[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 冷凍野菜の比較テスト結果

[1998年1月7日:公表]

冷凍野菜の比較テスト結果

 保存性が高く、手軽に利用できるので便利な冷凍野菜。
冷凍野菜(いんげん、枝豆、里芋、ブロッコリー、ほうれんそうを各4銘柄ずつ、合計20銘柄)について、生鮮野菜との栄養価比較、残留農薬、おいしさなどをテストした。

  • 微生物からみた衛生面はどの銘柄も問題なかったが、農薬については4銘柄から3種類の農薬が検出された。
  • [ブロッコリー]は4銘柄中3銘柄に1、2種類の小さな虫が混入していた。
  • 栄養価をそれぞれ日本食品標準成分表の値と比較したところ、全体的な傾向でみると大きな損失はなかった。
  • 野菜としての栄養価は[ほうれん草]が高かったが、銘柄によって2倍以上もの差がある栄養成分もあった。
  • 官能テストの結果、冷凍野菜は生鮮野菜と明らかな差があり、生鮮野菜の方がおいしかったが、総合的な利用価値に関する感想では、ほとんどの人が何らかの形で利用してよいと答えた。
  • 原産国表示がなかったり、野菜に期待されるビタミンやミネラルの表示がないなど、表示は不充分な銘柄が目立った。

【 各冷凍野菜の栄養価 】
冷凍いんげん、冷凍枝豆の栄養成分を表すグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

左のグラフは、生鮮いんげん(四訂日本食品標準成分表の値)の栄養成分(数字は100g当たり)を全円としたときの冷凍いんげんの各銘柄の成分を示す。いんげんの銘柄は(1)アイク(2)三和(3)スマイル(4)フードサービスジャパン。ビタミンA(270IU)はアイクとスマイルの栄養価は生鮮より高め、三和は生鮮より若干低め。フードサービスジャパンは生鮮より低め。ビタミンB1(0.11mg)は各銘柄とも生鮮の栄養価より低め。ビタミンC(9mg)は三和とフードサービスジャパンが生鮮の栄養価とほぼ同じ。アイクとスマイルが生鮮より低め。カルシウム(60mg)は三和が生鮮の栄養価より若干高め、アイクとスマイルが生鮮より若干低め、フードサービスジャパンが生鮮より低め。鉄(1.0mg)は、三和が生鮮の栄養価より高め、他3銘柄は生鮮より低め。
右のグラフは、生鮮枝豆(四訂日本食品標準成分表の値)の栄養成分(数字は100g当たり)を全円としたときの冷凍枝豆の各銘柄の成分を示す。枝豆の銘柄は(1)アイク(2)ジェスマック(3)八社会(4)フィスコ。ビタミンA(60IU)は各銘柄とも生鮮の栄養価より高め。ビタミンB1(0.32mg)は各銘柄とも生鮮の栄養価より若干低め。ビタミンC(30mg)はフィスコが生鮮の栄養価より若干高め、残り3銘柄は生鮮とほぼ同じ。カルシウム(90mg)はアイクが生鮮とほぼ同じ栄養価、他3銘柄が生鮮より低め。鉄(1.7mg)は、フィスコが生鮮の栄養価より高め、アイク、八社会は生鮮の栄養価より若干高め。ジェスマックは生鮮の栄養価とほぼ同じ。

冷凍ブロッコリー、冷凍ほうれんそうの栄養成分を表すグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

左のグラフは、生鮮ブロッコリー(四訂日本食品標準成分表の値)の栄養成分(数字は100g当たり)を全円としたときの冷凍ブロッコリーの各銘柄の成分を示す。ブロッコリーの銘柄は(1)イトーヨーカ堂(2)西友(3)日本水産(4)八社会。ビタミンA(400IU)は各銘柄とも生鮮の栄養価より低め、ビタミンB1(0.12mg)も各銘柄とも生鮮の栄養価より低め。ビタミンC(160mg)はイトーヨーカ堂、西友、日本水産が生鮮の栄養価より若干低め、八社会が生鮮より低め。カルシウム(49mg)はイトーヨーカ堂が生鮮の栄養価とほぼ同じ、他の3銘柄が生鮮より低め。鉄(1.9mg)は、各銘柄とも生鮮の栄養価より低め。
右のグラフは、生鮮ほうれんそう(四訂日本食品標準成分表の値)の栄養成分(数字は100g当たり)を全円としたときの冷凍ほうれんそうの各銘柄の成分を示す。ほうれんそうの銘柄は(1)味の素(2)加ト吉(3)ニチレイ(4)丸正チェーン商事。ビタミンA(1700IU)は各銘柄とも生鮮の栄養価より高め。ビタミンB1(0.13mg)は各銘柄とも生鮮の栄養価より低め。ビタミンC(65mg)は丸正チェーン商事が生鮮の栄養価よりやや低め、加ト吉・味の素が生鮮より低め、ニチレイが生鮮より大幅に低め。カルシウム(55mg)は加ト吉が生鮮の栄養価より大幅に高め、丸正チェーン商事が生鮮より高め、味の素が生鮮より若干高め、ニチレイが生鮮とほぼ同じ。鉄(3.7mg)は、加ト吉が生鮮の栄養価よりやや低め、他3銘柄は生鮮より低め。

