(※) 加水分解---ウレタンのような化合物が水・空気中の水分等によって分解する反応。
| 年度 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97* | 件数 | 19 | 26 | 37 | 40 | 37 | 43 | 54 | 40 | 55 | 65 | 24 |
|---|
紳士靴が最も多く71%を占める。また、テニスシューズ、ジョギングシューズ を含め運動靴が61件(14%) ある。
| 種類 | 紳士靴 | 婦人靴 | テニス シューズ | ジョギング シューズ | その他の 運動靴 | その他 ・不明 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 件数 | 314 | 47 | 24 | 16 | 21 | 18 |
78% (229件)は靴を履いているとき(歩いているとき)に靴底が壊れており、このうち4件はけが(足首から先・骨折1件、靱帯損傷1件、捻挫2件)をしている。
「靴を履こうとして」「保管中に」など靴を履く前に破損に気づいたのは22%(65件)であった。
ウレタンの加水分解による劣化は、製造時点から始まるのだから、「製造から破損に気づくまで」の期間が重要なわけであるが、消費者には自分の買った靴がいつ作られたのかは分からないので、ここでは購入後の期間をまとめた。購入後2〜3年たって破損に気づくケースが多いが、購入後1年未満というものも 33件(20%) ある。「購入後1年未満」でも製造からはかなり経っていると思われる例も少なくない。
| 期間 | 7日 未満 | 1月 未満 | 3月 未満 | 6月 未満 | 1年 未満 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 件数 | 8 | 8 | 5 | 4 | 8 | 12 | 23 | 27 | 13 | 22 | 14 | 8 | 16 |
| % | 4.8 | 4.8 | 3.0 | 2.4 | 4.8 | 7.1 | 13.7 | 16.1 | 7.7 | 13.1 | 8.3 | 4.8 | 9.5 |
(ケース1)
2年前に買ってまだ2回しか履いていなかった婦人靴を履いていたら、突然靴底が破損した。その場で脱ぐわけにもいかず、しばらく歩き続けたところ、右足首を捻挫して歩けなくなってしまい、医者にかかっている。販売店に苦情を申し出たら「長い間履かないでおくほうが悪い」と言われた。(95年 67歳 女)
(ケース2)
買って2、3回履いただけのテニスシューズの靴底が割れて、足をくじいてしまった。(97年 35歳 男)
(ケース3)
6カ月前に購入した靴を履いていたところ、転んでしまった。靴底をみると、ウレタン製の底が欠けており、細かい亀裂が沢山入っていた。メーカーは「流通段階での保管の悪さなどにより靴底が劣化していたと思われる」と言っている。(93年 53歳 女)
(ケース4)
5年前に購入した紳士靴。冠婚葬祭用として大事に履いていたのに、底がひび割れ、歩いた足跡に粉状のものが落ちている。(96年 41歳 男)
(ケース5)
3年前、通販で2足セットの靴を購入。最近2足目を下ろしたら、履いて2日目に底が裂けて履けなくなった。(受け付けたセンターが問い合わせた結果、5年前の製造であることがわかった。)(96年 43歳 男)
(ケース6)
数カ月前店じまいバーゲンで、数足購入した紳士靴を順繰りに履いた。約20日間履いただけでいずれも底がボロボロになり、紙のようなかかとが出てきた。(96年 67歳 男)
(ケース7)
1年前に購入した夏用の紳士靴。箱に入れたまま置いてあった。履こうと思って取り出したところ底がボロボロで履けない。(97年 60歳 男)
(ケース8)
2〜3年前に購入した有名メーカーのスポーツシューズ。1、2回履いてしまっておいたら靴底がボロボロで履けなくなった。(受け付けたセンターが調べた結果、14年以上前に輸入された商品であることがわかった。)(96年 50歳 女)
全日本履物団体協議会傘下の業界団体である日本靴工業会に加盟する靴メーカーは、説明書に「発泡ポリウレタン底は(略)長期間の保管をすると使用回数にかかわらず経年変化を生じ、破損する場合があります。」と記載している。メーカーによっては、靴底にウレタン底である旨を表示したり、「風通しのよい場所に保管すること」「長期間の保管を避けること」などの説明書を入れているところもある。また、同工業会によると、近年ウレタンの中でも経年変化を生じにくい材質に変えるメーカーも増えているとのことである。
靴底の破損による事故等を防ぐため、靴メーカーの関係団体に対し以下の要望をする予定である。
ウレタン製の靴底は加水分解により劣化して破損するので、以下のような注意が必要である。