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[1997年12月5日:公表]

ミニバンの比較テスト結果

 大勢乗れて、荷物も積める、遊びに出かけるのにぴったりのミニバン。1ボックスタイプのミニバン4社4銘柄と、同じ排気量の4ドアセダン(参考品)についてテスト、その性能や特徴を徹底比較した。

  • 今回のミニバンは、どれだけ小回りできるか、などの走行性能はセダンと比べ全般的にやや劣っていた。市街地での燃費はセダンと比べ同等のものから2割以上悪いものまであり、銘柄間で差があった。また、市街地での燃費が良いと、高速道路でも燃費が良い傾向があった。
  • 荷室の広さは、3列あるシートを全て使う時はセダンより奥行きが短めだったが、3列め、2列めと畳んでいけば、広い荷室が得られた。シートの畳み方は銘柄によって違い、荷室の広さにも差があった。
  • シートをフルフラットにした時は平坦なシートが快適で、走行中は体を保持する凹凸のあるシートが快適だった。
  • リアウィンドが高いために車両の直後を直視で確認しにくく、直後を確認するミラーが付いていても後退時は注意が必要だった。

※購入:'97年7月
テスト:'97年8月〜9月

※このテスト結果は、テストのために入手した商品のみに関するものである。


テスト結果から

 テスト対象としたミニバンは、セダンなどに比べ多人数で利用できるよう乗車定員も多く、また、キャンプ、スキーなどのレジャー用品も多く積載できるよう考慮された造りとなっている。このためもあってか車重は重め、自動車の外観は比較的車高の高いボックス形状となっているため、走行性能(直進安定性、制動性など)や走行燃費がどのように異なるのか、また、レジャー用途としてのシートの使いやすさや車室内の広さなどが気になるところである。

 これらについて調べた結果、今回取り上げたミニバンは、回転半径等の走行性能は今回の参考検体のセダンに比べると全般的にやや劣る傾向を示しており、銘柄によって燃費に大きな違いがあったほか、シートや荷室の使い勝手にも差が見られた。



消費者へのアドバイス

購入するにあたっては

1.乗車人数と積載できる荷物の量とを理解する

ミニバンは、セダンと比べて乗車定員が多い。ただし、定員乗車する時はサードシートまで使用することになり、このときの荷室の奥行きは短く、大きな荷物や多量の荷物は積めない。そして、サードシートを2分割して半分だけ折り畳み荷室にできる銘柄もある。また、サードシートやセカンドシートを折り畳んで広い荷室として使う場合、得られる荷室は、サードシートやセカンドシートの折り畳み方式により、幅が狭く奥行きが長くなる銘柄や、幅が広く奥行きが短くなる銘柄があるので確認するとよい。

2.シートをフルフラットにした時の快適性と走行時の体の保持性の両立

各銘柄ともフルフラットにできるシートを採用しているが、シートの凹凸が大きすぎるとフルフラットにした時の快適性が低くなり、一方シートが平坦すぎると走行時(着座状態)に旋回をすると体が保持されず、左右にずれて乗り心地が悪くなる。フルフラットにする機会がどれくらいあるか、フルフラットにした時の快適性と走行時の体の保持性をどれくらいで両立させるか、検討するとよい。

3.安全装備には違いがあるので確認する

近年、消費者の安全への関心が高まるとともに、ABSやエアバック等の安全装備が装着可能な乗用車が増えてきた。今回テストした4銘柄も全てABSと運転席エアバックの装着が可能であった。しかし、銘柄によっては、これらの装備が標準装備の場合とオプションの場合があった。さらに助手席エアバッグについてはオプションにも設定されていない銘柄があったので、購入時に確認するとよい(平成9年8月にマイナーチェンジした銘柄があり、これにより現在は4銘柄とも、ABSと運転席エアバックは標準装備として販売されている)。

4.燃費はセダンと同等の銘柄も

燃費は市街地走行、高速道路走行とも銘柄間で差が見られた。また市街地走行の燃費はFR駆動のセダンと比べると同等の銘柄もあり、20%以上悪くなる銘柄もあった。このテスト結果を参考にするとよい。