※購入:1997年6〜9月
 テスト:1997年6月〜11月

※このテスト結果は、テストのために購入した商品のみに関するものです


消費者へのアドバイス

「冷凍野菜」は長所を生かして上手に利用しよう

「冷凍野菜」はおいしさに関しては「生鮮野菜」と比較すれば劣ってはいたが、「生鮮野菜」より多くのものが安価であった。また、保存性が高く、調理する際の洗ったり、切ったりする必要もなく手軽に必要な時に好きな量だけを利用できる利点をもっている。また、栄養価の損失もそれ程なく、むしろ「ほうれん草」などはビタミンやミネラルなどの栄養価も多かったことから栄養面からも利用価値はある。
このような点を考慮して野菜を比較的多く使う場合や野菜自体の味を味わうような料理の場合は生鮮野菜の利用を第一に考えるとよいが、端境期や調理の手間を省きたい時などは味付けなどを工夫して活用を考えるとよい。
また、色どり、付け合わせ、味噌汁の具など少量利用する時にも便利な素材といえる。

「ほうれん草」は銘柄によって使用性に大きな差があるので調理によって銘柄を選んだ方がよい

今回テストした「ほうれん草」4銘柄はいずれもカッティングされていたが、冷凍時の形状が異なり2銘柄は俵型のブロック状、他の2銘柄はばらばらの状態であった。
簡便性の点では、ブロック状の銘柄(ブロックの大きい銘柄は特に)はゆでる場合も電子レンジで加熱する場合も中心部まで温めるのにムラも出来やすく時間も長くかかる。また、炒めものや色どりに少量使用する場合、非常に使いにくい。逆に、ばらばらの状態のものはおひたしには無理であるなど、メニューによって形状を考慮して選ぶ必要がある。

「ブロッコリー」を利用する際は小さな虫を気にするのであればゆでた方が良い

今回、異物のテストを行ったところ、「ブロッコリー」からは4銘柄中3銘柄に小さな虫が検出された。「ブロッコリー」は形状的に生鮮野菜の場合でも同様に洗う際にかなり注意が必要であると思われるが、もし小さな虫の混入が気になるようであれば、冷凍野菜を利用する場合「ブロッコリー」はゆで汁の方に排出されるのでゆでた方がよい。

「冷凍野菜」は購入してきたらなるべく早く冷凍庫に入れた方がよい

冷凍食品一般の注意として、解凍しないように購入後気をつけることが大切である。「冷凍野菜」の場合夏の暑い時期などは30分程度でやわらかくなってくる。特に「ブロッコリー」や「ほうれん草」などは形がくずれたり水が出る等の現象がみられ、その後再凍結すると全体がひとつに固まってしまい、使用するにあたりおいしさ、品質面で劣化がみられた。購入する際にはドライアイスのサービスをうけたり出来るだけ早く持ち帰り、直ちに冷凍庫に入れるなどの注意をした方がよい。



業界への要望

  1. 「ブロッコリー」と「いんげん」の合計4銘柄に小さな虫が検出された。そのうち「いんげん」は14mmの比較的大きいものであった。冷凍野菜は表示にもあるとおり、食するまで家庭では洗うということがないため、このような虫は食べてしまう可能性が高い。製造段階での品質管理を徹底してほしい。
  2. 野菜に期待されるビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養成分については冷凍による損失がないかなど消費者の知りたい部分である。しかし、実測値は全く示されていなかった。これらの成分には銘柄による差が大きいものもあり、日本食品標準成分表の値とも差がみられたことから実態に沿った栄養成分表示を要望する。
  3. テストした20銘柄のうち4銘柄に原産国表示がなかった。冷凍野菜は輸入品の割合が高いので、原産国表示(国産表示も含む)について徹底してほしい。


テスト商品一覧

種類輸入者または販売者名原産国内容量購入価格価格(円/100g)
いんげんアイクタイ300g198円66
三和中国250g158円63
スマイルタイ300g230円77
フードサービスジャパンタイ500g278円56
生鮮品 158〜220
枝豆アイク中国400g178円45
ジェスマックタイ400g198円50
八社会中国450g228円51
フィスコ台湾400g278円70
生鮮品 117〜153
里芋五十嵐冷蔵中国500g199円40
ジャスコ日本400g398円100
八社会中国500g278円56
丸正チェーン商事日本400g338円85
生鮮品 61〜108
ブロッコリーイトーヨーカ堂メキシコ200g238円119
西友メキシコ350g295円98
日本水産200g260円130
八社会200g248円124
生鮮品 75〜115
ほうれんそう味の素200g176円88
加ト吉300g182円61
ニチレイ中国300g270円90
丸正チェーン商事中国300g198円66
生鮮品 42〜119

注1:価格(円/100g)は枝豆以外は小売価格統計調査報告
   の価格(枝豆は中央卸売市場価格の1.35倍)より廃棄
   率を考慮して求めたもの

注2:原産国の欄 − は原産国表示のないもの




本件連絡先 商品テスト部
電話 0427-58-3165


発表情報トップページへ

ページトップへ