望みたい。

ニカド電池の充電器には、リフレッシュ機能を付けるように望みたい

 ニカド電池採用車の取扱説明書には、メモリー効果現象対策のため、ニカド電池は時々使い切るむねの記述があるが、長距離を走っている途中でバッテリーを使いきると自転車が重いため思わぬ面倒となりかねない。バッテリーを使いきらなくても、充電器で完全放電できるようリフレッシュ機能をつけるなどの対策を望みたい。

電動アシスト自転車の更なる軽量化を望みたい

 電動アシスト自転車は30kg近い車両重量があるため、バッテリーが切れたときの走行や使い勝手にかなりの力を要する。バッテリー切れでも支障無く走行でき、使い勝手も向上するよう更なる軽量化を望みたい。

テスト商品一覧

銘柄名型式製造または販売者名本体価格充電器価格バッテリー価格車両重量バッテリーの種類
エナクル CY-A2LW 三洋電機 103,000円12,000円31,000円 27.5kg ニカド 無(注3)
さんぽ路 SP243-M 丸石自転車 99,800円12,000円16,000円 27.5kg 鉛シール
ニュー・パス PX24 ヤマハ発動機 87,800円12,000円25,000円 26.0kg ニカド 有(注3)
陽のあたる坂道 BE-EB432 ナショナル自転車工業 108,000円10,000円28,500円 28.2kg ニカド 有(注3)
ラクーン24UX-3 UB04 本田技研工業 89,500円10,000円24,000円 29.0kg ニカド 無(注3)
LOVE24 FZ81B スズキ 136,000円(充電器含)-19,800円 30.5kg サイクロン電池
(参考品)バードランド - ブリヂストンサイクル 36,800円-- 18.5kg -
  1. (注1)本体価格、充電器価格、充電用バッテリー価格はメーカー希望小売価格。
  2. (注2)変速機は、エナクル以外全て3段変速。
  3. (注3)ニカドバッテリーの場合のリフレッシュ機能の有無をあらわす。

電動アシスト自転車テストした商品の写真一覧1

電動アシスト自転車テストした商品の写真一覧2


本件連絡先 商品テスト部
電話 0427-58-3165