5.グレードや仕様の違いで装備も多様

一般的に、ミニバンには多くのグレードや仕様が用意されている。これらの違いにより、シートの形状や乗車定員が異なったり、内装の材質が異なるほか、スライドドアのイージークロージャー(半ドアを防止できる機構)やコーナー/バックソナーなどの多様な快適装備が用意されている。カタログ等でよく確認するとよい。

運転するにあたっては

1.後方は確認しづらいので後退時は十分注意する

ミニバンはセダンに比べ目線が高くなるが、リヤウィンド下端も高くなり、車両直後を確認しづらくなる。このため、車両直後に死角が発生しないようリアアンダーミラーを標準装備した銘柄と、標準装備していない銘柄があった(オプションで用意されている)。しかし、リアアンダーミラーを装備していても映し出される像は小さくなり、ミラーの縁に近くなると像は歪んでいるので、後退時は小さな子供等に十分注意する必要がある。

2.セダンに比べ広い荷室が得られるが

バックドアの開閉には車両後方に大きなスペースが必要セカンドシートやサードシートを折り畳むとセダンよりも広い荷室が得られ、さらにレジャー用品のようにセダンのトランクには積めないような大きな荷物を積み込むことができる。ただし、バックドアを後方に開閉するためには、車両後方に大きなスペースが必要となる。後方の車両や壁に近づけて駐車すると、荷物の積み下ろしができなくなるので注意が必要である。

3.フルフラットシートに乗員や荷物を載せて走行しない

各銘柄ともフルフラットシートを採用しているが、フルフラットシートは停車中に使用するものである。走行中にフルフラットシートの操作をしたり、フルフラットシートに乗員や荷物を載せて走行すると、急ブレーキの際などに乗員が怪我をしたり、荷物が飛び出し重大な事故につながる恐れがあるので、決してそのような使い方はしない。

4.ウォークスルーであっても走行中は室内を移動しない

ウォークスルーもフルフラットシート同様、停車中に行うものである。走行中に行うと、急ブレーキの際などに乗員が怪我をする恐れがあるのはもちろん、運転者の視界や運転操作の妨げにもなるので、決して行わない。



業界への要望

床に突起物などがない安全な車内を望みたい

車内で危険な個所がないか調べたところ、セカンドシートをスライドさせると樹脂カバーがあるもののシートレールがむき出しになる銘柄や、セカンドシートを折り畳むと床に留め具が突出した状態になる銘柄があった。また、セカンドシート(中央席)用のシートベルトを床の窪みに収納する様になっている銘柄があったが、収納されず床に放置される場合も考えられ、その場合、乗降の際に足を引っかけてつまづき、怪我をする恐れもある。以上のことから、床に突起物などがない、安全な車内が確保された車造りを望みたい。

カタログには正確な諸元値を記載するよう望みたい

最小回転半径(最大かじ取り角で徐行した時、最も外側になるタイヤの接地部中心点が作る軌跡の半径)を測定したところ、カタログには5.6mと記載してあるのに対し測定値が左回り6.05m、右回り5.96mと0.3m 以上大きい銘柄があった。カタログに記載された最小回転半径は、車両を購入する際の重要な情報である。カタログには、正確な諸元値を記載するよう望みたい。



テスト商品一覧

製造又は販売会社名
銘柄名/型式
トヨタ自動車(株)
ライトエースノア G・スペーシャスルーフ/E-SR40G
車両本体価格
198万5000円
主な仕様
FR・4速AT 乗車定員8
製造又は販売会社名
銘柄名/型式
日産自動車(株)
セレナFX/E-KBC23
車両本体価格
199万8000円
主な仕様
FR・4速AT 乗車定員8
製造又は販売会社名
銘柄名/型式
本田技研工業(株) 
ステップワゴンG・ポップアップシート/E-RF1
車両本体価格
198万8000円
主な仕様
FR・4速AT 乗車定員8
製造又は販売会社名
銘柄名/型式
マツダ(株)
ボンゴフレンディ RS-V/E-SGEW
車両本体価格
197万4000円
主な仕様
FR・4速AT 乗車定員8

参考

製造又は販売会社名
銘柄名/型式
トヨタ自動車(株)
マークII グランデ/E-GX100
車両本体価格
235万円
主な仕様
FR・4速AT 乗車定員5

注:車両本体価格は、ABS・エアバック・リアアンダーミラーを装備した価格。

テストした商品の写真




本件連絡先 商品テスト部
電話 0427-58-3165


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